2016.5.29  CEVレプソルインターナショナル選手権 第3戦 アラゴンアラゴン

長島が2位/3位で連続表彰台。山田は11位/8位となる

トップ争いに加わった鳥羽が4位でチェッカー

2016年5月29日(日)・決勝  会場:モーターランド・アラゴン  全長:5.077km
Moto2 レポート

FIM CEVレプソルインターナショナル選手権の第3戦は、モーターランド・アラゴンで開催されました。2009年、アルカニス郊外に誕生したこのサーキットは、アップダウンの豊かな、5qを超えるロングコースで、7の右コーナーと、10の左コーナーが連続。それもブラインドコーナーが多く、攻略の難しいコースとして知られています。2010年からは、ロードレース世界選手権の舞台となっています。

長島哲太長島哲太

長島哲太(#45)長島哲太(#45)

Moto2クラスでは、開幕戦で転倒し、左腕の負傷が心配されていた長島哲太(Ajo Motorsport A.)が元気な姿を見せました。長島は予選から好走。3番グリッドを獲得し、フロントローに並びました。山田誓己(Nobby H43 Honda)は7番手、3列目からのスタートとなりました。

1レース目、長島はスタートからトップ集団を走ります。トップに立ったのはアラン・ティーチャー(NTS T Pro project)、それを追う4台がセカンドグループを引き離し、激しいトップ争いを繰り広げます。長島は積極的に仕掛け、5ラップ目に自身のファステストラップを叩き出して2番手に浮上。ティーチャーの背後に迫ります。レース中盤、勢いを増したスティーブン・オデンダル(AGR TEAM)がトップに立ち、ティーチャー、長島、アウグスト・フェルナンデス・グエッラ(TARGOBANK CNS MOTORSPORT)が追います。長島はティーチャーとのバトルを展開しながらトップを追いますが、オデンダルは逃げ、15ラップを走りきって優勝。長島が2番手争いを制してチェッカー、3位にティーチャーとなりました。山田は数珠つなぎの5番手争いに加わりますが、接触でポジションダウンの末、11位となりました。

長島哲太(左から2人目)長島哲太(左から2人目)

長島哲太長島哲太

レース2はオデンダルがホールショットを奪ってレースをリード。長島はトップ争いに食い込みます。そんな中、2ラップ目に転倒車のタンクから漏れたガソリンに引火して火災が発生。多重クラッシュが起きて赤旗中断に。15ラップのレースが10ラップに短縮されて再スタートとなりました。

レースは、再スタートで飛び出したオデンダルと、それを追う4台によってトップ集団が形成されました。長島は4番手につけ、激しいバトルを繰り広げます。一方の山田は8番手につけ、トップ集団を追いました。レース中盤になると、トップ集団はオデンダル、元ロードレース世界選手権のチャンピオンである、ワイン・ガードナーの息子であるレミー・ガードナー(RACE EXPERIENCE)、ティーチャー、長島、グエッラ、エリック・グラナド(PROMORACING)の6台に増えます。長島はファステストラップを記録しながら2番手に浮上しますが、ラインを外して4番手にポジションダウン。そこから追い上げを図りますが、オデンダルが逃げきりダブルウインを達成。2位にティーチャーが、3位には長島が入りました。ディマス・プラタマ(ASTRA Honda Racing Team)と8番手争いを繰り広げていた山田が8位、プラタマは9位となりました。

山田誓己山田誓己

山田誓己山田誓己

Moto3 レポート

Moto3クラスでは、Asia Talent T.から参戦している鳥羽海渡が5番手、真崎一輝が7番手、佐々木歩夢が12番手からのスタートとなりました。

鳥羽海渡鳥羽海渡

佐々木歩夢佐々木歩夢

決勝で飛び出したのはマルコス・ラミレス(KTM)。鳥羽は4番手、真崎は8番手、佐々木は11番手でオープニングラップをクリアしました。ラミレスが逃げ、それを5台が追う、6台によるトップ争いが展開します。その後方では、6台のセカンド集団がバトルを繰り広げながらトップグループを追いかけました。

鳥羽はトップ集団で果敢に前へ出て、首位に立ったアロンソ・ロペス(JUNIOR TEAM ESTRELLA GALICIA 0,0)の背後に迫ります。7ラップ目には、鳥羽がロペスを捕らえてトップに立ちます。ですが、集団から抜け出すことはできず、激しいトップ争いを続けることに。

鳥羽海渡(#32)鳥羽海渡(#32)

佐々木歩夢佐々木歩夢

終盤に主導権を握ったのはラミレスで、そのまま優勝。2位にロペス、3位にロレンソ・デッラ・ポルタ(ハスクバーナ)、鳥羽は4位となりました。最終ラップまで続いたバトルの末、佐々木が9位、真崎が10位でチェッカーを受けました。

佐々木歩夢(#33)、真崎一輝(#31)佐々木歩夢(#33)、真崎一輝(#31)

真崎一輝(#31)真崎一輝(#31)

Moto2 コメント

長島哲太(Moto2 2位/3位)
「アラゴンの印象はよく、自分にとって好きなサーキットの一つです。開幕戦では1周目に転倒してしまったので、とにかく落ち着いてレースをするように心がけました。風がとても強かったので、序盤は後ろについて、最後に勝負しようとしていたのですが、ライバルを抜くのが難しく、勝負どころが少ないのに気づきました。1レース目は、無理を少しするとフロントが切れ込んでしまっていたので、無理せず確実に走りきりました。2レース目では少しよくなったのですが、トップとの差が開いてしまいました。マシンのフィーリングはとてもよく追い上げたのですが、あと一歩届かず悔しかったです。開幕戦で転倒してしまったこともあり、今回のレースは転倒のリスクを意識しすぎてしまい、攻めきれない部分がありました。慎重になりすぎました。それでも、とにかく完走し、表彰台に上がってチームやスポンサー、応援してくれたファンの方々に元気な姿を見せられたことが一番うれしかったです。次のレースでは、今回得られたものをしっかりフィードバックして、確実に優勝できるようにウイークで詰めていきます」

山田誓己(Moto2 11位/8位)
「レース1では、途中で接触があり、大きくポジションを落としてしまいましたが、レース2では開幕戦と違い、しっかりレースができたと感じました。ウイークを通して大きなトラブルがなく、走り込むことができ、今回のレースで大きく前進できたと思います。ただ、まだまだトップグループとの差は大きいので、次のカタルニアまでに自分のレベルを上げてレースに臨みます」

Moto3 コメント

鳥羽海渡(Moto3 4位)
「スタートがうまくいきました。ただ、トップに立ったあとにペースをなかなか上げられず、後続を引き離せませんでした。最終ラップに向けて、ほかのライダーの後ろにつき、バックストレートで何番手にいるのがいいのかなど、作戦を立てました。1コーナーは、2番手で入ろうと決めました。しかし、ラスト2周で2番手を走行していたライダーが、最終コーナで大きく体勢を崩したことが影響して作戦が失敗。トップとの差が開いてしまいました。バックストレートエンドの最終コーナーで抜こうと決めましたが、それはかなわず、4位となりました。今回は、レースをリードすることができ、落ち着いてレースに挑めていてよかったです。ですがトップに立ち、単独でコンスタントに速さを発揮できなかったのが反省としてあります。次戦からはもっと速く、コンスタントに走れるようにがんばります。次戦カタルニアは、好きなサーキットですので、この悔しさをぶつけていきたいです」

佐々木歩夢(Moto3 9位)
「第3戦はとても難しいレースになりました。練習走行は調子がよく、集中して走れましたが、予選1回目の3周目に転倒してしまい、マシンの修復などがあったため、走行は4周だけで終わってしまいました。予選2回目は焦りや不安もあって予選12番手。決勝に向けて気持ちを切り替え、いつもの自分に戻り、日曜日の朝を迎えました。朝のフリーで調子を取り戻すことができ、レースではスタートから追い上げたかったので全力を尽くしました。3周目に7番手まで追い上げましたが、トップグループには引き離されていました。少しでも上の順位でフィニッシュしようとしましたが、9位という結果でした。望んでいた順位ではありませんが、開幕からの3戦は、すごくいい勉強になっています。今の自分になにが足りないのかをしっかり考え、次のレースでは、過去の自分よりも強くなっていたいです」

真崎一輝(Moto3 10位)
「コースの印象は難しく、ブレーキングポイントなどに苦労しました。予選の結果がよかったので、レースではトップグループについていくのを目標に挑みました。しかし、実際はそう簡単にはついていけず、第2グループでのバトルが長引いたため、トップグループと差がついてしまいました。次回はもっと早い段階で速いライダーについていき、タイムを出し、オープニングラップでトップ争いに加われるようがんばります」

Moto2 リザルト
Moto2(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
144スティーブン・オデンダルKalex1529'08.156
245長島哲太Kalex15+2.374
389アラン・ティーチャーNTS Tpro15+2.427
437 アウグスト・フェルナンデス・グエッラ Tech315+4.324
576サムエーレ・カバリエリKalex15+17.952
620ディマス・プラタマKalex15+22.138
 
77 イケル・レクオーナ Kalex15+22.478
88ベルタン・ティボーSuter15+24.305
936ジェイソン・ウリベKalex15 +24.340
1018シャビ・カルダルスKalex15 +24.450
1117山田誓己Kalex-Honda15+28.503
1256トーマス・グラディンガーFTR15+32.676
1393マダン・ロスリKalex15+35.401
1546マルセル・ブレナーH43-Honda15+45.671
1771ポントゥス・デューランドKalex15 +58.180
1896ダビド・サンチスMir Racing15+1'04.821
193ルーカス・ツロヴィッチFTR15+1'05.687
202アナ・カラスコ MVR15+1'05.825
214 ギヨーム・レイモンドFTR15+1'21.180
2332マックス・エンダーラインKalex15+1'25.330
RT15トーマス・シグヴァートセン Kalex13
RT16ガブリエーレ・ルジュTech39
RT87レミー・ガードナーKalex-Honda8
RT51エリック・グラナドKalex4
RT6マイケル・アキノAriane2
RT34ハビエル・ピンサックTech3
RT81アレックス・ベルナルディSUTER
Moto2(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
144スティーブン・オデンダルKalex 1019'18.683
289アラン・ティーチャーNTS Tpro 10 +0.156
345長島哲太Kalex 10 +0.484
437アウグスト・フェルナンデス・グエッラ Tech3 10+4.249
587レミー・ガードナーKalex-Honda 10+4.464
651エリック・グラナドKalex 10+4.925
 
77イケル・レクオーナ Kalex 10+11.791
817山田誓己Kalex-Honda 10+12.648
920ディマス・プラタマKalex 10+12.746
108ベルタン・ティボーSuter 10+22.476
1136ジェイソン・ウリベKalex 10+22.516
1276サムエーレ・カバリエリKalex 10+22.646
1316ガブリエーレ・ルジュTech3 10+23.327
1456トーマス・グラディンガーFTR 10+23.471
1515トーマス・シグヴァートセンKalex 10+33.506
1632マックス・エンダーラインKalex 10 +33.780
1793マダン・ロスリKalex 10+33.974
1846マルセル・ブレナーH43-Honda 10+36.223
202アナ・カラスコ MVR 10+51.895
213ルーカス・ツロヴィッチFTR 10+52.115
224 ギヨーム・レイモンドFTR 10+52.911
2381アレックス・ベルナルディSUTER 10+1'27.143
RT96ダビド・サンチスMir Racing5
RT71ポントゥス・デューランドKalex
Moto3 リザルト
Moto3
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
142M.ラミレスKTM1530'23.306
221アロンソ・ロペスHonda15+1.151
348L.デッラ・ポルタハスクバーナ15+1.195
432鳥羽海渡Honda15+1.26
523R.フェルナンデスハスクバーナ15+1.358
644 トニ・アルボリーノHonda15+1.576
933佐々木歩夢Honda15+6.885
1031真崎一輝Honda15+7.927
1252ジェレミー・アルコバHonda15+8.258
135ジャウメ・マシアHonda15+8.313
1735ナカリン・アティラットプワパットHonda15+18.249
1855ヤリ・モンテッラHonda15+18.271
1934アンディ・イズディハールHonda15+27.967
2213ワリド・ソッペHonda15+29.545
2496マニュエル・パリアーニGEO15+30.132
2543ビセンテ・ペレスBeon-Honda15+30.179
3014マッテオ・ギディーニCR016H15+51.206
3198ウォルター・スリスHonda15+1'14.790
3218アレイクス・ヴィウHonda15+1'14.896
3366エクトル・ガルソHonda15+1'15.020
354シモン・ジェスパーソンHonda15+2'03.399
3629リヴァン・ルーチェルTSR Honda14+1Lap
3770ルーカス・ウェンデボーンRobnor-Honda14+1Lap
Moto2 ポイントランキング
順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
-144スティーブン・オデンダルKalex95
-289アラン・ティーチャーNTS Tpro72
345長島哲太Kalex36
-451エリック・グラナドKalex35
58ベルタン・ティボーSuter33
622フェデリコ・フリーニKalex29
776サムエーレ・カバリエリKalex28
- 8 37 アウグスト・フェルナンデス・グエッラ Tech3 26
918シャビ・カルダルスKalex26
-1036ジェイソン・ウリベKalex23
1115トーマス・シグヴァートセン Kalex20
1220ディマス・プラタマKalex18
-137 イケル・レクオーナKalex-Honda18
1487レミー・ガードナーKalex-Honda14
1517山田誓己Kalex-Honda14
1632マックス・エンダーラインKalex12
1796ダビド・サンチスMir Racing11
1816ガブリエーレ・ルジュTech311
1969ルイス・ロッシTransfiormers10
2093 ラマダン・ロスリKalex8
-2156トーマス・グラディンガーFTR6
2271ポントゥス・デューランドKalex5
2416ガブリエーレ・ルジュTech33
-2646マルセル・ブレナーH43-Honda1
Moto3 ポイントランキング
順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
-142M.ラミレスKTM83
-248L.デッラ・ポルタハスクバーナ68
-332鳥羽海渡Honda64
-452ジェレミー・アルコバHonda41
-571D.フォッジャKTM40
621アロンソ・ロペスHonda36
-831真崎一輝Honda27
-1033佐々木歩夢Honda26
1344 トニ・アルボリーノHonda13
1635ナカリン・アティラットプワパットHonda9
1719ルフィノ・フロリドHonda9
-205ジャウメ・マシアHonda3
Moto2

長島哲太

長島哲太(#45)

長島哲太(左から2人目)

長島哲太

山田誓己

山田誓己

Moto3

鳥羽海渡

鳥羽海渡

佐々木歩夢

鳥羽海渡(#32)

佐々木歩夢

佐々木歩夢

佐々木歩夢(#33)、真崎一輝(#31)

真崎一輝(#31)