2021年10月発表 2022年10月生産終了モデル
この情報は2021年10月現在のものです

最後の空冷CB

「なぜ今さら性能の劣る空冷エンジンを新たにつくる必要があるのか」。開発を始めた頃は、そんな声もあった。確かに鋭い加速や、モダンでスピード感あるスタイリングは魅力的である。しかし、バイクの進化の道筋は、それだけではないはずだという想いが拭えなかった。タイヤ・エンジン・フレーム・タンク・シートといった、バイクを構成するために必要な要素をどれだけ美しく形づくることができるか。導き出されたコンセプトは「美」「匠」「楽」。美しく、手づくりによるこだわりが感じられ、構えず気楽に乗れるバイクを開発するべきだと考えた。「エンジンが冷えていくときの『キン、キン、キン』という音が好きだ」、「エンジンの中に必要なのは水じゃなくて油でしょ」、「シリンダーフィンを眺めているだけで、なんか良い」。明確な理由などないが、バイクと時間を共にするときに感じる何気ない感覚。そんなハイパフォーマンスバイクでは満たされない感覚を世の中のライダーに届けることを夢みて1台のバイクが完成した。1999年の東京モーターショーに出展されたコンセプトモデル「CB Four」である。結果、世の中の多くのライダーからの共感を得ることができた。そのコンセプトをより鮮明にした「CB1100F」を経て、2010年ついに市販モデルである「CB1100」が陽の目を見ることとなる。「CB Four」から約10年の歳月を要することとなった。しかしその間、一人のバイク乗りとしてHondaの開発者が描いた「空冷CB」の夢は、世の中の多くのバイク乗りの夢ともなっていたのだ。

2010

試行錯誤の末に辿り着いた、
空冷直4CBの初代モデル

「大人の所有感を満たすエモーショナル空冷直4ネイキッド」として開発されたCB1100。
スペックではなく、エンジンの美しさと走りの味わいを追求するため空冷直列4気筒エンジンを採用。またエンジンだけでなく、佇まいにもこだわり、フューエルタンクをはじめとする各部のパーツを丁寧に作り込んだ。ラインアップでは、アップライトでゆったりとした走りを愉しめる「CB1100 TypeⅠ」と、前傾姿勢でスポーティーな走りを愉しめる「CB1100 TypeⅡ」の2タイプを設定した。

2012

光と影を纏う「CB1100
BLACK STYLE」

ブラックを基調としたカラーリングにより、金属の素材感とのコントラストでより印象的なスタイルへと進化した「CB1100 BLACK STYLE」。エンジンをはじめ、フューエルタンク、アルミサイドカバーに至る細部まで黒の塗装を施すことで、光と影が織りなす存在感を演出。マシンの乗り味だけでなく、その佇まいにもこだわった挑戦的なモデルとなった。

2014

トラディショナルな印象を
深めた「CB1100 EX」が
登場

空冷直4を継承しつつ、マイナーチェンジを経た3代目CB1100。シートとシートレールを見直し、足着き性をアップし、より安心感のあるライディングを愉しめるように。またトランスミッションを5段変速から6段変速に変更したほか、燃料表示機能やギアポジションなどメーター類も追加した。さらに左右2本出しマフラーやワイヤースポークホイールなどトラディショナルなイメージを深めた「CB1100 EX」が登場した。

2017

官能性能と走りの愉しさを
融合した「CB1100 RS」が
登場

4代目モデルは美しい佇まいを追求しフランジレスフューエルタンクの新採用や金属感を高めたアルミ製のアルミサイドカバーなど、パーツ1つ1つの造形にこだわり高い質感を追求。また、官能性能と走りの愉しさを融合した「CB1100 RS」をラインアップ。スポーティーな走りが愉しめるローハンドルや17インチホイール、ワイドタイヤなど専用の足まわりを装備した。

2019

上質な大人のスタイルへと
進化した「CB1100 RS」

「CB1100 RS」の持つ走りの愉しさはそのままに、ボディーカラーを艶消しのブラックで統一した「CB1100 RS」の特別仕様モデル。全身に黒を施し大人の落ち着いた雰囲気を演出するほか、大型ネイキッドモデルの持つ重厚感をよりいっそう強調したモデルに。またフューエルタンクにローコントラストのセンターストライプを仕立てるなど、上質な佇まいを追求した。

2021