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2013年10月19日(土)、20日(日)・決勝 会場:ブランズハッチGP・サーキット 天候:雨 気温:13℃
コースコンディション:ウエット
英国スーパーバイク選手権(BSB)第12戦が、10月18日(金)から20日(日)までの3日間、ブランズハッチGP・サーキットで行われました。BSBはシーズン終盤戦の3戦でチャンピオンを決める「ザ・ショーダウン」を採用してから、最終戦での決着が続き、今年もタイトル決定は最終戦までもつれこみました。
11戦を終えた時点で、総合首位はシェーン・バーン(カワサキ)。そして、この数戦、厳しい総合首位争いを繰り広げてきたアレックス・ロウズ(Samsung Honda)が、わずか1点差の2位で続いています。最終戦は3レースが行われるため、総合3位のジェームズ・エリスン(ヤマハ)、4位のジョシュ・ブルックス(スズキ)、5位のジェームス・ウエストモーランド(BMW)までが、タイトル獲得の可能性を残していましたが、事実上、バーンとロウズの一騎打ちの様相。さらに、最終戦は3日間を通して不安定な天候となり、緊張する戦いに拍車をかけました。
3日間のうち、ドライコンディションで走れたのは初日のフリー走行のみ。土曜日の予選と第1レース、日曜日の第2レースと第3レースはすべてウエットコンディションとなりました。水しぶきの舞い上がる、視界の悪い中での戦いとなり、タイトルの行方も予想がつかない接戦になりました。
予選でポールポジションを獲得したのは総合4位のブルックス。バーンが2番手、ロウズが3番手で続き、チャンピオン争いをする3人がフロントローを獲得しました。そのあとに行われた決勝第1レースは、雨は上がったものの、フルウエットでの戦い。逆転チャンピオンに闘志を燃やすブルックスが積極的に逃げ、それをロウズが追うという展開になりました。そして、バーンはわずかに後れて3番手。このレースではブルックスが優勝しました。ロウズは0.968秒差の2位でフィニッシュしたことで、3位のバーンを逆転。3点差をつけて総合首位に浮上し、日曜日の決戦を迎えることになりました。
そして、ウエットコンディションとなった日曜日の最初のレース。ロウズは、オープニングラップの混戦の中でブルックスと接触し、転倒するというピンチを迎えました。タイトル獲得に向けて厳しい状況となったロウズですが、そのレースでバーンも転倒リタイアという大荒れの展開となり、戦いは振り出しに戻りました。
このレースで優勝したのはブルックス。最終戦を残し、チャンピオン争いは、ロウズ、バーン、ブルックスの3人に絞られました。しかし、3位のブルックスとはポイント差が開いているため、第3レースもロウズとバーンの一騎打ち。先着した方がチャンピオンという戦いになりました。
まさに、手に汗を握る戦い。第3レースもブルックスが逃げ、それをロウズとバーンが追うという展開で、ブルックスが3レース完全Vを達成。その後ろで、ロウズがバーンを抑えてフィニッシュし、念願のタイトル獲得を果たしました。このレースでバーンが2位でフィニッシュすれば、再び1点差で逆転されるという緊張感あふれる戦いで、チェッカーフラッグを受けたときには、Samsung Hondaのピットは大歓声に包まれました。
前戦シルバーストーンをケガのために欠場した清成龍一(Samsung Honda)は、今大会もケガの影響で欠場しましたが、総合6位でシーズンを終えました。代役出場のフレディ・フォレイは3レースともポイントを獲得。代役で出場した2戦5レースすべてでポイントを獲得しました。
チャンピオンを獲得したロウズは、今季12戦26レースを戦い、8勝を含む21度の表彰台。バーンは10勝を含む21度の表彰台と、シーズンを通じて厳しい戦いを繰り広げてきました。シーズンの前半戦はバーンがリード。後半戦はロウズが追い上げて逆転するという展開となり、Hondaは、2010年に清成が獲得して以来、3年ぶりのタイトル獲得を果たしました。
アレックス・ロウズ(2位/リタイア/2位)「とてもうれしいです。本当に信じられないような最終レースでした。どれくらいプッシュすればいいのか、全く分かりませんでした。ピットのサインでシェーン(バーン)が近づいてきているのが分かりました。一番見たくないサインでしたが、そこで集中力をキープしました。シェーンがパスしてきたときには、タイトルを獲得したければ、彼をパスしなければならないと思いました。本当に一生懸命プッシュしました。何度か転倒しそうになりましたが、幸いすべてをうまくまとめ、彼を打ち破ってタイトルを獲得することができました。本当に信じられませんが、最高の一日になりました。天候が大きく関係する3レースでしたし、本当に難しかったです。土曜日のレースも大変でした。グリップがどこにあるのかを判断するのが難しく、『とにかく落ち着いていけ』と自分に言い聞かせながら、全力でプッシュしました。日曜日の最初のレースでは、ブルックスが僕のハンドルバーに当たってきて、僕は転倒してしまいました。僕のせいではありませんでした。自分ではどうしようもなかったですし、そのことに怒っても仕方ないと思いました」
フレディ・フォレイ(13位/10位/14位)「シーズン終盤戦の2ラウンドに代役出場するのは簡単ではありませんでした。しかし、僕にとってはチャンスだと思いました。コンディションは難しかったですが、シルバーストーンでのレースより自信はありました。ミスはしたくありませんでしたし、ポイントを獲得したいと思いました。とても親切なチームと一緒に仕事ができて、うれしかったです。僕にとってとてもいい経験になりました」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | J.ブルックス | スズキ | 18 | 29:29.316 |
2 | 22 | アレックス・ロウズ | Honda | 18 | +0.968 |
3 | 67 | S.バーン | カワサキ | 18 | +5.709 |
4 | 21 | J.ウォータース | カワサキ | 18 | +16.821 |
5 | 99 | P.J.ヤコブセン | スズキ | 18 | +22.890 |
6 | 46 | T.ブライドウェル | ヤマハ | 18 | +24.345 |
10 | 11 | マイケル・ルター | Honda | 18 | +30.394 |
12 | 4 | ダン・リンフット | Honda | 18 | +34.294 |
13 | 78 | フレディ・フォレイ | Honda | 18 | +43.430 |
15 | 60 | ピーター・ヒックマン | Honda | 18 | +45.004 |
16 | 96 | ヤコブ・シュムルツ | Honda | 18 | +45.159 |
18 | 44 | ダニー・デ・ブール | Honda | 18 | +57.243 |
DNF | 20 | ジェニー・ティンマウス | Honda | 0 | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | J.ブルックス | スズキ | 20 | 32:29.715 |
2 | 39 | L.コステロ | カワサキ | 20 | +0.196 |
3 | 77 | J.エリスン | ヤマハ | 20 | +0.728 |
4 | 27 | J.ウェストモーランド | BMW | 20 | +9.127 |
5 | 9 | C.ウォーカー | カワサキ | 20 | +16.826 |
6 | 99 | P.J.ヤコブセン | スズキ | 20 | +17.198 |
7 | 4 | ダン・リンフット | Honda | 20 | +30.805 |
9 | 96 | ヤコブ・シュムルツ | Honda | 20 | +48.080 |
10 | 78 | フレディ・フォレイ | Honda | 20 | +51.836 |
14 | 44 | ダニー・デ・ブール | Honda | 19 | +1Lap |
DNF | 11 | マイケル・ルター | Honda | 18 | +2Laps |
DNF | 60 | ピーター・ヒックマン | Honda | 17 | +3Laps |
DNF | 20 | ジェニー・ティンマウス | Honda | 5 | +15Laps |
DNF | 22 | アレックス・ロウズ | Honda | 0 | - |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | J.ブルックス | スズキ | 20 | 32:50.906 |
2 | 22 | アレックス・ロウズ | Honda | 20 | +1.185 |
3 | 67 | S.バーン | カワサキ | 20 | +2.587 |
4 | 46 | T.ブライドウェル | ヤマハ | 20 | +4.869 |
5 | 77 | J.エリスン | ヤマハ | 20 | +13.521 |
6 | 10 | J.カーカム | BMW | 20 | +16.282 |
10 | 4 | ダン・リンフット | Honda | 20 | +20.027 |
11 | 96 | ヤコブ・シュムルツ | Honda | 20 | +34.292 |
12 | 60 | ピーター・ヒックマン | Honda | 20 | +39.653 |
14 | 78 | フレディ・フォレイ | Honda | 20 | +56.442 |
17 | 44 | ダニー・デ・ブール | Honda | 19 | +1Lap |
19 | 20 | ジェニー・ティンマウス | Honda | 19 | +1Lap |
DNF | 11 | マイケル・ルター | Honda | 2 | +18Laps |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | アレックス・ロウズ | Honda | 643 |
2 | S.バーン | カワサキ | 636 |
3 | J.ブルックス | スズキ | 621 |
4 | J.エリスン | ヤマハ | 589 |
5 | J.ウェストモーランド | BMW | 564 |
6 | 清成龍一 | Honda | 522 |
11 | ピーター・ヒックマン | Honda | 113 |
12 | ダン・リンフット | Honda | 102 |
15 | ヤコブ・シュムルツ | Honda | 82 |
18 | マイケル・ルター | Honda | 49 |
22 | ロビン・ハームス | Honda | 22 |
24 | フレディ・フォレイ | Honda | 17 |
25 | ダニー・デ・ブール | Honda | 15 |
26 | トリスタン・パーマー | Honda | 13 |
30 | ジェニー・ティンマウス | Honda | 1 |
※上位6名(ザ・ショーダウン進出)のポイントは第9戦までの表彰台獲得回数に応じて算出されています
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | カワサキ | 519 |
2 | Honda | 513 |
3 | スズキ | 440 |
4 | ヤマハ | 337 |
5 | BMW | 271 |
6 | ドゥカティ | 52 |