round 11

October 10 2010
British Superbike Championship Oulton Park 2
第12戦 オールトンパーク

清成が3連勝を飾り、年間チャンピオンを獲得。総合2位にブルックス
3年ぶりに個人、コンストラクターともにHondaが獲得する

英国スーパーバイク選手権シリーズの最終戦がオールトンパークで行われ、ランキングトップのトミー・ヒル(スズキ)を15点差で追う総合3位の清成龍一(HM Plant Honda)が、見事3連勝を飾り、逆転でチャンピオンに輝いた。清成は、土曜日に行われた第1レースで今季5勝目を達成。このレースで2位になったヒルとの差を10点と縮め、総合2位に浮上した。さらに、日曜日に行われた第2レースで2連勝を飾ると、一方のヒルがリタイアに終わったことで、逆転で総合首位に浮上。勢いに乗る清成は、第3レースでも優勝。最終戦決着となったオールトンパークの戦いを完ぺきな形で制し、3年ぶり3度目のチャンピオンに輝いた。

総合2位には、チームメートのジョシュ・ブルックスが続いた。ブルックスは、第1レース5位で総合3位にポジションダウンしたが、第2レースで3位、第3レースで2位に入り総合2位を獲得。HM Plant Hondaの両選手が、総合1-2位を独占した。

  • 清成龍一清成龍一
  • 清成龍一清成龍一
  • 清成龍一清成龍一
  • ジョシュ・ブルックスジョシュ・ブルックス
  • ジョシュ・ブルックスジョシュ・ブルックス
  • スチュアート・イーストンスチュアート・イーストン
  • ジェームス・エリスン(#2)、清成龍一(#8)ジェームス・エリスン(#2)、清成龍一(#8)

最終戦決着となったタイトル争い。第1レースは、清成が優勝、ジェームス・エリスン(Swan Honda)3位。第2レースは、清成、スチュアート・イーストン(Swan Honda)、ブルックスとCBR1000RR勢が表彰台を独占した。第3レースも清成、ブルックス、エリスンとCBR1000RR勢が連続で表彰台を独占。タイトル獲得はもちろん、2日間にわたりCBR1000RRの速さが際立つ大会となった。

2年連続でBSBチャンピオンを獲得し、2008年、2009年にはスーパーバイク世界選手権に挑戦。今季、3年ぶりにBSBに復帰した清成は、元王者の貫禄と強さを見せつけた。シーズン前半は、マシンのセットアップに苦労して思うような成績を残せなかったが、第4戦キャドウェルパークで今季初優勝を達成。第5戦マロリーパークで今季初のダブルウイン、第7戦スネタートンで4勝目を挙げるなど、以後も安定した戦いで表彰台に立ち続けた。

今年は、第9戦終了時点のランキング上位6選手が、残り3戦でタイトルを決めるという新ルール「ザ・ショーダウン」が採用された。3戦7レースで競われるチャンピオン決定戦で、清成は第10戦クロフトと第11戦シルバーストーンとやや苦戦したものの、タイトル決定戦の最大の山場となった最終戦で最高の走りを見せた。第1レースと第3レースはライバルを圧倒。第2レースは、タイトル争いをするヒルやマイケル・ルター(ドゥカティ)らが転倒する多重クラッシュが発生し赤旗中断。その後レースは周回数を短縮して行われるという波乱の展開となったが、そのレースでも優勝と、速さと精神力の強さを見せつけた。今季、7勝を含む16回の表彰台を獲得し、CBR1000RRが3年ぶりにタイトルを奪還した。

総合2位のブルックスは、シーズン前半から安定した速さを見せて総合首位の座をヒルと争った。中盤戦からは、調子を上げてきた清成とともに最終戦までチャンピオン争いに加わった。最終戦オールトンパークの第2レースでは、清成とタイトルを争った。今季は5勝を含む14回の表彰台を獲得。チャンピオンを獲得した清成に24点差、ヒルに5点差というきわどい戦いで総合2位を獲得した。

天候に恵まれた最終戦。第2レースと第3レースでは、CBR1000RR勢が表彰台を独占するすばらしい走りを見せた。清成が3連勝を達成。ブルックスは第2レース3位、第3レース2位と2度の表彰台を獲得した。エリスンはシーズン序盤のケガで今季はチャンピオン争いに加われなかったが、シーズン終盤戦に大活躍。今大会も第1レースと第3レースで3位表彰台を獲得した。シーズン中盤戦、低迷が続いていたイーストンも、第2レースで2位に入るなど、個人、コンストラクタータイトルを獲得したCBR1000RRの強さを印象づける大会となった。

コメント

清成龍一(優勝/優勝/優勝、ランキング1位) 「第2レースは、他のライダーも優勝を狙っていたし、自分も全力でプッシュした。今年最後のレースとなった第3レースでは、かなりナーバスになっていた。プレッシャーを感じ、それに負けそうだったが、いいレースができた。なんとしても優勝したかった。この優勝でチャンピオンになることができて、今は解放された気分だ。今年はずっと熱い戦いが続いていたし、1年間ずっと気を抜くことができなかった。とても大変だった。いい時期も悪い時期もあったけれど、今やっとリラックスできる。チャンピオンを取れたことで、本当に大きな事を成し遂げたという達成感がある。サポートしてくれたすべての人々とがんばってくれたチームにお礼を言いたい。とにかく、今回は土曜日の第1レースで勝てたことがよかった。それでライバルたちにプレッシャーをかけられた。3レースともに厳しかったけれど、優勝するために一生懸命戦った」

ジョシュ・ブルックス(5位/3位/2位、ランキング2位) 「日曜日の最初のレースは、自分にとってあまりよくなかった。トミーが転倒して、マイケルも僕の前で転倒した。そのためコースアウトして芝生の上を走らなければならなかった。赤旗が振られてレースは中断。タイヤを替えたが、チャターが出てうまく走れなかった。一生懸命がんばったけれど、3位になるのがやっとだった。イーストンに抜かれたときはがっかりした。ポイントでもキヨ(清成)に離されてしまった。第3レースはいいスタートができなくて、第1コーナーで縁石に乗り上げてしまい、その影響で順位を落とした。前のレースから少しセッティングを変えて、かなりプッシュできるようになった。キヨを捕えようとしたが、ちょっとだけ足りなかった。それでも最後のレースを表彰台で終えることができてよかった。本当はチャンピオンシップを獲得したかったが、来シーズンだね」

ジェームス・エリスン(3位/7位/3位、ランキング7位) 「最終戦ということで、今大会はどうしても優勝したかった。今年はケガをしたこともあって、なかなかいい状態にならなかったが、今日は、今年になって一番いいコンディションだった。第2レースは勝てると思ったが、ブレーキングに失敗してコースアウトしてしまった。しかし、シーズン最後のレースで全力を尽くせた。チームに感謝したい」

スチュワート・イーストン(7位/2位/リタイア、ランキング9位) 「いつも厳しいレースになるが、最終戦は今年一番の厳しさだった。そのレースで表彰台に立てて、そしてシーズンを締めくくれてよかった。今年はマシンのセットアップで苦戦したレースも多かった。しかし、チームの強力なサポートで後半巻き返すことができた。チームに感謝したい」

ハビエル・ベルトラン|HM Plant Honda監督 「最終戦を迎え、両選手ともにポイントが足りなかったが、タイトル獲得はまだ可能だと分かっていた。でも、そのためにはヒルを負かさなければいけないことも分かっていた。そして、土曜日の決勝レースから、いろんなことが我々に有利に働いた。キヨは驚くほど速くて、勝てる自信に満ち溢れていた。これほどのアドバンテージを持って、今シーズンのファイナルレースに挑めるなんて、チームの誰も考えていなかった。チャンピオンシップを獲得することができて言葉にできないぐらい本当にうれしい。スポンサーのサポートのおかげだ。タイトルを取るために、今シーズンずっとチーム全体が一生懸命がんばってきた。総合1位と2位で終えることができたのは、ただただすばらしい。キヨとジョシュにこれ以上望むことはない。ありがとう」

決勝

レース1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
18清成龍一Honda1625:43.282
233T.ヒルスズキ16+0.821
32ジェームス・エリスンHonda16+5.707
47M.ラバティスズキ16+8.459
5 4ジョシュ・ブルックスHonda16+14.627
646トミー・ブライドウェルHonda16+15.001
 
73スチュアート・イーストンHonda16+16.839
169クリス・ウォーカーHonda16+37.219
1721トム・タンストールHonda16+42.381

レース2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 8 清成龍一 Honda 7 11:16.253
2 3 スチュアート・イーストン Honda 7 +2.993
3 4 ジョシュ・ブルックス Honda 7 +3.231
4 6 M.ルター ドゥカティ 7 +4.048
5 34 A.シーリー スズキ 7 +7.437
6 10 J.ラバティ カワサキ 7 +11.451
 
7 2 ジェームス・エリスン Honda 7 +11.474
12 21 トム・タンストール Honda 7 +21.067
DNF 9 クリス・ウォーカー Honda 3 +4Laps

レース3

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
18清成龍一Honda1626:07.496
24ジョシュ・ブルックスHonda16+0.639
32ジェームス・エリスンHonda16+4.531
47M.ラバティスズキ16+7.794
533T.ヒルスズキ16+9.355
665L.バズヤマハ16+10.721
 
99クリス・ウォーカーHonda16+17.331
1321トム・タンストールHonda16+31.616
DNF3スチュアート・イーストンHonda8+8Laps
ポイントスタンディング

ライダー

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1清成龍一Honda649
2ジョシュ・ブルックスHonda625
3T.ヒルスズキ620
4M.ラバティスズキ604
5M.ルタードゥカティ559
6A.シーリースズキ550
 
7ジェームス・エリスンHonda210
9スチュアート・イーストンHonda189
10クリス・ウォーカーHonda130
11トミー・ブライドウェルHonda105
26トム・タンストールHonda16
28クリスチャン・イドンHonda5
36クレイグ・フィツパトリックHonda1
39スティーブ・ヘネガンHonda0
46ガイ・マーティンHonda0

※上位6名(ザ・ショーダウン進出)のポイントは第9戦までの表彰台獲得回数に応じて算出されています

マニュファクチャラー

順位 マニュファクチャラー ポイント
1Honda576
2スズキ495
3ドゥカティ295
4カワサキ265
5ヤマハ153
6BMW33
7アプリリア11
8KTM1