シルバーストーンで行われた第11戦は、2レースともにウエットレースとなり、第1レースは、チャンピオン争いをする「ザ・ショーダウン」組で総合5位のマイケル・ルター(ドゥカティ)が優勝、2位には総合4位のジョシュ・ブルックス(HM Plant Honda)、総合2位のマイケル・ラバティ(スズキ)が3位で表彰台に立ち、以下、「ザ・ショーダウン」組は、総合3位の清成龍一(HM Plant Honda)が5位。総合6位のアラステア・シーリー(スズキ)が6位。総合首位のトミー・ヒル(スズキ)が8位でチェッカーを受けた。この結果、総合ではヒル、ラバティの順位は変わらないものの、総合3位にブルックス、総合4位に1つポジションを落とした清成、そして、ルター、シーリーという順になった。
第2レースでは、第1レースで4位のジェームス・エリスン(Swan Honda)が今季2勝目を達成。2位に清成、3位にブルックスとCBR1000RR勢が表彰台を独占。4位にシーリー、5位にヒルと続き、第1レースで3位のラバティは転倒リタイアに終わった。
この結果、ヒルが589点で総合首位。ブルックスが578点で2位に浮上、清成も574点で3位に復活。以下、ラバティ570点、ルター546点、シーリー529点となり、3レースで行われる最終戦オールトンパークでチャンピオンを決することになった。
今大会は、第1レースはドライでスタートしたが、雨が降り出したために赤旗中断となり、14周のレースが10周に短縮された。以後、雨が降り続いたことで全体的にタイムスケジュールが遅れ、第2レースも10周に短縮して行われた。
第1レースは、ルターとブルックスの一騎打ちとなり、終始、先行したルターが優勝。最終ラップまで激しくルターを追った予選トップのブルックスが2位。その2人からじりじりと遅れたラバティが3位。その後方では、予選10番手のエリスンと予選4番手の清成がし烈な4位争いを繰り広げ、エリスンが4位でフィニッシュ。清成は5位という結果だった。
第2レースは、第1レースで4位争いを繰り広げたエリスンと清成が、激しく優勝を争った。この戦いでもエリスンが終始リード。エリスンは、開幕戦ブランズハッチ以来、今季2勝目を飾った。エリスンは今季、第2戦スラックストンで大たい骨を骨折、シーズン中盤に復帰してから、徐々に調子を取り戻していた。
今年は第9戦終了時点で、上位6選手にチャンピオン争いの資格が与えられ、終盤の3戦7レースでチャンピオンを決める「ザ・ショーダウン」というルールが取り入れられた。3年ぶりにBSBに復帰、3回目のタイトルを狙う清成は、難しい雨のレースで慎重な走りを見せ、チャンピオン争いに関係ないエリスンに優勝を譲るも、しっかりと2位をキープ。第1レース8位、第2レース5位で総合首位をキープしたヒルとの差を、前戦の27点から15点へと縮めた。第1レース2位のブルックスも、序盤の遅れを取り戻し2レース連続表彰台となる3位になり、ヒルとの差を28点から11点とし、HM Plant Hondaの両選手が、最終戦オールトンパークで逆転チャンピオンに挑むことになった。
清成龍一(5位/2位) 「第1レースが5位に終わり、がっかりしていた分、第2レースで表彰台に立ててとてもうれしい。第1レースのあと少しセッティングを変えたので、第1レースよりプッシュすることができた。今日のコンディションはとても難しくて、ジェームスとの差を縮めようとがんばったけれど、彼のペースは速くて難しかった。転倒しないために集中力を切らすわけにはいかなかったし、後ろにいるジョシュとの差が開いていることがわかっていたので、最後の数周はジェームスを追いかけるのを止めて、2位をキープするための走りに集中した。今回はフリー、予選で順調にセットアップが進んだ。8月のWSBのときよりタイムも大幅に上げることができた。勝てなかったのは本当に残念だが、チャンピオンシップで3位。次のレースまで少し休憩して、最終戦オールトンパークではチャンピオンシップ争いをしたい」
ジョシュ・ブルックス(2位/3位) 「第1レースは2位になれてうれしかった。もちろん優勝したかったけれど、チャンピオンシップに向けて多くのポイントを取ることができた。ベストを尽くしたので後悔はないけれど、この走りが前回のクロフトでもできていればと思った。今日はドライでレースができることを願っていたけれど、状況はみんな一緒。表彰台に立った3人ともそれぞれ強さを見せる場所が違ったので、難しいレースだった。第2レースで厳しいレースだった。ラバティが僕の前で転倒してコースを外れた。そのためにたくさんのライダーに追い越されてしまい、その遅れを取り戻すのが大変だった。しかも、オイルがこぼれている場所があって、もう少しで転倒するところだった。最後の数周は調子が戻ったけれど、ジェームスとキヨ(清成)に追いつくのは無理だった。でも今日は運が味方してくれて、僕をチャンピオンシップに戻してくれた」
ジェームス・エリスン(4位/優勝) 「レースを終えて、今の気持ちをどう表現していいのか、本当に分からない。とにかく、今シーズンのこれまでのいろんなことが頭をよぎって、本当にこの優勝は格別な気持ちになった。落ち着かなければいけないと思ったけれど、ラストラップは興奮してしまった。今大会は、タイヤのグリップ不足にやや苦しんでいたが、雨が降り始めたときに、きっといいレースができると思った。第1レースは表彰台に立てなかったが、第2レースはスタートもよくて、リズムよく走ることができた。キヨとのギャップもキープできたし、これなら優勝できると確信した。とにかく、今日のレースは本当にうれしい。チームスタッフに心から感謝したい」
レース1
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | M.ルター | ドゥカティ | 10 | 24:05.289 |
2 | 4 | ジョシュ・ブルックス | Honda | 10 | +1.263 |
3 | 7 | M.ラバティ | スズキ | 10 | +5.254 |
4 | 2 | ジェームス・エリスン | Honda | 10 | +12.177 |
5 | 8 | 清成龍一 | Honda | 10 | +12.331 |
6 | 34 | A.シーリー | スズキ | 10 | +23.908 |
9 | 9 | クリス・ウォーカー | Honda | 10 | +32.611 |
15 | 21 | トム・タンストール | Honda | 10 | +47.030 |
17 | 3 | スチュアート・イーストン | Honda | 10 | +50.205 |
DNF | 75 | クレイグ・フィツパトリック | Honda | 7 | +3Laps |
DNF | 46 | トミー・ブライドウェル | Honda | 4 | +6Laps |
レース2
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | ジェームス・エリスン | Honda | 10 | 23:58.750 |
2 | 8 | 清成龍一 | Honda | 10 | +5.850 |
3 | 4 | ジョシュ・ブルックス | Honda | 10 | +12.865 |
4 | 34 | A.シーリー | スズキ | 10 | +15.293 |
5 | 33 | T.ヒル | スズキ | 10 | +20.264 |
6 | 99 | D.リンフット | ヤマハ | 10 | +22.767 |
8 | 9 | クリス・ウォーカー | Honda | 10 | +27.694 |
12 | 46 | トミー・ブライドウェル | Honda | 10 | +40.248 |
16 | 75 | クレイグ・フィツパトリック | Honda | 10 | +51.936 |
17 | 21 | トム・タンストール | Honda | 10 | +1:12.349 |
DNF | 3 | スチュアート・イーストン | Honda | 2 | +8Laps |
ライダー
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | T.ヒル | スズキ | 589 |
2 | ジョシュ・ブルックス | Honda | 578 |
3 | 清成龍一 | Honda | 574 |
4 | M.ラバティ | スズキ | 570 |
5 | M.ルター | ドゥカティ | 546 |
6 | A.シーリー | スズキ | 529 |
7 | ジェームス・エリスン | Honda | 169 |
9 | スチュアート・イーストン | Honda | 160 |
10 | クリス・ウォーカー | Honda | 123 |
12 | トミー・ブライドウェル | Honda | 95 |
26 | トム・タンストール | Honda | 9 |
28 | クリスチャン・イドン | Honda | 5 |
35 | クレイグ・フィツパトリック | Honda | 1 |
39 | スティーブ・ヘネガン | Honda | 0 |
46 | ガイ・マーティン | Honda | 0 |
※上位6名(ザ・ショーダウン進出)のポイントは第9戦までの表彰台獲得回数に応じて算出されています
マニュファクチャラー
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | Honda | 501 |
2 | スズキ | 451 |
3 | ドゥカティ | 282 |
4 | カワサキ | 239 |
5 | ヤマハ | 130 |
6 | BMW | 28 |
7 | アプリリア | 8 |
8 | KTM | 1 |