マロリーパークから2週連続開催となった第6戦ノックヒルは、激しい雨と強風に見舞われ、大荒れの決勝レースとなった。第1レースは、転倒車が続出して2度赤旗中断される厳しいレースとなり、マイケル・ルター(ドゥカティ)が優勝。2位に清成龍一、3位にブルックスと、HM Plant Hondaの2人が厳しいサバイバルレースで表彰台に立った。第2レースはスタート直後に転倒車が相次ぎ、再び赤旗中断。悪コンディションのため中止延期が決まり、今月開催される第7戦スネタートンに今回中止の第2レースを組み込み、3レースで行われることになった。
天候に恵まれたフリー、予選から一転して、決勝日は、激しい雨となり、雨が上がると今度は強風が吹き荒れるという厳しいコンディションとなった。そのため、ウオームアップが正午まで延期され、やっと開始された決勝レースも、転倒車が相次ぎ2度の赤旗中断。30ラップのレースを15ラップに短縮して、何とかレース成立となった。
優勝したのは、予選4番手から決勝に挑んだルター。そのルターを抜いて一度トップを走った清成は、再び、ルターに抜き返されて2番手へ。最終ラップまで激しい接戦を繰り広げたが、わずか、0.577秒届かなかった。
清成は予選2番手。マロリーパークから2週連続予選トップタイムをマークすることはできなかったが、決勝に向けて自信を見せていた。大荒れとなった決勝レースでも第1レースは確実にチェッカーを受けて2位。総合でも4位から3位に浮上。さらに第2レースで好リザルトを狙っていたが、中止延期が決まり、次戦に持ち越した。清成は、第1レースで8位でフィニッシュした総合首位のトミー・ヒル(スズキ)とのポイント差を26から14点差へ縮め、3位で総合首位に浮上したチームメートのブルックスとも18点差となった。
今季、清成と激しい戦いを続けるチームメートのブルックスは、予選では今季初のトップタイムをマーク。大荒れとなった決勝では、予選の好調を発揮することはできなかったが、清成とともに2戦連続でそろって表彰台に立った。今大会3位になったブルックスは、総合首位のヒルを抜いてチャンピオンシップで首位に立った。
今大会は28台が出場した。CBR1000RR勢は、第2戦のフリー走行で大たい骨を骨折して欠場、前戦マロリーパークから復帰しているエリスンは、予選で5番手と復調をアピールしたが、決勝はリアのグリップに苦しんで24位だった。チームメートで予選7番手のスチュアート・イーストンも、リアのグリップに苦しんで19位。総合でも7位から8位へとポジションを1つ落とした。
清成龍一(2位)「雨と風で大変な一日だった。ウオームアップが開始されたのがお昼。タイムスケジュールもどんどん変更された。第1レースは転倒車が多くて2度の赤旗中断。30周のレースが最終的に15ラップの戦いになり、集中するのが大変だった。第1レースは、マイケル(ルター)との戦いになり、彼とのリードを縮めていたが抜けなかった。第2レースもひどい雨と風。転倒車が出て赤旗中断のままキャンセルされた。今日は何がなんだか分からないまま一日が終わってしまったという感じがする。優勝できなかったのは残念。ただ、チャンピオンシップで3位に上がれたし、ヒルとの差を縮められたこともよかった」
ジョシュ・ブルックス(3位)「以前、オールトンパークでも同じようなコンディションのときがあったが、ひどい天候だった。とにかく、今日は、タイヤのスピニングがひどくてコントロールするのが大変だった。アクセルを開け始めると同時に空転が始まり、それからは、もうどうしようもないという状態だった。そんな状況の中で表彰台に立ててよかったが、優勝できなかったことが、とても残念。しかし、この3位でチャンピオンシップで首位に立てた。第2レースでは、第1レースのデータを生かして優勝を狙っていたが、悪天候で中止になってしまった」
スチュアート・イーストン(19位)「第1レースは、ジェームスと同じリアのグリップの問題を抱えていて、まるでダメだった。とにかくグリップせず、どうにもならなかった。そのため、第2レースに向けて、いろいろセッティングを変えて、スタートして赤旗が出るまではよくなったと感じたのだが、本当によかったのかどうか確認する前にレースは中断、キャンセルされてしまった。しかし、中止の決断は、正しかったと思う。レースを見に来てくれたファンにも大変な一日になってしまった。今回中止された第2レースは次戦のスネタートンに組み込まれるので、3レースになる次戦でいい結果を残したい」
ジェームス・エリスン(24位)「今週は何もかもが順調だった。セッションをこなすごとにフィーリングはよくなり、予選では5番手までタイムを上げることができた。復帰して2戦目ということを考えれば、本当にうれしい出来事だった。雨と風に悩まされた決勝は、ウオームアップはいい感じで走れたのだが、決勝はリアのトラクションに問題があって、スムーズにライディングすることが出来なかった。それがどうしてなのか原因がわからなかった。ウオームアップのように走れていたら表彰台も優勝も夢ではなかったし、第2レースがキャンセルになったことは残念だった」
レース1
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | M.ルター | ドゥカティ | 15 | 13:32.658 |
2 | 8 | 清成龍一 | Honda | 15 | +0.577 |
3 | 4 | ジョシュ・ブルックス | Honda | 15 | +6.187 |
4 | 7 | M.ラバティ | スズキ | 15 | +9.363 |
5 | 34 | A.シーリー | スズキ | 15 | +13.295 |
6 | 10 | J.ラバティ | カワサキ | 15 | +18.708 |
14 | 5 | クリスチャン・イドン | Honda | 15 | +32.288 |
15 | 21 | トム・タンストール | Honda | 15 | +34.394 |
19 | 3 | スチュアート・イーストン | Honda | 15 | +39.628 |
24 | 2 | ジェームス・エリスン | Honda | 15 | +47.068 |
DNF | 46 | トミー・ブライドウェル | Honda | 10 | +5Laps |
ライダー
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | ジョシュ・ブルックス | Honda | 166 |
2 | T.ヒル | スズキ | 162 |
3 | 清成龍一 | Honda | 148 |
4 | M.ラバティ | スズキ | 146 |
5 | M.ルター | ドゥカティ | 139 |
6 | J.ラバティ | カワサキ | 108 |
8 | スチュアート・イーストン | Honda | 92 |
11 | トミー・ブライドウェル | Honda | 50 |
12 | ジェームス・エリスン | Honda | 48 |
24 | クリスチャン・イドン | Honda | 5 |
28 | トム・タンストール | Honda | 3 |
31 | クレイグ・フィツパトリック | Honda | 1 |
36 | スティーブ・ヘネガン | Honda | 0 |
44 | G.マーティン | Honda | 0 |
マニュファクチャラー
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | Honda | 248 |
2 | スズキ | 220 |
3 | ドゥカティ | 146 |
4 | カワサキ | 106 |
5 | ヤマハ | 58 |
6 | BMW | 18 |
7 | KTM | 1 |
8 | アプリリア | 0 |