英国スーパーバイク選手権(BSB)第3戦が、リバプール近郊のオールトンパークで行われた。第1レースはスチュアート・イーストン(Swan Honda)が今季初優勝を達成。第2レースでは清成龍一(HM Plant Honda)が4位でフィニッシュした。この日は、雲の流れが速く、天候の変わりやすい難しいコンディションとなった。第1レースは雲が多かったがドライ。しかし第2レースはスタート前に雨が降り、ウエットからドライになる難しいコンディションとなり、大荒れの展開となった。
今大会は34台が出場。第2戦スラックストンで3位表彰台に立って勢いに乗るイーストンが、3日間を通じて好調な走りを見せた。初日、2日目のフリー走行ではトップタイムをマーク。予選でも2番手につけた。
前戦スラックストンで2位、優勝とすばらしい走りを見せたジョシュ・ブルックス(HM Plant Honda)は、初日のフリー走行ではセッティングが決まらずやや出遅れる格好となったが、2日目のフリーで2番手に浮上。予選でも4番手につけてフロントローを獲得した。
清成は2日間のフリー走行では総合3番手とまずまずの走りを見せた。予選ではクリアラップが取れず6番手に終わったが、アベレージはよく、今季2回目の表彰台と初優勝の期待が膨らんだ。ポールポジション(PP)は、トミー・ヒル(スズキ)が獲得した。
第1レースは、PPからスタートしたヒルと、予選2番手から好スタートを切ったイーストンがトップグループを形成。ヒルの激しい追撃を抑えきったイーストンが、わずか、0.058秒差で今季初優勝を飾った。その後方では、ジョン・ラバティ(カワサキ)、アラステア・シーリー(スズキ)、マイケル・ラバティ(スズキ)、そして予選4番手から決勝に挑んだブルックスが第2集団を形成。激しい競り合いとなったが、この順位でチェッカーを受けた。このグループに加わり、一時4番手まで浮上した清成は、後半に入ってシケインで他車と接触。それが原因でマシントラブルが発生してペースダウン。6周を残し、リタイアとなった。
第2レースはスタート直前に雨が降ったために進行が遅れ、周回も18周から15周に短縮して行われた。今年から予選の形式が変わり、第1レースは予選のタイム順でグリッドが決まるが、第2レースは第1レースのベストラップで決まる。第1レース、トラブルのためにリタイアしていた清成だが、ベストラップを刻んだことでPP。2番手にヒル。3番手にはブルックス、4番手にはイーストンと、CBR1000RR勢がフロントローに3台並んだ。
グリッドに整列した時点で「ウエット宣言」が出され、ウエットコンディションでスタートが切られた。しかし、次第に路面は乾き、ウエットからドライに変化する難しいコンディションとなり、マイケル・ラバティが独走で優勝。2位にマイケル・ルター(ドゥカティ)、3位にヒルという結果だった。
タイヤの選択がレースに大きく影響した。PPからスタートした清成は、序盤はトップに立つも他車に押し出される格好でコースアウトを喫し、大きく遅れる。その後、ばん回したが、4位になるのがやっとだった。ブルックスはタイヤの選択に失敗し、大きく遅れて8位。第1レースで優勝のイーストンは、電気系に問題を抱えリタイアとなった。
スチュアート・イーストン(優勝/リタイア)「第1レースは、スタートもよくて、ヒルを最後まで抑えることができた。サインボードは、最後まで+0という厳しいものだったし、緊張を強いられた。今日はチームにとって初めての勝利。すばらしい結果だった。しかし、第2レースはコンディションが難しく、電気系に問題を抱え、タイヤのグリップをうまく引き出せなかった。最初はタイヤに問題があるのかと思いピットに戻ったが、タイヤではなかったようだ。第1レースがよかっただけに、第2レースは本当に残念だった」
清成龍一(リタイア/4位)「第1レースは他車とぶつかったときにバイクにトラブルが出て、リタイアしなければならなかった。第2レースは、その雪辱に気合を入れた。序盤はトップを走れたが、ジョン・ラバティ(カワサキ)の激しい走りにコースアウトさせられて遅れてしまった。その後、表彰台に立とうと全力で追い上げたが、届かなかった。今週はフリー、予選、そして決勝と、厳しい3日間になってしまった。2レースともに表彰台に立てず残念だった」
ジョシュ・ブルックス(6位/8位)「第1レースはひどいチャターに苦しんでペースを上げることができなかった。第2レースは、タイヤの選択に失敗した。レインタイヤをチョイスしたのだが、路面がどんどん乾いてしまい、どうにもならなかった。今回は何も前進することができなかったし、自分自身に腹が立つ。全力を尽くしてくれたスタッフに申し訳ない気持ちでいっぱいだ。これからも、全力で努力していかなければならない」
レース1
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム |
---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | スチュアート・イーストン | Honda | 18 | 28:55.815 |
2 | 33 | T.ヒル | スズキ | 18 | +0.058 |
3 | 10 | J.ラバティ | カワサキ | 18 | +10.399 |
4 | 34 | A.シーリー | スズキ | 18 | +10.843 |
5 | 7 | M.ラバティ | スズキ | 18 | +10.849 |
6 | 4 | ジョシュ・ブルックス | Honda | 18 | +11.073 |
10 | 46 | トミー・ブライドウェル | Honda | 18 | +36.709 |
RT | 8 | 清成龍一 | Honda | 12 | +6Laps |
RT | 75 | クレイグ・フィツパトリック | Honda | 6 | +12Laps |
RT | 5 | クリスチャン・イドン | Honda | 3 | +15Laps |
RT | 21 | トム・タンストール | Honda | 3 | +15Laps |
レース2
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム |
---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | M.ラバティ | スズキ | 15 | 24:26.150 |
2 | 6 | M.ルター | ドゥカティ | 15 | +6.000 |
3 | 33 | T.ヒル | スズキ | 15 | +11.333 |
4 | 8 | 清成龍一 | Honda | 15 | +16.029 |
5 | 10 | J.ラバティ | カワサキ | 15 | +23.590 |
6 | 34 | A.シーリー | スズキ | 15 | +27.258 |
7 | 46 | トミー・ブライドウェル | Honda | 15 | +30.287 |
8 | 4 | ジョシュ・ブルックス | Honda | 15 | +30.823 |
22 | 75 | クレイグ・フィツパトリック | Honda | 14 | +1Lap |
RT | 3 | スチュアート・イーストン | Honda | 8 | +7Laps |
RT | 5 | クリスチャン・イドン | Honda | 0 | - |
ライダー
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | T.ヒル | スズキ | 126 |
2 | スチュアート・イーストン | Honda | 75 |
3 | ジョシュ・ブルックス | Honda | 74 |
4 | M.ラバティ | スズキ | 65 |
5 | A.シーリー | スズキ | 63 |
6 | J.ラバティ | カワサキ | 59 |
8 | 清成龍一 | Honda | 53 |
10 | ジェームス・エリスン | Honda | 41 |
15 | トミー・ブライドウェル | Honda | 15 |
22 | クリスチャン・イドン | Honda | 3 |
27 | クレイグ・フィツパトリック | Honda | 1 |
30 | トム・タンストール | Honda | 0 |
33 | スティーブ・ヘネガン | Honda | 0 |
マニュファクチャラー
順位 | ライダー | ポイント |
---|---|---|
1 | スズキ | 135 |
2 | Honda | 128 |
3 | ドゥカティ | 66 |
4 | カワサキ | 56 |
5 | ヤマハ | 30 |
6 | BMW | 12 |
7 | アプリリア | 0 |