英国スーパーバイク選手権(BSB)の開幕戦がショートコースのブランズハッチ・インディ・サーキットで行われ、第1レースで清成龍一(HM Plant Honda)が2位、ジェームス・エリスン(Swan Honda)が3位。第2レースでは、エリスンが今季初優勝と、CBR1000RR勢が好調なスタートを切った。第2レース、清成はトラブルのためにリタイア。チームメートのジョシュ・ブルックスは、第1レース5位、第2レースは転倒のためにリタイアに終わった。
開幕戦には34台が出場。今年から予選方式が変更された。昨年同様、ノックダウン方式に変わりはないが、Q1に全車が出場し、その内20台が通過。Q2で10台に絞られ、Q3で上位10までのグリッドを決めるというもの。さらに、第1レースのベストタイム順で、第2レースのグリッドが決まるという方式に変更された。
この予選でPPを獲得したのは、3年ぶりにBSBに復帰した清成。天候不順だったフリー走行で着実にセットアップを進め、Q1でトップタイムを記録。Q2では2番手だったが、Q3で再び首位に浮上し、3年ぶりとなるBSB開幕戦の予選でポールポジションを獲得した。
今大会は、気温が10℃前後となり、タイヤのチョイスが難しいコンディションが続いたが、レース用タイヤの方が安定していたという清成は、予選用タイヤを使わずに着実にタイムを短縮。06、07年のBSBチャンピオンの貫禄を見せつけた。2番手にはトミー・ヒル(スズキ)。ブルックスは5番手。エリスンは10番手から第1レースを迎えることになった。
今大会の決勝レースは、4月5日の月曜日に行われた。天候は曇り。気温は第1レースが10℃、第2レースも11℃と、寒い一日となった。しかし、コース上の戦いは白熱、両レースともに壮絶なバトルが繰り広げられた。
第1レースは、PPスタートの清成と、予選2番手のヒルが、オープニングラップから抜け出し、一騎打ちを展開。清成は21周目まで首位を快走したものの、22周目にヒルにかわされてしまった。2人は30周にわたって、し烈な戦いを繰り広げた。清成は、パッシングポイントのないインディで、ヒルを抜き返そうと全力を注いだが、周回遅れもからみ、逆転することはできなかった。しかし、3年ぶりのBSBで、PPから2位表彰台に立ち、3回目のタイトル獲得に向けて好調なスタートを切った。
その後方では、3列目から追い上げてきたエリスンが3位、エリスンらとセカンドグループを形成したブルックスは5位だった。第1レースの結果、ブルックスがPPからスタート。エリスンが2番手、3番手にヒル、4番手に清成と、3台のCBR1000RR勢がフロントローから第2レースに挑んだ。
第2レースは、好スタートを切ったエリスンが快調にラップを刻み、ヒルを抑えて今季初優勝。第1レース2位の清成は電気系トラブルのために4周目にリタイア。3位争いをリードしていたブルックスも転倒リタイアに終わった。
清成龍一(2位/リタイア) 「フリー走行、予選と着実にバイクも仕上がり、レースウイークを通じて、いいレースができました。予選ではPPも取れたし、表彰台に立つことができました。チーム、そしてHondaに感謝しています。しかし、第1レースは、終盤トミー(ヒル)に抜かれ2位に終わり、残念でした。思ったようにペースを上げられず、周回遅れも多く、勝負するチャンスがありませんでした。レース2は、セッティングを変えたのですが、残念ながらリタイアに終わりました。2レースともに悔しいレースだったので、次のレースでは優勝を狙っていきます」
ジェームス・エリスン(3位/優勝) 「2レースともに表彰台に立てたし、いい一日になった。それだけに、予選で10番手に終わったことが悔しい。第2レースはフロントローからスタートして優勝することができたし、第1レースもグリッドがよければ、もっといいレースができたと思う。今回は、バイクのセットアップがよかった。次のレースも優勝を目指していく」
ジョシュ・ブルックス(5位/リタイア) 「残念な一日だった。2レースともに、もっとプッシュしたかったし、もっと速く走れると思っていたが、思うようにいかなかった。しかし、第1レースのタイム順で、第2レースをPPからスタートできたことはうれしかった。第2レースも表彰台に立てると思ったが、ちょっと熱くなりすぎて、フロントから転んでしまった。本当に残念だった」
レース1
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム |
---|---|---|---|---|---|
1 | 33 | T.ヒル | スズキ | 30 | 23:10.296 |
2 | 8 | 清成龍一 | Honda | 30 | +0.723 |
3 | 2 | ジェームス・エリスン | Honda | 30 | +4.607 |
4 | 34 | A.シーリー | スズキ | 30 | +4.655 |
5 | 4 | ジョシュ・ブルックス | Honda | 30 | +8.785 |
6 | 3 | スチュアート・イーストン | Honda | 30 | +10.598 |
23 | 75 | クレイグ・フィツパトリック | Honda | 29 | +1Lap |
26 | 54 | スティーブ・ヘネガン | Honda | 29 | +1Lap |
RT | 21 | トム・タンストール | Honda | 25 | +5Laps |
RT | 5 | クリスチャン・イドン | Honda | 18 | +12Laps |
RT | 46 | トミー・ブライドウェル | Honda | 13 | +17Laps |
レース2
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | ジェームス・エリスン | Honda | 30 | 23:03.278 |
2 | 33 | T.ヒル | スズキ | 30 | +0.186 |
3 | 34 | A.シーリー | スズキ | 30 | +4.925 |
4 | 7 | M.ラバティ | スズキ | 30 | +6.711 |
5 | 3 | スチュアート・イーストン | Honda | 30 | +22.050 |
6 | 6 | M.ルター | ドゥカティ | 30 | +22.203 |
13 | 5 | クリスチャン・イドン | Honda | 30 | +42.412 |
17 | 21 | トム・タンストール | Honda | 30 | +44.719 |
20 | 75 | クレイグ・フィツパトリック | Honda | 29 | +1Lap |
24 | 54 | スティーブ・ヘネガン | Honda | 29 | +1Lap |
RT | 4 | ジョシュ・ブルックス | Honda | 10 | +20Laps |
RT | 46 | トミー・ブライドウェル | Honda | 9 | +21Laps |
RT | 8 | 清成龍一 | Honda | 3 | +27Laps |
ライダー
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | T.ヒル | スズキ | 45 |
2 | ジェームス・エリスン | Honda | 41 |
3 | A.シーリー | スズキ | 29 |
4 | スチュアート・イーストン | Honda | 21 |
5 | 清成龍一 | Honda | 20 |
6 | M.ルター | ドゥカティ | 19 |
10 | ジョシュ・ブルックス | Honda | 11 |
19 | クリスチャン・イドン | Honda | 3 |
25 | トム・タンストール | Honda | 0 |
29 | トミー・ブライドウェル | Honda | 0 |
30 | スティーブ・ヘネガン | Honda | 0 |
33 | クレイグ・フィツパトリック | Honda | 0 |
マニュファクチャラー
順位 | マニュファクチャラー | ポイント |
---|---|---|
1 | スズキ | 45 |
2 | Honda | 45 |
3 | ドゥカティ | 19 |
4 | ヤマハ | 12 |
5 | カワサキ | 12 |
6 | BMW | 8 |
7 | アプリリア | 0 |