ROUND 05

インドインド マドラス・モーター・レース・トラック 2017.09.24(日)・SS600 決勝

第5戦 インド

ザクワン・ザイディが優勝/2位でランキングトップ。羽田太河が2位/3位

アジアロードレース選手権(ARRC)第5戦は、インドのブッタ・インターナショナル・サーキットで開催される予定でしたが、コース上のトラブルのために、スケジュールが変更され9月22日~24日の日程で、チェンナイのマドラス・モーター・レース・トラックで行われることになりました。ここでの開催は2013年以来となりますが、コース全面が舗装改修されての開催となりました。

今回、山口辰也(A.P.Honda Racing Thailand)は、全日本ロードレース選手権の事前テストとレース開催日程が重なったことで、チームとの話し合いの結果、全日本テストを優先させることになり欠場を決めました。

予戦トップは、ケミン・クボ(ヤマハ)。2番手にザクワン・ザイディ(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)、3番手に羽田太河(RAMA Honda by NTS T.Pro Ten 10.)がつけ、フロントローに並びました。決勝でホールショットを奪ったのはザイディ。序盤から激しいトップ争いが繰り広げられ、チャランポン・ポラマイ(ヤマハ)が転倒するなど、波乱の立ち上がりとなりますが、ザイディはトップをキープ。それを羽田、伊藤勇樹(ヤマハ)、クボが追いかけ、トップ争いは4台となりました。最終ラップまで続いたこの争いは、ザイディ、羽田、伊藤のオーダーで次々にチェッカーを受けました。名越哲平(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)は健闘しセカンド集団を抜け4位と今季最高位。ラタポン・ウィライロー(A.P.Honda Racing Thailand)が5位に入り、山田誓己(RAMA Honda by NTS T.Pro Ten 10.)は9位でフィニッシュしました。

レース2は、曇り空となり天候が心配されていましたが、午後になるとついに雨が降り出し、ウエット宣言が出されます。しかし、スタート時に雨が上がると、路面コンディションも変化していき、グリッドではレインタイヤからスリックタイヤへと変更するライダーが相次ぎました。このことからレースディレイとなり、16周から14周へと減算されレースが行われました。

決勝スタートから、ザイディは積極的に前に出てレースをリードします。それを伊藤、羽田、ウイライローが追いかけ、トップ争いは4台。セカンド集団にアハマド・ユディスティラ(カワサキ)、名越、デチャ・クライサルト(ヤマハ)、ポラマイが激しい5番手争いを繰り広げました。途中、ウイライローが転倒。トップ争いはザイディ、伊藤が一騎打ちの戦いをみせ、終盤に伊藤が前に出て優勝。ザイディは2位でチェッカーを受けました。3位に羽田が入り連続表彰台。名越は4番手争いを制します。山田は8位でチェッカーを受けました。

これでザイディはランキングトップとなり、羽田は伊藤と同点の3位。トップから4ポイント差とランキング争いも接戦となり、最終戦でのタイトル争いに大きな注目が集まることになります。

コメント

ザクワン・ザイディ(スーパースポーツ600cc 優勝/2位)
ザクワン・ザイディ 「レース1で勝つことができたので、レース2ではダブルウインを目指していましたが、終盤にタイヤのライフがきつくなり我慢の走りになってしまいました。伊藤選手にパスされてからは、トップを奪い返そうと努力しましたが、無理なライディングはリスクが高いと考え直し、チェッカーを目指しました。それでもランキングトップに立てたので、今回の結果には満足しています」

羽田太河(スーパースポーツ600cc 2位/3位)
羽田太河 「初めてのサーキットで難しいコースだと覚悟して走りはじめましたが、全くタイムが上がらず最初は苦戦しました。しかし、予選に向けてセットアップを大きく変えたら、タイムも上がり予選では3番手につけることができました。レース1は優勝できるチャンスだと思っていましたが、仕掛けるタイミングで後続と絡んでしまい、思うようなレースができませんでした。レース2は、レース1の悔しさを晴らそうと思っていました。ただ、路面状況が難しくスタートで出遅れ、さらにブレーキングで止まりきれず遅れてしまうなどで、追い上げての3位でした。納得する結果ではありませんが、ポイントではタイトルの可能性が出てきたので、最終戦ではしっかりと走って、悔いのないレースをしたいと思っています」

名越哲平(スーパースポーツ600cc 4位/4位)
名越哲平 「とても勉強になる週末でした。3回のフリー走行でコース攻略をしながらより早くセットアップを見つけるのは、毎戦難しいことです。ただ、このサーキットは切り返しが多くハードブレーキングの少ないコースで、自分に相性のいいサーキットだったこともあり、前回までとは違いフリー走行を重ねるごとに車体もライディングもまとめていくことができました。予選でさらにタイムアップし、初のシングルグリッドを獲得。しかも単独で出したタイムだったのでレースに期待できました。レース1はスタートで少し出遅れ、またタイヤのライフを激しく消耗してしまい、後半でかなりタイムが落ちてしまいました。しかし、トップグループも見えていましたし、ベストタイムもトップとほぼ一緒でしたので、レース2に向け前向きな結果となりました。レース2はレース1の反省から前半を大切にスタートを綺麗に決めましたが、直前まで降っていた雨の影響で自分のベストラインを走行できずに後退してしまい、結果はレース1と同じようなかたちになってしまいました。今回は予選、決勝ともにベストリザルトを残せましたが、目指してるところに届かずに悔しい気持ちもあります。ただ、とても勉強になりました。最終戦はきっちり表彰台に立ち、シーズンを締めくくれるように努力します!」

山田誓己(スーパースポーツ600cc 9位/8位)
「今回は初日のフリー走行からレース1にかけてセットをつめられず全く思うように乗れませんでした。ただ、レース2の前にある朝のフリーでセットアップを変更したところラップタイムを上げることができました。レース2では序盤、集団から抜け出せずうまくペースを上げられずにいましたが、後半はペースも上げることができ、次のレースに向けて今までよりはいい終わり方ができたました。最終戦では、さらに上を目指していきたいと思います」

リザルト

レース1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
121ザクワン・ザイディHonda1627'20.721
223羽田太河Honda16+0.626
376伊藤勇樹ヤマハ16+0.989
4634名越哲平Honda16+5.227
559ラタポン・ウィライローHonda16+7.874
641芳賀紀行ヤマハ15+1Lap
816イルファン・アルディアンシャーHonda15+1Lap
917山田誓己Honda15+1Lap
1145シティサック・オンチャウィアンHonda15+1Lap
1269サラス・シャンカル・クマHonda15+1Lap

レース2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
176伊藤勇樹ヤマハ1423'55.967
221ザクワン・ザイディHonda14+0.865
323羽田太河Honda14+8.405
4634名越哲平Honda14+14.409
524D.クライサルトヤマハ14+20.223
665 C.ポラマイヤマハ14+22.640
745シティサック・オンチャウィアンHonda14+22.847
817山田誓己Honda14+25.977
1116イルファン・アルディアンシャーHonda14+34.140
1369サラス・シャンカル・クマHonda14+1'8.608
1459ラタポン・ウィライローHonda14+1'23.091

ポイントランキング

順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
121ザクワン・ザイディHonda138
276伊藤勇樹ヤマハ134
323羽田太河Honda134
425A.シャー・カマルザマンカワサキ128
533A.ユディスティラカワサキ110
624D.クライサルトヤマハ81
959ラタポン・ウィライローHonda64
10634名越哲平Honda59
12104山口辰也Honda55
1317山田誓己Honda51
1416イルファン・アルディアンシャーHonda48
1520ディマス・エッキー・プラタマHonda38
1832榎戸育寛Honda20
2069サラス・シャンカル・クマHonda16
2145シティサック・オンチャウィアンHonda14

ランキング詳細


フォトギャラリー

ザクワン・ザイディ

ザクワン・ザイディ

ザクワン・ザイディ(#21)、羽田太河(#23)

(左から)羽田太河、ザクワン・ザイディ

ザクワン・ザイディ

ザクワン・ザイディ

ザクワン・ザイディ(#21)

ザクワン・ザイディ(左)、羽田太河(右)

羽田太河

名越哲平

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