アジアプロダクション250ccクラス(AP250)は、アジアにおけるモータースポーツ全体のレベルアップ、活性化を考え、ステップアップのためのクラスとして2015年に新設されました。4ストロークの市販車がベースで、タイヤはSS600クラスと同様にダンロップのワンメイクです。
Astra Honda Racing Teamからは、昨年はSS600クラスで2勝を挙げてランキング9位となったゲリー・サリム、レーザー・ダニカ・アーレンズ、アーウィン・サンジャヤが新型「CBR250RR」で参戦しました。また、昨年のSS600クラスでランキング2位になった小山知良(RAMA Honda)が今年からAP250クラスにシフト。2015年の王者であり、昨年ランキング2位の山本剛大(SIDRAP HONDA IKAZUCHI Racing Team.)は、Hondaマシンへと乗り換えて参戦しました。
Honda勢の中で予選で好調だったのは、3番グリッドを獲得したサリムでした。また、小山はレースウイークにマシンをシェイクダウンする状況ながら6番手となりました。
ゲリー・サリム
山本剛大(#11)
レース1は、サリムがホールショットを奪うと、アヌパ・サルムーン(ヤマハ)と山本がサリムをマーク。それ以外も後続車が僅差で続く激戦となりましたが、トップを争う3台は、次第に後続を引き離していきました。さらにレースをコントロールするサリムが山本との差も広げ始め、0.055秒の差でトップチェッカーを受けました。これにより、サリムはSS600とAP250の両方で勝利を挙げた、初めてのライダーになりました。2位には山本が入ってHondaの1-2となり、アーレンズは4位、サンジャヤは5位。小山は7位でレースを終えました。
レース1同様、レース2も好スタートを切ったサリムがホールショット。サルムーンと山本を引き連れ、1コーナーへと飛び込みました。その後、サリムとサルムーンの争いに。一方で3番手争いは、オーバーランで9番手へとポジションを落とした山本が追い上げ、そこに小山が迫る展開となりました。トップ争いはサリムがサルムーンを突き放してチェッカーを受けダブルウイン。2位にはサルムーン、3位に山本、4位に小山が入りました。アーレンズは5位、サンジャヤは8位でチェッカーを受けました。
ゲリー・サリム(アジアプロダクション250cc 優勝/優勝) 「レース1は路面温度が低かったので調整が難しく、厳しいレースになりましたが、優勝することができました。とはいえ、レース2では天気が回復してほしかったので、晴れでレースができてよかったです。序盤でプッシュして、あとはタイヤを温存するようにペースを抑えながら走りきりました。マシンが本当によく走ってくれました。チームの努力に感謝しなければいけません。ありがとうございました」
山本剛大(アジアプロダクション250cc 2位/3位) 「今年から新チーム、新型車両と体制が大きく変わりました。さらに、新型車両だったこともあって時間がなく、なにもかもが間に合っていない中で、ここまで戦えるマシンを用意してくれたチームスタッフ、関係者の皆さまに本当に感謝です。レース1はトップを争っての2位でしたが、レース2ではトラブルを抱え、オーバーランも喫してしまう厳しい状況でした。その中でも表彰台に上がれてよかったです。しかし、勝てなかったのはとても悔しいので、今回で浮かび上がった問題を解消して、さらに戦闘力を上げて、2つ勝ちにいけるようにがんばります」
小山知良(アジアプロダクション250cc 7位/4位) 「非常に厳しい状況でのレースでしたが、無事にレースを走りきることができ、さらに、貴重なポイントをゲットできました。レース2も厳しい状況が続く覚悟はしていましたが、全力を尽くして、なんとか今回のレースを終えたいと思ってスタートしました。ラストラップまで3番手争いができましたが、ついていくのが精一杯でした。本当にハードで厳しい週末でしたが、もっとハードだったのは、スタッフのみんなです。レースに参戦できないのではないかと思うほどの状況だったにもかかわらず、メカニックのがんばりで参戦にこぎつけられました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。これからの巻き返しに期待して下さい」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 31 | ゲリー・サリム | 12 | 20'52.279 | |
2 | 11 | 山本剛大 | 12 | +0.055 | |
3 | 500 | A.サルムーン | ヤマハ | 12 | +0.459 |
4 | 123 | レーザー・ダニカ・アーレンズ | 12 | +6.378 | |
5 | 198 | アーウィン・サンジャヤ | 12 | +9.344 | |
6 | 14 | P.ロイブーンペン | ヤマハ | 12 | +9.903 |
7 | 71 | 小山知良 | 12 | +10.092 | |
11 | 46 | ヴォラポン・マラフアン | 12 | +23.898 | |
14 | 75 | ヘルマン・バハルディン | 12 | +37.395 | |
15 | 44 | ムクラダ・サラプーチ | 12 | +37.494 | |
19 | 17 | セス・ラジブ | 12 | +1'04.068 | |
22 | 95 | ブイ・デュイ・トン | 12 | +1'06.855 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 31 | ゲリー・サリム | 12 | 20'54.397 | |
2 | 500 | A.サルムーン | ヤマハ | 12 | +1.715 |
3 | 11 | 山本剛大 | 12 | +4.653 | |
4 | 71 | 小山知良 | 12 | +4.842 | |
5 | 123 | レーザー・ダニカ・アーレンズ | 12 | +10.239 | |
6 | 108 | A.ムハマッド・ファドリ | カワサキ | 12 | +10.375 |
8 | 198 | アーウィン・サンジャヤ | 12 | +11.361 | |
15 | 46 | ヴォラポン・マラフアン | 12 | +33.220 | |
16 | 75 | ヘルマン・バハルディン | 12 | +40.766 | |
17 | 44 | ムクラダ・サラプーチ | 12 | +41.193 | |
19 | 17 | セス・ラジブ | 12 | +1'06.120 | |
21 | 95 | ブイ・デュイ・トン | 12 | +1'07.192 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 31 | ゲリー・サリム | 50 | ||
2 | 11 | 山本剛大 | 36 | ||
3 | 500 | A.サルムーン | ヤマハ | 36 | |
4 | 123 | レーザー・ダニカ・アーレンズ | 24 | ||
5 | 71 | 小山知良 | 22 | ||
6 | 198 | アーウィン・サンジャヤ | 19 | ||
12 | 46 | ヴォラポン・マラフアン | 6 | ||
17 | 75 | ヘルマン・バハルディン | 2 | ||
18 | 44 | ムクラダ・サラプーチ | 1 | ||
19 | 17 | セス・ラジブ | 0 | ||
20 | 95 | ブイ・デュイ・トン | 0 |