2016.08.06-07 アジアロードレース選手権 第4戦 インドネシアインドネシア

サリムがダブルウイン。両レースでHonda勢が表彰台を独占

2016年8月6日(土)、7日(日)・決勝  会場:セントゥール・インターナショナル・サーキット
スーパースポーツ 600cc(レース1) レポート

アジアロードレース選手権(ARRC)第4戦がインドネシアのセントゥール・インターナショナル・サーキットで開催されました。鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)に参戦したライダーたちにとっては、2週連続のハードなレースを戦うことになりました。また、6月に開催された全日本ロードレース選手権のSUGO大会で、左足かかとの粉砕骨折など、全治3カ月のケガを負った高橋裕紀(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)は欠場。岩田悟が代役で参戦しました。ラタポン・ウィライロー(A.P.Honda Racing Thailand)も、鈴鹿8耐でのケガで欠場となりました。

ゲリー・サリム(先頭)ゲリー・サリム(先頭)

ディマス・プラタマ(#20)ディマス・プラタマ(#20)

セントゥール・インターナショナル・サーキットは、コースの改修跡がギャップとなり、バンピーで攻略が難しいコースとして知られています。連日、路面温度が60℃を超える酷暑となり、厳しいコンディションでのレースとなりました。ポールポジション(PP)はゲリー・サリム(Astra Honda Racing Team)が獲得。2番手にディマス・エッキー・プラタマ(Astra Honda Racing Team)、3番手にザクワン・ザイディ(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)と、Honda勢がフロントローを独占しました。また、5番手は小山知良(T.Pro Yuzy Honda NTS)。9番手は岩田となりました。

レース1は、サリムがホールショットを奪いますが、アハマド・ユディスティラ(カワサキ)が激しくプッシュして首位に立ちます。それをプラタマ、小山らが追いかけ、トップ集団は8台に。そこからユディスティラ、プラタマ、サリム、小山が抜け出して激しいトップ争いを繰り広げると、その集団にザイディが追いつき、5台による争いに発展しました。

ザクゥアン・ザイディ(#21)、ディマス・プラタマ(#20)、ゲリー・サリム(#31)ザクゥアン・ザイディ(#21)、ディマス・プラタマ(#20)、ゲリー・サリム(#31)

レース終盤には、リードするユディスティラが転倒してプラタマが先頭に。サリム、ザイディ、小山が続きました。最終ラップの攻防となりザイディが前に出ますが、小山も動き、そこにプラタマとサリムが仕掛ける激しいトップ争いが展開、そうして真っ先にチェッカーを受けたのはサリムでした。続いて0.094秒差でプラタマ、0.323秒差でザイディ、0.843秒差で小山となりました。羽田太河(T.Pro Yuzy Honda NTS)は7位に入るシングルフィニッシュ。岩田は9位争いを制しました。

(左から)ディマス・プラタマ、ゲリー・サリム、ザクゥアン・ザイディ(左から)ディマス・プラタマ、ゲリー・サリム、ザクゥアン・ザイディ

ゲリー・サリム(#31)ゲリー・サリム(#31)

スーパースポーツ 600cc(レース2) レポート

レース2で飛び出したのもサリム。それをユディスティラ、プラタマ、小山、ザイディが追う展開となりました。サリムは後続を引き離そうとプッシュしますが、ユディスティラ、プラタマ、小山が追いつき、ザイディが遅れることに。トップ集団の4台が接近戦を続けながらレースが進みました。その争いは最終ラップに激しさを増します。サリムが逃げ、トップに追いついたザイディが勝負に出ました。熱戦の中、真っ先にチェッカーを受けたのはサリムでダブルウインを達成。2位にザイディが入り、3位はプラタマとなりました。小山は4位、羽田は6位、岩田は10位でした。

ゲリー・サリム(先頭)ゲリー・サリム(先頭)

(左から)ディマス・プラタマ、ゲリー・サリム、ザクゥアン・ザイディ(左から)ディマス・プラタマ、ゲリー・サリム、ザクゥアン・ザイディ

アジア・ドリーム・カップ レポート

アジア・ドリーム・カップ(ADC)は、中村大輝がポールポジションを獲得。レース1では中村がホールショットを奪いますが、マフド・フェブリアンシャーがすぐに前に出ます。中盤にはハリス・ファーハンがトップに立ち、フェブリアンシャー、ゾウシェン・ジュンジー、ハーフィズ・アズマン、ヤッシン・ガブリエル・ソンマ、中村がトップ争いを展開します。転倒車が多く、多重クラッシュが起こる波乱の中、シーズントップ争いは11台にも膨れ上がる団子状態となり、レースが進みました。その攻防を制したのはフェブリアンシャーで、シーズン2勝目を挙げました。中村は4位、渋田晨央は9位でした。

(先頭から)中村大輝、ハーフィズ・アズマン、ハリス・ファーハン(先頭から)中村大輝、ハーフィズ・アズマン、ハリス・ファーハン

(左から)ゾウシェン・ジュンジー、マフド・フェブリアンシャー、ハーフィズ・アズマン(左から)ゾウシェン・ジュンジー、マフド・フェブリアンシャー、ハーフィズ・アズマン

2レース目は、中村が積極的に前に出ます。ジュンジーとのトップ争いを繰り広げ、そこへ割って入ろうと、ココ・タダチら数台が続き、11台によるトップ争いとなりました。最終的に大混戦のレースを制したのは中村。2位にジュンジー、3位にタダチが入りました。渋田は12位でチェッカーを受けました。

ゾウシェン・ジュンジー(#8)、マフド・フェブリアンシャー(#5)、ブロック・パーソン(#7)ゾウシェン・ジュンジー(#8)、マフド・フェブリアンシャー(#5)、ブロック・パーソン(#7)

(左から)ゾウシェン・ジュンジー、中村大輝、ココ・タダチ(左から)ゾウシェン・ジュンジー、中村大輝、ココ・タダチ

スーパースポーツ 600cc コメント

ゲリー・サリム(スーパースポーツ600cc 優勝/優勝)
「ダブルウインができてうれしいです。ここは僕のホームコースで、国内では何度も勝っています。コースを知っていることを武器に、勝つことができました」

岩田悟(スーパースポーツ600cc 9位/10位)
「今年は鈴鹿8耐を最重要レースと思ってトレーニングを重ねていたので、代役の話をいただいいた際でも戸惑いはありませんでした。選んでいただけて光栄です。チャンピオンチームで走れる機会でもありました。しっかりと結果を残したかったですが、ここは難しいサーキットで、最後までタイヤの選択に悩み、思うような走りができずに終わってしまいました。トップ争いができず、悔しいです」

高橋裕紀
「装具なしでは、かかとを地面につけることが難しく、今の段階ではマシンに乗れる状況ではなありません。代役参戦はチームにとって最善の判断です。岩田選手とはポケバイ時代から仲良くさせてもらっていますし、アジアロードレース選手権への参戦経験もあり、信頼しています。代役参戦を引き受けてくれたことに感謝しています。僕自身はケガをしっかり治して、次戦に備えます」

アジアドリームカップ コメント

中村大輝(アジア・ドリーム・カップ 4位/優勝)
「バンピーな路面のインドネシアを走るのは2度目。昨年の感触を思い出し、確認しながら走行を開始しました。しかし、予選で転倒してしまい、さらに決勝日の朝の走行でも転倒してしまいました。レースウイークで2度も転倒したのは初めての経験で、レース1はプッシュしきれませんでした。最終ラップで攻めきれず4位。ですが、レース2では気持ちを切り替えて勝つことができました。残り2戦となり、チャンピオンとなるためにも、気を引き締めていきたいです」

渋田晨央(アジア・ドリーム・カップ 9位/12位)
「インドネシアは初めてのコースで、ギャップの多さに戸惑いながら走行が始まり、どう攻略するかを考えながらレースウイークを過ごしました。決勝ではトップグループに入れたのに、なにもできずに終わってしまいました。スキルアップのため、全日本ロードレース選手権のJP250クラスに参戦します。そこでしっかり走り、アジアロードレース選手権の次戦に備えます」

スーパースポーツ 600cc(レース1) リザルト
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム
131ゲリー・サリムHonda16 24'27.838
220ディマス・プラタマHonda1624'27.932
321ザクゥアン・ザイディHonda1624'28.161
471小山知良Honda1624'28.681
524D.クライサルトヤマハ1624'39.876
6100ティティポン・ワロコーンHonda16 24'40.101
 
777羽田太河Honda16 24'40.426
8 91 ジャクリット・サワンサワット Honda 16 24'42.398
9 34 岩田悟Honda16 24'42.455
1569シャンカール・サラト・クマールHonda16 25'59.146

スーパースポーツ 600cc(レース2) リザルト
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム
131ゲリー・サリムHonda1624'17.743
221ザクゥアン・ザイディHonda16 24'19.395
320ディマス・プラタマHonda16 24'19.593
471小山知良Honda16 24'19.704
533A.ユディスティラカワサキ16 24'19.990
677羽田太河Honda16 24'28.968
 
991ジャクリット・サワンサワットHonda16 24'31.096
10 34 岩田悟Honda16 24'33.415
1769シャンカール・サラト・クマールHonda16 25'48.046
DNF100ティティポン・ワロコーンHonda 5 7'42.574

アジア・ドリーム・カップ(レース1)
順位 No. ライダー 国・地域 周回数 タイム
15 マフド・フェブリアンシャー インドネシア1019'00.791
28ゾウシェン・ジュンジー中国10 19'00.812
31ハーフィズ・アズマンマレーシア10 19'00.860
42中村大輝日本10 19'00.944
59ヤッシン・ガブリエル・ソンマインドネシア10 19'00.985
613ココ・タダチフィリピン10 19'01.018
74ハリス・ファーハンマレーシア10 19'01.373
87ブロック・パーソンオーストラリア10 19'01.550
93渋田晨央日本10 19'02.009
106ウォラフォード・ニャンサクホンサクタイ10 19'02.154
1112シチポン・スリムーントリタイ10 19'02.188
1210ヤーデン・グナヴァデナスリランカ10 19'14.678
1314コーリー・ブリッファオーストラリア10 19'41.564
1416ユウ・ズージュン台湾10 19'46.964
DNF18セシュー・ラジブインド6 11'33.289
DNF15ブイ・デュイ・トンベトナム6 11'33.296
DNF11アザール・ヌールシンガポール2 3'51.633
DNF17ハリ・キシュナン・ラヤゴパランインド1 1'56.138

アジア・ドリーム・カップ(レース2)
順位 No. ライダー 国・地域 周回数 タイム
12中村大輝日本1019'21.083
28ゾウシェン・ジュンジー中国10 19'21.094
313ココ・タダチフィリピン10 19'21.375
41ハーフィズ・アズマンマレーシア10 19'21.381
59ヤッシン・ガブリエル・ソンマインドネシア10 19'21.576
64ハリス・ファーハンマレーシア10 19'21.599
77ブロック・パーソンオーストラリア10 19'21.882
85マフド・フェブリアンシャーインドネシア10 19'21.941
912シチポン・スリムーントリタイ10 19'22.269
1017ハリ・キシュナン・ラヤゴパランインド10 19'22.949
116ウォラフォード・ニャンサクホンサクタイ10 19'22.969
123渋田晨央日本10 19'26.049
1310ヤーデン・グナヴァデナスリランカ10 19'26.083
1411アザール・ヌールシンガポール10 19'43.405
1514コーリー・ブリッファオーストラリア10 19'52.480
1618セシュー・ラジブインド10 19'52.603
1716ユウ・ズージュン台湾10 20'09.621
DNS 15ブイ・デュイ・トンベトナム - -
ライダー(スーパースポーツ 600cc)
順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
1 21 ザクゥアン・ザイディ Honda131
2 71 小山知良 Honda131
3 1 高橋裕紀 Honda104
4 20 ディマス・プラタマ Honda99
5 31 ゲリー・サリム Honda94
6 25 A.シャー・カマルザマン カワサキ89
 
7 77 羽田太河 Honda62
11 59 ラタポン・ウィライロー Honda39
13 100 ティティポン・ワロコーン Honda34
15 91 ジャクリット・サワンサワット Honda26
- 17 34 岩田悟 Honda 13
26 69 シャンカール・サラト・クマール Honda1

ライダー(アジア・ドリーム・カップ)
順位 No. ライダー 国・地域 総合ポイント
- 1 2 中村大輝日本158
2 1 ハーフィズ・アズマンマレーシア95
3 5 マフド・フェブリアンシャーインドネシア89
4 7 ブロック・パーソンオーストラリア89
5 8 ゾウシェン・ジュンジー中国86
6 13 ココ・タダチフィリピン82.5
7 6 ウォラフォード・ニャンサクホンサクタイ61
8 9 ヤッシン・ガブリエル・ソンマインドネシア56
9 4 ハリス・ファーハンマレーシア53
10 12 シチポン・スリムーントリタイ51
11 17 ハリ・キシュナン・ラヤゴパランインド49
12 11 アザール・ヌールシンガポール38.5
- 13 15 ブイ・デュイ・トンベトナム29.5
14 10 ヤーデン・グナヴァデナスリランカ27
15 3 渋田晨央日本21
16 18 セシュー・ラジブインド20
- 17 14 コーリー・ブリッファオーストラリア19
18 113 片山千彩都日本15.5
- 19 16 ユウ・ズージュン台湾3

ゲリー・サリム(先頭)

ディマス・プラタマ(#20)

ザクゥアン・ザイディ(#21)、ディマス・プラタマ(#20)、ゲリー・サリム(#31)

(左から)ディマス・プラタマ、ゲリー・サリム、ザクゥアン・ザイディ

ゲリー・サリム(#31)

ゲリー・サリム(先頭)

(左から)ディマス・プラタマ、ゲリー・サリム、ザクゥアン・ザイディ

(先頭から)中村大輝、ハーフィズ・アズマン、ハリス・ファーハン

(左から)ゾウシェン・ジュンジー、マフド・フェブリアンシャー、ハーフィズ・アズマン

ゾウシェン・ジュンジー(#8)、マフド・フェブリアンシャー(#5)、ブロック・パーソン(#7)

(左から)ゾウシェン・ジュンジー、中村大輝、ココ・タダチ