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アジアロードレース選手権

round 05

SCHEDULE

October 2/3 2015, RACE Asia Road Racing Championship Qatar

カタールカタール

高橋裕紀がダブルウインでランキングトップの座をキープ
レース1は、2位にサワンサワットが入り、Hondaが1-2フィニッシュ
レース2では小山が3位表彰台を獲得

2015年10月2日(金)、3日(土)・決勝  会場:ロサイル・インターナショナル・サーキット(5.380km)
コースコンディション:ドライ

アジアロードレース選手権第5戦が、カタールのロサイル・インターナショナル・サーキットで開催。今回はナイトレースとして、10月2日にレース1、3日にレース2が行われました。厳しい暑さに加え、同地特有の細かい砂が路面を覆う難しいコンディションの中で、ライダーたちは、タイヤを選定し、マシンセッティングを進めました。

  • 高橋裕紀高橋裕紀
  • (左から)ジャクリット・サワンサワット、高橋裕紀(左から)ジャクリット・サワンサワット、高橋裕紀
  • 高橋裕紀高橋裕紀
  • 高橋裕紀(中央)、小山知良(右)高橋裕紀(中央)、小山知良(右)
  • 小山知良(#71)、羽田大河(#93)小山知良(#71)、羽田大河(#93)
  • ザクゥアン・ザイディザクゥアン・ザイディ
  • ザクゥアン・ザイディザクゥアン・ザイディ
  • (左から)中村大輝、ムクラダ・サラプーチ、仲村優佑(左から)中村大輝、ムクラダ・サラプーチ、仲村優佑
  • ナカリン・アティラプバパト(#41)、アピワット・ウォンタナノン(#24)(アジアプロダクション250cc)ナカリン・アティラプバパト(#41)、アピワット・ウォンタナノン(#24)(アジアプロダクション250cc)

予選は午後3時から始まり、気温45℃、路面温度は64℃という過酷なコンディションの中で行われ、高橋裕紀(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)がポールポジション(PP)を獲得しました。

レース1は午後8時5分スタート。スタートダッシュを決めたのは小山知良(T.Pro Yuzy Honda NTS)、高橋はスタートで遅れましたが、すぐさま上位陣へと迫ります。トップ争いは、小山、アハマド・ユディスティラ(カワサキ)、高橋の3名となり、その争いを羽田大河(T.Pro Yuzy Honda NTS)、ラタポン・ウィライロー(AP Honda Thailand)、ジャクリット・サワンサワット(AP Honda Thailand)らが追う展開となります。8ラップ目、トップ争いを展開する小山に羽田が接触し、激しく転倒してしまいます。この波乱により、大きくポジションが変動。高橋が首位に立ち、独走態勢を築いていきます。2番手はラタポンとサワンサワットで争われましたが、13ラップ目に2番手争いをしていたラタポンが痛恨の転倒。サワンサワットが2番手に上がり、そのままチェッカーとなりました。

翌日に開催されたレース2は午後10時30分から行われました。路面温度は32℃まで下がる中、スタートで飛び出したのは伊藤勇樹(ヤマハ)。高橋も好スタートを切り、ユディスティラも追いつき、トップ争いを展開します。ここから、高橋、ユディスティラが逃げ、一騎打ちの戦いとなります。セカンドグループでは小山、サワンサワット、ザクゥアン・ザイディ(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)、伊藤らが各コーナーで激しくポジションを入れ替えながら周回を重ねました。高橋はそのまま逃げて今大会のダブルウインを達成。2位にユディスティラ、僅差で3位争いを制したのは小山でした。

アジアドリームカップ(ADC)は、中村大輝がPPを獲得しましたが、レースは女性ライダーのムクラダ・サラプーチがダブルウインを達成。中村大輝は、2位と3位。仲村優祐が3位と2位と、日本人ライダーは2名とも両レースで表彰台に上がりました。最終戦はムクラダの故郷であるタイで行われ、タイトル決定戦として大きな注目が集まることになりそうです。

コメント

高橋裕紀(スーパースポーツ600cc 優勝/優勝)
「このコースを走るのは2年ぶりで、CBRで走るのは初めてでしたが、思っていたよりスムーズに乗ることができました。ナイトレースということで通常とは違う路面のため、タイヤ選択を悩んだくらいで、問題なく走ることができました。PPも取れましたし、それもソフトタイヤではなく、決勝用タイヤで出したタイムでした。決勝でも自分の走りができると思いましたし、その通りのレースができたと思います。残り1戦となり、チャンピオンについて聞かれますが、自分としては、これまで通りに一つひとつのレースを勝つという戦いがしたいと思っています」

小山知良(スーパースポーツ600cc DNF/3位)
「調子がよかったので、今度こそ優勝をと挑んだレース1でした。しかし、トップ争いをしていたときに後ろから追突されて転倒リタイア。マシンは全損し、さらには左肩を痛めてしまいました。レースなので仕方がないと気持ちを切り替えました。マシンは、スペアパーツを集めて、メカニックが直してレース2に間に合わせてくれ、僕の方は、痛み止めを飲んで、優勝だけを目指して走りました。激しい3位争いでしたが、表彰台に上がることができました。最終戦は、ぜひダブルウインを飾って終わりたいと思っています」

ムクラダ・サラプーチ(アジア・ドリーム・カップ 優勝/優勝)
「ダブルウインを飾ることができたうれしさを、どんなふうに話せばいいのか分かりません。両方のレースを勝つことができるとは思っていなかったのですが、メカニックはすばらしいマシンに仕上げてくれ、レースを優位に運ぶことができました。そして、激しいトップ争いで勝てるように、精一杯に走りました。まだ、大輝と優祐にもタイトルの可能性が残されていますが、最終戦は私の母国で行われます。チーム、スポンサー、家族、友人に喜んでもらうためにも最善を尽くしたいです。チャンピオンになるプレッシャーに打ち勝って、タイトルを獲得したいと思います」

中村大輝(アジア・ドリーム・カップ 2位/3位)
「路面温度が高く、練習走行から、タイムを出すのが難しかったです。予選では、まとめきれずにいましたが、トップタイムを記録できたと思ったら抜かれ、タイヤはきつかったのですが、もう一度アタックしてPPを取ることができました。決勝でも優勝を願っていたのですが、レース1はギリギリで抜かれてしまいました。レース2は、それを反省して臨んだのですが、僕が苦手としているブレーキポイントでパスされてしまいました。レースの組み立てをもっとしっかりと考えて最終戦に挑み、ダブルウインを達成したいです」

仲村優佑(アジア・ドリーム・カップ 3位/2位)
「予選でハイサイド転倒してしまい、タイムアップできずに5番手。フロントローに並ぶことができませんでした。少し首が痛かったのですが、マシンの方が心配で、レース1は、その確認をしながらのレースになりました。終盤には、いい感触で走れるようになったのですが、少し届かず……。レース2では、自分の走りができていたと思うのですが、読みが甘く、勝つことができませんでした。今回は、身体的に少し痛い部分もあったので、最終戦では体調を万全にして2つのレースを勝って終わりたいと思っています」

中野真矢(アジア・ドリーム・カップ トレーナー)
「大輝は立ち上がりスピードを乗せるのがうまいライダーで、このコースにあった走りができていたと思います。優祐は予選の転倒もあり、ナーバスになっていた部分があったかと思いますが、そこを気迫でカバーしようと、好感の持てる走りをしていました。しかし、ポイントリーダーのムクラダが練習走行から力強い走りを見せており、決勝でもその走りは変わりませんでした。ほかを一歩リードしていたように思います。最終戦はムクラダの母国で、だれもが優勝を目指す激しい戦いになりそうです」


決勝リザルト

スーパースポーツ 600cc(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
172高橋裕紀Honda1531'26.663
291ジャクリット・サワンサワットHonda15+6.983
333A.ユディスティラカワサキ15 +9.642
418稲垣誠ヤマハ15+10.027
51ザクゥアン・ザイディHonda15+10.096
620ディマス・プラタマHonda15+12.151
 
727アンディ・ファリド・イズディハルHonda15+15.599
1182スハタイ・チャンサップHonda15+36.065
1879ポンペーラ・カナハップHonda15+1'06.758
DNF59ラタポン・ウイライローHonda12+3Laps
DNF71小山知良Honda7+8Laps
DNF93羽田大河Honda7+8Laps
DNF86アクマル・ヒスヴァムHonda6+9Laps
スーパースポーツ 600cc(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
172高橋裕紀Honda1531'18.704
233A.ユディスティラカワサキ15+9.196
371小山知良Honda15+20.105
41ザクゥアン・ザイディHonda15+20.126
591ジャクリット・サワンサワットHonda15+20.245
676伊藤勇樹ヤマハ15+20.401
 
727アンディ・ファリド・イズディハルHonda15+23.440
1182スハタイ・チャンサップHonda15+02.220
1893羽田大河Honda15+1'08.890
1986アクマル・ヒスヴァムHonda15+1'51.162
2159ラタポン・ウイライローHonda14+1Lap
DNF20ディマス・プラタマHonda8+7Laps
DNF79ポンペーラ・カナハップHonda2+13Laps
アジア・ドリーム・カップ(レース1)
順位 No. ライダー 国・地域 周回数 タイム/差
118ムクラダ・サラプーチタイ717'57.761
21中村大輝日本7+0.058
37仲村優佑日本7+0.078
45ゾウシェン・ジュンジー中国7+0.298
56サラス・シャンカル・クマインド7+0.382
610フェブリアンシャーインドネシア7+3.068
79ヨガ・ディオ・シャクプトラインドネシア7+3.136
813ブロック・パーソンオーストラリア7+3.260
917ウォラフォード・ニャンサクホンサクタイ7+3.417
103ココ・タダチフィリピン7+9.209
114アルシャド・ルシュディ・シャハルムシンガポール7+9.228
1211ハスロイ・オスマンシンガポール7+27.356
138サイフル・アズハリーマレーシア7+27.419
1412ロバート・マシュー・ラモスフィリピン7+28.448
1516セシュー・ラジブインド7+40.821
1614ヤーデン・グナヴァデナスリランカ7+44.146
1719リー・イェン・チン台湾7+52.152
1820 アブドラ・ナエフ・アル・クバイシ カタール 7 +1'52.393
192ハーフィズ・アズマンマレーシア2+5Laps
2015ハリ・キシュナン・ラヤゴパランインド1+6Laps
アジア・ドリーム・カップ(レース2)
順位 No. ライダー 国・地域 周回数 タイム/差
118ムクラダ・サラプーチタイ717'54.554
27仲村優佑日本7+0.078
31中村大輝日本7+0.140
45ゾウシェン・ジュンジー中国7+0.221
52ハーフィズ・アズマンマレーシア7+0.694
69ヨガ・ディオ・シャクプトラインドネシア7+0.748
74アルシャド・ルシュディ・シャハルムシンガポール7+0.796
813ブロック・パーソンオーストラリア7+0.826
911ハスロイ・オスマンシンガポール7+1.059
103ココ・タダチフィリピン7+2.156
118サイフル・アズハリーマレーシア7+3.298
1217ウォラフォード・ニャンサクホンサクタイ7+3.363
1312ロバート・マシュー・ラモスフィリピン7+24.849
1416セシュー・ラジブインド7+28.570
1515ハリ・キシュナン・ラヤゴパランインド7+31.223
1619リー・イェン・チン台湾7+31.315
1710フェブリアンシャーインドネシア7+45.755
186サラス・シャンカル・クマインド7+58.767
1920アブドラ・ナエフ・アル・クバイシ カタール 7+1'19.098
DNF14ヤーデン・グナヴァデナスリランカ4+3Laps

ポイントスタンディング

ライダー(スーパースポーツ 600cc)
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1高橋裕紀Honda177
2小山知良Honda133
3A.ユディスティラカワサキ123
4伊藤勇樹ヤマハ101
5ディマス・プラタマHonda88
6芳賀紀行スズキ67
 
7ジャクリット・サワンサワットHonda66
8ラタポン・ウイライローHonda65
9ファドリ・イマムディンHonda63
12ザムリ・ババHonda45
14ザクゥアン・ザイディHonda42
16アンディ・ファリド・イズディハルHonda34
19スハタイ・チャンサップHonda30
20羽田大河Honda24
24大久保光Honda11
29ドヴィ・サトリアHonda4
31川口篤史Honda2
ライダー(アジア・ドリーム・カップ)
順位 ライダー 国・地域 総合ポイント
1ムクラダ・サラプーチタイ186.5
2中村大輝日本162.5
3仲村優佑日本154.5
4ヨガ・ディオ・シャクプトラインドネシア92.5
5ハーフィズ・アズマンマレーシア80
6ゾウシェン・ジュンジー中国73
7ウォラフォード・ニャンサクホンサクタイ71.5
8ココ・タダチフィリピン 69
9アルシャド・ルシュディ・シャハルムシンガポール67
10フェブリアンシャーインドネシア64.5
11ブロック・パーソンオーストラリア57
12サイフル・アズハリーマレーシア49
13ロバート・マシュー・ラモスフィリピン41
14サラス・シャンカル・クマインド39
15ハスロイ・オスマンシンガポール33
16ハリ・キシュナン・ラヤゴパランインド19
17リー・イェン・チン台湾7
18セシュー・ラジブインド7
19ヤーデン・グナヴァデナスリランカ6
20アブドラ・ナエフ・アル・クバイシカタール 0