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アジアロードレース選手権

round 04

SCHEDULE

August 29/30 2015, RACE Asia Road Racing Championship Thailand

タイタイ

高橋裕紀がダブルウインを果たす
レース1は2位にウイライロー、3位に小山知良でHonda勢が表彰台を独占
レース2は小山が2位となり、両レースで表彰台に登壇

2015年8月30日(日)・決勝  会場:チャーン・インターナショナル・サーキット  コースコンディション:ドライ

アジアロードレース選手権の第4戦が、タイのチャーン・インターナショナル・サーキットで行われました。ケガで療養中のザムリ・ババ(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)の代役として、ロードレース世界選手権のMoto2クラスに参戦していたザクゥアン・ザイディが、高橋裕紀のチームメートとして参戦しました。ザイディは前年度のチャンピオンです。家族のように慣れ親しんだチームに戻ったザイディも、彼を迎えるチームスタッフも、このジョイントを喜びました。

  • 高橋裕紀高橋裕紀
  • 高橋裕紀高橋裕紀
  • (左から)ラタポン・ウイライロー、高橋裕紀、小山知良(左から)ラタポン・ウイライロー、高橋裕紀、小山知良
  • 小山知良(#71)、高橋裕紀(#72)小山知良(#71)、高橋裕紀(#72)
  • 中村大輝(#1)中村大輝(#1)
  • (左から)中村大輝、ムクラダ・サラプーチ、ハーフィズ・アズマン(左から)中村大輝、ムクラダ・サラプーチ、ハーフィズ・アズマン
  • (左から)ウォラフォード・ニャンサクホンサク、中村大輝、ハーフィズ・アズマン(左から)ウォラフォード・ニャンサクホンサク、中村大輝、ハーフィズ・アズマン
  • アピワット・ウォンタナノン(#24)、ナカリン・アティラプバパト(#41)(アジアプロダクション250cc)アピワット・ウォンタナノン(#24)、ナカリン・アティラプバパト(#41)(アジアプロダクション250cc)
  • (左から)アピワット・ウォンタナノン、ナカリン・アティラプバパト(アジアプロダクション250cc)(左から)アピワット・ウォンタナノン、ナカリン・アティラプバパト(アジアプロダクション250cc)

レース熱の高いタイでは、日曜日にさまざまなイベントが開催されるため、今回はレース1を土曜日に、レース2を日曜日にという変則的なスケジュールが組まれました。

ポールポジション(PP)を獲得したのは高橋でした。レース1は曇り空の下でスタートが切られ、スタートダッシュを決めた高橋がトップをキープ。小山知良(T.Pro Yuzy Honda)が2番手につけ、2人が逃げ始めます。ラタポン・ウイライロー(A.P.Honda Thailand)がその2人を追い、セカンド集団から抜け出しました。

その後、高橋は逃げ続け、ウイライローが小山をかわして2番手に浮上。3番手の座は小山、アフマド・ユディスティラ(カワサキ)、ザイディ、伊藤勇樹(ヤマハ)で激しく争われ、そこから抜け出したのは小山でした。

最終的に優勝は高橋、2位にウイライロー、3位に小山が入りました。ザイディは7位でした。

レース2は晴天となり、気温も路面温度も上がっての戦いとなりました。ホールショットを奪ったのは小山で、それを、高橋と伊藤が追いかける展開に。2ラップ目に入ると、ウイライローが先頭に立ち、その後リードを広げていいきました。それを高橋が追い、小山、芳賀紀行(スズキ)、伊藤、ザイディが続きました。

5ラップ目、トップを走るウイライローがまさかの転倒。代わってトップに立ったのは高橋でした。、リードを広げ、ダブルウインとなるチェッカーをくぐりました。また、最終ラップまで続いた小山とユディスティラの2番手争いは、小山が制しました。羽田大河(T.Pro Yuzy Honda)が6位と健闘。ザイディは7位でチェッカーを受けました。

アジア・ドリーム・カップ(ADC)は、2014年のシーズンチャンピオンであるカイルール・イダム・パウィが、ロードレース世界選手権の第14戦アラゴンGPに、ワイルドカードで参戦することが発表されました。ADCのライダーたちにとっては、世界の舞台への道が開けることが証明されたうれしいニュースで、大きな励みとなりました。

PPは、初めて走るコースながら、果敢にトライした中村大輝が獲得しました。レース1は4台による激しいトップ争いとなり、女性ライダーであるムクラダ・サラプーチが僅差で優勝。タイ出身のサラプーチの勝利に、客席からは大きな歓声が上がりました。2位に中村大輝、3位にハーフィズ・アズマン、4位に仲村優佑が続きました。

レース2は、中村大輝が混戦から抜け出して会心の優勝。2位はホームグランプリとして迎えたウォラフォード・ニャンサクホンサクが表彰台に上がりました。3位にはアズマンが入り、2レース連続で表彰台を獲得しました。仲村優佑はトップ争いに加わるも、転倒に巻き込まれて16位でチェッカーを受けました。

コメント

高橋裕紀(スーパースポーツ600cc 優勝/優勝)
「3月にこの場所で行われたのレースで優勝しています。そのときにレイアウトがおもしろく、印象がとてもよかったので、自信を持って挑みました。3月のレースではピレリタイヤを装着していましたが、今回はダンロップだったため、セットアップを考え、レースウイークを通して詰めていきました。1レース目は、理想的なレース展開で優勝できました。2レース目は、無理をすれば、逃げたラタポン(ウイライロー)を追えました。ただ、路面温度が高かったため、リスクを冒すよりも、後半に勝負をしようと考えていたところ、彼が転倒してしまいました。残り2戦、チャンピオンを目指してはいますが、そのことを意識せず、一つひとつのレースを大事に戦っていきたいです」

小山知良(スーパースポーツ600cc 3位/2位)
「トップ争いはできているのですが、なかなか勝てないです。今回は優勝を目指していましたが届きませんでした。両レースともホールショットを奪い、いいペースで走れてはいたのですが。ガソリンに異物が入っていたようで、ポンプが詰まり、ストレートで伸びなかったです。レース2は、改善して挑んだのですが、芳賀選手とのバトルをしている間に、高橋選手が逃げてしまいました。それでも、両レースで表彰台に上がれたのでよかったです。今回は鈴鹿のレースで使用したエンジンをそのまま持ち込みましたが、次戦ではもう一度、しっかり見直して挑みたいです」

中村大輝(アジア・ドリーム・カップ 2位/優勝)
「初めてのサーキットですが、走り初めてすぐに、自分の得意なコースだと感じました。そのため、自信を持って走り、コースレコードを更新してポールポジションを獲得できました。レース1はトップ争いをしながらも勝つことができず、とても悔しかったです。勝ったムクラダ(サラプーチ)選手は、地元ということもあり、ものすごく盛り上がっていました。そのため、絶対に勝ちたいと思いました。レース2は、苦手部分の克服を目標に走りました。克服することができ、2位を引き離して勝てました。僕にとっては、とても大きな自信につながるレースになりました」

ムクラダ・サラプーチ(アジア・ドリーム・カップ 優勝/リタイア)
「家族や友人の前で勝てました。ここで優勝することは目標であり、それを達成できたことはとても誇らしく、信じられないほどうれしいです。レース序盤に、これまでにないほど積極的に攻め、ライバルを引き離したいと思いました。レースはとても激しく、優勝は難しいものでした。けれども、自分を信じ、努力が必ず報われると思い、最後まで走りました」

仲村優佑(アジア・ドリーム・カップ 4位/16位)
「セットアップに悩み、思うようにレースウイークを過ごせませんでした。両レースでトップ争いができたのですが、レース1は表彰台にも届かず、とても悔しかったです。レース2では、そんな思いをしないようにと思っていたのですが、転倒に巻き込まれてしまいました。再スタートはできましたが、残念な結果に終わりました。イコールコンディションで言い訳はできないので、次はしっかりセットアップを詰めて、残りのレースをすべて勝つつもりで走ります」

決勝リザルト

スーパースポーツ 600cc(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
172高橋裕紀Honda1626'43.824
259ラタポン・ウイライローHonda16+6.571
371小山知良Honda16+9.377
433A.ユディスティラカワサキ16+17.185
576伊藤勇樹ヤマハ16+17.218
630A.サムーンヤマハ16+17.730
 
71ザクゥアン・ザイディHonda16+18.086
920ディマス・プラタマHonda16+18.472
1127 アンディ・ファリド・イズディハル Honda16+20.581
1293羽田大河Honda16+23.524
1582スハタイ・チャンサップHonda16+37.526
1879ポンペーラ・カナハップHonda16 +41.606
DNF86アクマル・ヒスヴァムHonda12+4Laps
DNF91ジャクリット・サワンサワットHonda7+9Laps
スーパースポーツ 600cc(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
172高橋裕紀Honda1626'50.020
271小山知良Honda16+8.487
333A.ユディスティラカワサキ16+8.913
476伊藤勇樹ヤマハ16+9.537
527アンディ・ファリド・イズディハルHonda16+11.707
693羽田大河Honda16+13.991
 
71ザクゥアン・ザイディHonda16+14.236
1120ディマス・プラタマHonda16+15.700
1782スハタイ・チャンサップHonda16+35.323
2259ラタポン・ウイライローHonda16+58.284
2386アクマル・ヒスヴァムHonda16+1'29.170
DNF91ジャクリット・サワンサワットHonda11+5Laps
DNF79ポンペーラ・カナハップHonda0+16Laps
アジア・ドリーム・カップ(レース1)
順位 No. ライダー 国・地域 周回数 タイム/差
118ムクラダ・サラプーチタイ816'55.889
21中村大輝日本8+0.186
32ハーフィズ・アズマンマレーシア8+0.728
47仲村優佑日本8+0.775
59ヨガ・ディオ・シャクプトラインドネシア8+1.048
617ウォラフォード・ニャンサクホンサクタイ8+1.099
710フェブリアンシャーインドネシア8+1.303
83ココ・タダチフィリピン8+1.459
913ブロック・パーソンオーストラリア8+1.708
105ゾウシェン・ジュンジー中国8+2.068
114アルシャド・ルシュディ・シャハルムシンガポール8+5.037
1212ロバート・マシュー・ラモスフィリピン8+5.554
136サラス・シャンカル・クマインド8+5.573
148サイフル・アズハリーマレーシア8+12.991
1515ハリ・キシュナン・ラヤゴパランインド8+25.673
1611ハスロイ・オスマンシンガポール8+25.902
1716セシュー・ラジブインド8+26.414
1819リー・イェン・チン台湾8+26.473
アジア・ドリーム・カップ(レース2)
順位 No. ライダー 国・地域 周回数 タイム/差
11中村大輝日本816'54.874
217ウォラフォード・ニャンサクホンサクタイ8+1.441
32ハーフィズ・アズマンマレーシア8+1.791
49ヨガ・ディオ・シャクプトラインドネシア8+2.094
55ゾウシェン・ジュンジー中国8+2.696
66サラス・シャンカル・クマインド8+10.232
715ハリ・キシュナン・ラヤゴパランインド8+10.304
813ブロック・パーソンオーストラリア8+10.377
93ココ・タダチフィリピン8+10.268
104アルシャド・ルシュディ・シャハルムシンガポール8+10.796
118サイフル・アズハリーマレーシア8+12.850
1211ハスロイ・オスマンシンガポール8+20.915
1316セシュー・ラジブインド8+21.183
1419リー・イェン・チン台湾8+31.678
1512ロバート・マシュー・ラモスフィリピン8+32.303
167仲村優佑日本8+42.397
DNF18ムクラダ・サラプーチタイ7+1Lap
DNF10フェブリアンシャーインドネシア6+2Laps

ポイントスタンディング

ライダー(スーパースポーツ 600cc)
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1高橋裕紀Honda127
2小山知良Honda117
3伊藤勇樹ヤマハ91
4A.ユディスティラカワサキ87
5ディマス・プラタマHonda78
6ラタポン・ウイライローHonda65
 
7ファドリ・イマムディンHonda63
10ザムリ・ババHonda45
13ジャクリット・サワンサワットHonda35
16羽田大河Honda24
19スハタイ・チャンサップHonda20
20ザクゥアン・ザイディHonda18
21アンディ・ファリド・イズディハルHonda16
24大久保光Honda11
26ドヴィ・サトリアHonda4
29川口篤史Honda2
33ポンペーラ・カナハップHonda0
37アクマル・ヒスヴァムHonda0
ライダー(アジア・ドリーム・カップ)
順位 ライダー 国・地域 総合ポイント
1ムクラダ・サラプーチタイ136.5
2中村大輝日本126.5
3仲村優佑日本118.5
4ヨガ・ディオ・シャクプトラインドネシア73.5
5ハーフィズ・アズマンマレーシア69
6ウォラフォード・ニャンサクホンサクタイ60.5
7ココ・タダチフィリピン57
8フェブリアンシャーインドネシア54.5
9アルシャド・ルシュディ・シャハルムシンガポール53
10ゾウシェン・ジュンジー中国47
11サイフル・アズハリーマレーシア41
12ブロック・パーソンオーストラリア41
13ロバート・マシュー・ラモスフィリピン36
14サラス・シャンカル・クマインド28
15ハスロイ・オスマンシンガポール22
16ハリ・キシュナン・ラヤゴパランインド18
17リー・イェン・チン台湾7
18ヤーデン・グナヴァデナスリランカ6
19セシュー・ラジブインド4