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アジアロードレース選手権

round 02

SCHEDULE

June 7 2015, RACE Asia Road Racing Championship Indonesia

インドネシアインドネシア

イマムディンがレース1で2位獲得。レース2では、Hondaマシンが表彰台を独占

2015年6月7日(日)・決勝  会場:セントゥール・インターナショナル・サーキット(3.964km)  

アジアロードレース選手権の第2戦が、インドネシアのセントゥール・インターナショナル・サーキットで行われました。予選でポールポジション(PP)を獲得したのはザムリ・ババ(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)で、「最終ラップにプラタマのスリップに入ることができ、幸運にもタイムアップに成功した。決勝は混戦になると思うが、早めに抜け出したい」と語りました。2番手にはファドリ・イマムディン(Astra Honda Racing Team)、高橋裕紀(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)は4番手で、2列目からのスタートとなりました。

  • ファドリ・イマムディン(#43)、ラタポン・ウイライロー(#59)ファドリ・イマムディン(#43)、ラタポン・ウイライロー(#59)
  • ファドリ・イマムディン(#43)ファドリ・イマムディン(#43)
  • ファドリ・イマムディン(左)ファドリ・イマムディン(左)
  • ラタポン・ウイライローラタポン・ウイライロー
  • 高橋裕紀高橋裕紀
  • 仲村優佑(#7)、ムクラダ・サラプーチ(#18)仲村優佑(#7)、ムクラダ・サラプーチ(#18)
  • ムクラダ・サラプーチムクラダ・サラプーチ

決勝は晴天に恵まれ、レース1が行われる午前10時には気温が30℃を超えました。スタートダッシュで飛び出したディマス・プラタマ(Astra Honda Racing Team)とババ、アフマド・ユディスティラ(カワサキ)、イマムディンの4台がトップ争いを形成し、激しいバトルを展開しながら、周回を重ねました。

3ラップ目、ユディスティラが首位を奪い、ファドリが追撃する展開。それをババとプラタマが追います。しかし、5ラップ目の9コーナーでババが転倒、それにプラタマが巻き込まれて赤旗中断となります。ババは病院に運ばれ、プラタマは手の痛みを訴えたため、再開された6ラップのレース出場をあきらめることになりました。

再開されたレースはユディスティラとイマムディンの一騎打ちとなり、各コーナーでポジションを入れ替える激しい争いとなりました。最終ラップの攻防を制したのはユディスティラで、ファドリは2位フィニッシュ。3位に伊藤勇樹(ヤマハ)、4位にはラタポン・ウィライロー(AP Honda RacingYhailand)、6位に小山知良(T.Pro Yuzy Honda NTS)、7位にはジャクリット・サワンサワット(AP Honda Racing Thailand)で、高橋は11位となりました。

2レース目は雲が出たことで気温が少し下がりましたが、暑さは変わらず。ホールショットを奪ったのはイマムディン、それを追ってプラタマとウィライローが続きます。イマムディンはそのまま逃げきって優勝を飾り、僅差でプラタマが2位。3位にウィライローが入り、Hondaマシンが表彰台を独占しました。さらに4位に高橋、5位に小山、6位にサワンサワットで、トップ6までをHonda勢が占めました。このレース後、ウイニングランでファンの声援に応えていたイマムディンにサワンサワットが追突するアクシデントが起き、2人は病院に運ばれました。

アジアドリームカップのPPは、このシリーズ唯一の女性ライダーであるムクラダ・サラプーチが獲得。2013年の尾野弘樹のレコードを更新しました。

レース1は7台によるトップ争いとなり、最終ラップの攻防から中村大輝が転倒。ムクラダが仲村優佑の戦いを0.019秒差で制して今季2勝目を挙げました。2位に優佑、3位にハーフィズ・アズマンが入りました。2レース目も接戦となり、今度は0.008秒差で仲村優佑が競り勝って初優勝。2番手にサラプーチ、3位には中村大輝が続きました。

コメント

高橋裕紀(スーパースポーツ600cc 11位/4位)
「インドネシアのコースを走るのは初めてでしたが、参戦前からバンピーかつスリッピーで、攻略が難しいサーキットだと聞いていたので、覚悟して向かいました。しかし、想像以上に難しくて苦心しましたが、なかなか思うようにいかないレースウイークになりました。それでも、両レースを走りきり、ポイントを取ることができました。残りのラウンドは、コースを知っているサーキットが続くので、しっかりと戦ってタイトルを狙っていきます。今回はアクシデントが多く、ケガをしてしまったライダーがいますが、彼らの回復を願っています。チームメートのババは、闘志あふれるライダーなので、絶対にケガを克服してくれると信じています」

玉田誠(アドバイザー)
「今季からアドバイザーとしてアジアロードレース選手権に来ています。今回のアクシデントでケガをしたザムリ・ババは、昨年の鈴鹿8時間耐久ロードレースで、僕が監督をやらせてもらったときに、ライダーとして走ってもらいました。ディマス・プラタマも一緒に戦いました。2人は、お互いにライダーとして尊敬しあい協力した仲間ですので、とても心を痛めています。ディマスもアクシデントに関わったことで、とてもショックを受けているようです。しかし、これはだれが悪いというわけではないレーシングアクシデントです。なにより、ババが病院に運ばれ重傷と聞き、とても心配しています。今は回復を祈るだけです。彼はガッツあふれるライダーなので、ケガには絶対に負けないと思います。元気になって、また一緒にレースができると信じて待っています」

ムクラダ・サラプーチ(アジア・ドリーム・カップ 優勝/2位)
「仲村選手との最終ラップの戦いになりました。勝つために冷静な判断が必要だと思いがんばりましたが、レース1ではうまくいき、レース2ではわずかに届きませんでした。それでも、昨年まではできなかったトップ争いができるようになり、とてもうれしく思っています。これもタイホンダのおかげです。本当に感謝しています」

仲村優佑(アジア・ドリーム・カップ 2位/優勝)
「レース1の組み立てはよく、勝てそうだと感じていたのですが、最終コーナーの転倒の影響で2位になってしまいました。とても悔しかったので、レース2では絶対に勝たなければとグリッドに着きました。レース1と同じくムクラダ選手との戦いになりましたが、勝つことができてよかったです。次戦は日本なので、両方勝てるようにがんばりたいと思います」

中村大輝(アジア・ドリーム・カップ リタイア/3位)
「日本のサーキットに比べて、インドネシアはバンピーで、攻めるのが難しいと感じました。2回目のフリー走行ではトップタイムを記録できて、PPを狙えると思っていたのですが、集団の中でうまくタイムアップできずに予選3番手と悔しい結果になりました。でも、大事なのは決勝なので、優勝を目指して挑み、最終ラップを1番手で通過。最終コーナーもトップだったのですが、ハイサイドで転倒してしまいました。ケガは打撲程度です。2レース目は1レース目の反省を生かし、考えて走ったのですが、終盤に順位を下げ過ぎてしまい、3位でした。とても悔しいので、次の日本では優勝できるようにがんばります」

中野真矢(アジア・ドリーム・カップ トレーナー)
「今回は、ライダーたちもドリームカップに慣れてきたので、予選からタイムアップを意識するように伝えました。決勝も激しいバトルになりましたが、その中で、学んでくれたと思います。卒業生の尾野弘樹選手はMoto3で、カイルール選手はCEVで活躍していることも大きな刺激となり、レベルアップできていると思います」

決勝リザルト

スーパースポーツ 600cc(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
133A.ユディスティラカワサキ1015'37,249
243ファドリ・イマムディンHonda10+0.081
376伊藤勇樹ヤマハ10+0.549
459ラタポン・ウイライローHonda10+1.637
525R.T.スシプトスズキ10+2.650
671小山知良Honda10+2.727
 
791ジャクリット・サワンサワットHonda10+5.585
1172高橋裕紀Honda10+6.983
1382スハタイ・チャンサップHonda10+11.686
1693羽田大河Honda10+14.826
2079ポンペーラ・カナハップHonda10+23.517
2286アクマル・ヒスヴァムHonda10+45.472
RT52ザムリ・ババHonda4+6Laps
RT20ディマス・プラタマHonda4+6Laps
RT81 ドヴィ・サトリアHonda1+9Laps
スーパースポーツ 600cc(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
143ファドリ・イマムディンHonda1624'13.166
220ディマス・プラタマHonda16+0.798
359ラタポン・ウイライローHonda16+1.556
472高橋裕紀Honda16+2.195
571小山知良Honda16+4.070
691ジャクリット・サワンサワットHonda16+4.121
 
1182スハタイ・チャンサップHonda16+19.148
1293ドヴィ・サトリアHonda16+19.756
1493羽田大河Honda15+1Lap
1779ポンペーラ・カナハップHonda15+1Lap
2386アクマル・ヒスヴァムHonda15+1Lap
RT52ザムリ・ババHonda0+16Laps
アジア・ドリーム・カップ(レース1)
順位 No. ライダー 国・地域 周回数 タイム/差
118ムクラダ・サラプーチタイ1018'59.063
27仲村優佑日本10+0.019
32ハーフィズ・アズマンマレーシア10+0.283
49ヨガ・ディオ・シャクプトラインドネシア10+0.304
54アルシャド・ルシュディ・シャハルムシンガポール10+0.366
617ウォラフォード・ニャンサクホンサクタイ10+3.578
78サイフル・アズハリーマレーシア10+4.788
810フェブリアンシャーインドネシア10+4.811
95ゾウシェン・ジュンジー中国10+12.585
1013ブロック・パーソンオーストラリア10+14.104
1111ハスロイ・オスマンシンガポール10+14.133
1212ロバート・マシュー・ラモスフィリピン10+23.333
136サラス・シャンカル・クマインド10+23.768
1419リー・イェン・チン台湾10+39.639
1516セシュー・ラジブインド10+39.671
RT1中村大輝日本9+1Lap
RT3ココ・タダチフィリピン9+1Lap
RT14ヤーデン・グナヴァデナスリランカ6+4Laps
RT15ハリ・キシュナン・ラヤゴパランインド1+9Laps
アジア・ドリーム・カップ(レース2)
順位 No. ライダー 国・地域 周回数 タイム/差
17仲村優佑日本1019'04.711
218ムクラダ・サラプーチタイ10+0.008
31中村大輝日本10+0.125
410フェブリアンシャーインドネシア10+0.230
59ヨガ・ディオ・シャクプトラインドネシア10+0.299
68サイフル・アズハリーマレーシア10+0.384
73ココ・タダチフィリピン10+0.630
82ハーフィズ・アズマンマレーシア10+0.847
94アルシャド・ルシュディ・シャハルムシンガポール10+1.214
105ゾウシェン・ジュンジー中国10+1.827
1111ハスロイ・オスマンシンガポール10+13.735
126サラス・シャンカル・クマインド10+13.771
1313ブロック・パーソンオーストラリア10+16.614
1412ロバート・マシュー・ラモスフィリピン10+16.618
1515ハリ・キシュナン・ラヤゴパランインド10+24.896
1619リー・イェン・チン台湾10+42.902
1714ヤーデン・グナヴァデナスリランカ10+54.539
RT17ウォラフォード・ニャンサクホンサクタイ8+2Laps
RT16セシュー・ラジブインド1+9Laps

ポイントスタンディング

ライダー(スーパースポーツ 600cc)
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1ファドリ・イマムディンHonda63
2高橋裕紀Honda52
3ザムリ・ババHonda45
4A.ユディスティラカワサキ45
5ラタポン・ウイライローHonda45
6ディマス・プラタマHonda44
 
7小山知良Honda41
8ジャクリット・サワンサワットHonda35
16スハタイ・チャンサップHonda14
17羽田大河Honda10
27ポンペーラ・カナハップHonda0
28アクマル・ヒスヴァムHonda0
ライダー(アジア・ドリーム・カップ)
順位 ライダー 国・地域 総合ポイント
1ムクラダ・サラプーチタイ86
2仲村優佑日本85
3中村大輝日本57
4ヨガ・ディオ・シャクプトラインドネシア41
5ハーフィズ・アズマンマレーシア37
6ココ・タダチフィリピン32
7フェブリアンシャーインドネシア32
8アルシャド・ルシュディ・シャハルムシンガポール29
9サイフル・アズハリーマレーシア27
10ウォラフォード・ニャンサクホンサクタイ26
11ゾウシェン・ジュンジー中国25
12ロバート・マシュー・ラモスフィリピン22
13ハスロイ・オスマンシンガポール18
14サラス・シャンカル・クマインド15
15ブロック・パーソンオーストラリア14
16ハリ・キシュナン・ラヤゴパランインド7
17ヤーデン・グナヴァデナスリランカ3
18リー・イェン・チン台湾3
19セシュー・ラジブインド1