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アジアロードレース選手権

round 05

SCHEDULE

December 14 2014All Asia Road Racing Championship Qatar

カタールカタール

ザクゥアン・ザイディが2位/優勝。大逆転でSS600チャンピオン獲得
ザムリ・ババは優勝/3位でランキング4位、玉田誠はランキング6位

2014年12月14日(日)・決勝  会場:ロサイルサーキット  天候:晴れ  コースコンディション:ドライ

アジアロードレース選手権の最終戦は、カタールのロサイルサーキットにおいて、ナイトレースで開催されました。スーパースポーツ 600ccはランキングトップの藤原克昭(カワサキ)を7ポイント差で伊藤勇樹(ヤマハ)が追う状況で、2人の一騎打ちと目されていました。ランキングは以下、3位がザクゥアン・ザイディ(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)、4位が玉田誠(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)、5位が小山知良(T.Pro Yuzy Honda)、6位がザムリ・ババ(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)となっており、ここまでがタイトルの可能性を残していました。

  • ザクゥアン・ザイディ(中央)ザクゥアン・ザイディ(中央)
  • ザクゥアン・ザイディザクゥアン・ザイディ
  • MuSASHi Boon Siew Honda RacingMuSASHi Boon Siew Honda Racing
  • ザムリ・ババザムリ・ババ
  • 玉田誠玉田誠
  • (左から)アディティア・パンゲストゥ、カイルール・イダム・パウィ、名越哲平(左から)アディティア・パンゲストゥ、カイルール・イダム・パウィ、名越哲平
  • カイルール・イダム・パウィカイルール・イダム・パウィ

ポールポジション(PP)は稲垣誠(ヤマハ)が獲得。2分4秒646でレコードを更新しました。2番手には伊藤、3番手にババ、4番手にザイディと続き、玉田は7番手から決勝に挑みました。

レース1は午後6時過ぎ、15周の戦いがスタートしました。ホールショットは伊藤。それに稲垣、ザイディ、ババ、H.A・ユディスティラ(カワサキ)、藤原が続きました。レースは11台によって激しいトップ争いが展開され、ウイナーとなったのはババでした。2位にザイディが入り、伊藤が7位、藤原が12位でチェッカーを受けたことで、ザイディがタイトルを獲得する可能性が高まりました。

レース2のスタートは午後10時過ぎ。レース1に比べて、気温が大きく下がった状況での戦いでした。スタートでは伊藤が飛び出し、稲垣、ザイディ、ババ、ユディスティラと続きました。そしてトップ争いは、ババまでの4台で争われることに。一方で5番手を争ったのは、藤原を含む7台でした。

トップ集団では、ジャンプスタートと判断された稲垣にペナルティーが科せられ、トップ争いは伊藤、ザイディ、ババの3台に絞られました。やがて、ザイディが先頭に立ち、以降を快走します。伊藤はザイディを捕らえようとアクセルを開けますが、反対にババにマークされ、激しい攻防が繰り返されます。結果、ザイディがトップでチェッカーを受け、ライダーズタイトルの獲得を決めました。ほとんど並んでコントロールラインを通過した伊藤とババは、0.022差で伊藤に軍配。3位がババとなりました。

チャンピオンのザイディと、2位の伊藤との差はわずか1ポイント。ザイディは大逆転でのタイトル獲得となりました。そして、同時にチームタイトルも獲得しました。

2012年の清成龍一、13年のアズラン・シャー・カマルザマンに続き、ザイディがチャンピオンとなったことで、3年続でHonda勢が王座に就きました。ザイディのタイトルをサポートしたババは4位に浮上。玉田は10位/8位でチェッカーを受け、6位となりました。

また、アジアドリームカップは、すでにカイルール・イダム・パウィがタイトルを決めていたため、ランキング2位の座を狙うライダーたちによって、熱い戦いが繰り広げられました。PPはパウィが獲得。日本勢は5番手に名越哲平、6番手に黒木玲徳、8番手に森俊也がつけました。

レースはパウィがダブルウインを達成。シリーズ9勝を挙げ、チャンピオンの実力を示しました。初のナイトレースに挑んだ名越は、レース1でハイサイドからのオーバーランを喫してポジションを落としましたが、ばん回して3位表彰台を獲得しました。続くレース2では、一時はトップに立つも、ラスト4ラップで転倒。ポイントを得られず、ランキング3位で終えました。森はレース1でトップ争いに加わるも、7位でフィニッシュ。レース2では、スタートでのミスにより最後尾からの戦いとなりながら、最後はトップ集団に加わって3位表彰台を獲得し、ランキング4位となりました。黒木は10位/6位となり、ランキング7位でシーズンを終えました。

コメント

ザクゥアン・ザイディ(スーパースポーツ 600cc 2位/優勝)
「チャンピオンになることは夢で、そのためにすべてをかけてきました。その夢が現実となり、とても特別で最高の気分です。母国にタイトルを持ち帰ることは、最高に幸せなことです。チャンピオンを決めたレースで、ザムリ(ババ)が僕を助けてくれました。ライバルを捕まえ、僕の後ろで守ってくれました。そのおかげで勝つことができました。タイトルの獲得に、ザムリはとても重要な働きをしてくれました。今シーズン、チームやスポンサー、家族、友人は、私に希望を与えてくれました。信頼し、支えてくれたことに深く感謝しています。ありがとうございました」

玉田誠(スーパースポーツ 600cc 10位/8位)
「シーズンを通して悩んでいたスピードの問題を解決するために、体重を60sまで落として挑みましたが、それでも、体重差が10s近くあるライバルたちとの差は埋められませんでした。カタールのサーキットの特性もありますが、結果を残せませんでした。それでも、ザクヮン(ザイディ)がタイトルを獲得できてよかったです。Hondaから求められた『若手育成して欲しい』という部分は達成できたと思っています。一年間、声援を送ってくださったファン、支えてくれたスタッフに感謝しています。来季も、アジアのライダーたちが夢に向かってがんばっていけるように、努力したいです」

カイルール・イダム・パウィ(アジア・ドリーム・カップ 優勝/優勝)
「寒さと風が強い中でポールポジションを獲得でき、自身の成長が感じられました。ダブルウインでシーズンを締めくくりたかったですが、ライバルたちの速さを知っているので、簡単ではないと思っていました。ですので、激しくプッシュすることで、勝てたと思っています」

名越鉄平(アジア・ドリーム・カップ 3位/リタイア)
「トップのカイルール(イダム・パウィ)選手との技術の差を強く感じました。自分が大きく成長できた部分もありますが、足りない部分がはっきりと見えたことで、技術面も精神面も、さらに成長できると確信しました。より一層努力し、もっともっと速くなりたいと思いました。このような環境で走れたこと、たくさんの人に支えられ、応援をいただいたこと、本当に感謝してもしきれません。皆さんの期待を裏切らないように、感謝の気持ちを忘れずに、努力に努力を重ね、成長し続けたいです。本当にありがとうございました」

森俊也(アジア・ドリーム・カップ 7位/3位)
「初めてのナイトレースだったカタールは、バンク角が分からず目印もなく、攻略するのに時間がかかってしまいました。決勝は優勝だけを考えて走りましたが、勝てませんでした。今年は自分の思い通りのレースができず、悔しい結果となってしまいましたが、Hondaのスタッフやスポンサーの方々の応援のおかげで戦い抜けました。感謝しています。本当にありがとうございました」

黒木玲徳(アジア・ドリーム・カップ 10位/6位)
「練習のたびに思い通りにペースを上げられ、フィーリングはよかったのですが、結果は2レースともにコースアウトを喫してしまい、追いかける形となりました。そして今回をもって、自分の2年間のアジア・ドリーム・カップが終了しました。結果を残したかったです。自分の弱点は、練習から予選、レースと、全セッションの序盤から、最高のテンションに持っていけないところです。本当に悔しいです。応援、サポートしてくださった皆さまに申し訳ない気持ちでいっぱいです。しかし、成長できたのもここまで来られたのも、2年間アジア・ドリーム・カップでメカをしてくださったY2Sの小方さん、そして支えてくれた両親、チャンスをくださったHondaスタッフの方々のおかげです。本当にありがとうございました。これからも全力で走っていきたいです」

決勝リザルト

スーパースポーツ 600cc(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
152ザムリ・ババHonda 15 31'37.305
221ザクゥアン・ザイディHonda 15 +0.066
333H.A.ユディスティラカワサキ15 +0.224
471小山知良Honda15 +0.377
559ラタポン・ウイライローHonda15 +0.882
634岩田悟Honda15 +1.700
 
991ジャクリット・サワンサワットHonda15 +4.447
10100玉田誠Honda15 +4.548
11 11 ティティポン・ワロコーンHonda15 +5.983
1382スハタイ・チャンサップHonda15 +15.710
16 88 イェスコ・ラフィンHonda15 +29.817
17162ファディル・イマムディンHonda15 +30.122
RT24 ピラワット・ウォンタナノン Honda4 +11Laps
RT20ディマス・プラタマHonda3 +12Laps
スーパースポーツ 600cc(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
121ザクゥアン・ザイディHonda15 31'24.717
276伊藤勇樹ヤマハ15 +0.380
352ザムリ・ババHonda15 +0.402
471小山知良Honda15 +3.637
533H.A.ユディスティラカワサキ15 +3.717
659ラタポン・ウイライローHonda15 +3.899
 
711 ティティポン・ワロコーンHonda15 +3.938
8100玉田誠Honda15 +5.668
991ジャクリット・サワンサワットHonda15 +5.813
1020ディマス・プラタマHonda15 +19.423
1134岩田悟Honda15 +19.638
1282スハタイ・チャンサップHonda15 +24.269
1524 ピラワット・ウォンタナノンHonda15 +38.257
18 162 ファディル・イマムディンHonda15 +38.492
19 88 イェスコ・ラフィンHonda15 +51.611
アジア・ドリーム・カップ(レース1)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11カイルール・イダム・パウィHonda7 17'53.697
211アディティア・パンゲストゥHonda7 +9.805
35名越哲平Honda7 +9.839
48チュアン・アンユーHonda7 +9.850
57ハリス・ファーハン・バハリンHonda7 +9.891
63スミト・ルークス・トッポHonda7 +9.906
76森俊也Honda7 +9.949
84アンディ・ファリド・イズディハールHonda7 +9.960
912サラス・シャンカル・クマHonda7 +9.967
102黒木玲徳Honda7 +10.292
119アルナギリ・プラブHonda7 +30.431
1213ココ・タダチHonda7 +30.432
1318パサウィト・ティティバララクHonda7 +41.817
1414アルシャド・ルシュディ・シャハルムHonda7 +41.844
1517キアディサック・チャウイセットHonda7 +51.926
1615シュール・アーヴィン・ダニエルHonda7 +1'08.769
1716リー・イェン・チンHonda7 +1'09.222
アジア・ドリーム・カップ(レース2)
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11カイルール・イダム・パウィHonda7 17'56.280
212サラス・シャンカル・クマHonda7 +2.386
36森俊也Honda7 +2.420
411アディティア・パンゲストゥHonda7 +2.478
57ハリス・ファーハン・バハリンHonda7 +5.988
62黒木玲徳Honda7 +6.974
713ココ・タダチHonda7 +13.132
89アルナギリ・プラブHonda7 +14.571
918パサウィト・ティティバララクHonda7 +29.179
103スミト・ルークス・トッポHonda7 +52.999
1114アルシャド・ルシュディ・シャハルムHonda7 +54.352
1215シュール・アーヴィン・ダニエルHonda7 +55.242
1317キアディサック・チャウイセットHonda7 +55.271
1416リー・イェン・チンHonda7 +56.071
RT5名越哲平Honda4+3Laps
RT8チュアン・アンユーHonda4+3Laps
RT4アンディ・ファリド・イズディハールHonda4+3Laps

ポイントスタンディング

ライダー(スーパースポーツ 600cc)
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1ザクゥアン・ザイディHonda170
2伊藤勇樹ヤマハ169
3藤原克昭カワサキ155
4ザムリ・ババHonda151
5小山知良Honda144
6玉田誠Honda136
 
8ジャクリット・サワンサワットHonda97
9ディマス・プラタマHonda95
10ラタポン・ウイライローHonda84
11岩田悟Honda62
12ファディル・イマムディンHonda51
14スハタイ・チャンサップHonda32
16 ピラワット・ウォンタナノン Honda22
23デニー・トリユゴ・ラクソノHonda11
28ドゥイ・サトリアHonda5
32フィトル・アシュラフ・ラザリHonda2
33田尻克行Honda2
34アヌチャー・ナクチャロエンスリHonda1
35ナカリン・アティラプバパトHonda1
36イェスコ・ラフィンHonda 1
39西山尚吾Honda0
ライダー(アジア・ドリーム・カップ)
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1カイルール・イダム・パウィHonda285
2アディティア・パンゲストゥHonda179
3名越哲平Honda175
4森俊也Honda143
5チュアン・アンユーHonda130
6アンディ・ファリド・イズディハールHonda104
7黒木玲徳Honda91
8スミト・ルークス・トッポHonda89
9サラス・シャンカル・クマHonda89
10ハリス・ファーハン・バハリンHonda78
11ココ・タダチHonda66
12パサウィト・ティティバララクHonda49
13キアディサック・チャウイセットHonda46
14シュール・アーヴィン・ダニエルHonda42
15アルシャド・ルシュディ・シャハルムHonda32
16リー・イェン・チンHonda27
17アルナギリ・プラブHonda27
18ラクラン・カヴニーHonda5