ザクゥアン・ザイディが王者となり、Hondaマシンがシリーズ3連覇
CBR600RRは12レース中7勝を挙げる
2014年のアジアロードレース選手権(ARRC)のスーパースポーツ600ccクラス(SS600クラス)は、MuSASHi Boon Siew Honda Racingのザクゥアン・ザイディが年間2勝を含む、5度の表彰台登壇を果たしてチャンピオンに輝きました。また、チームメートのザムリ・ババが4位、日本人ライダーの小山知良(T.Pro Yuzy Honda)と玉田誠(MuSASHi Boon Siew Honda Racing)は、それぞれ5位と6位で終えました。
アジアから世界を目指す有望なライダーが集まるこのシリーズ。開幕戦マレーシア大会のSS600クラスには、5カ国から24人のライダーが集まり、ここで輝きをみせたのは、地元ライダーのババでした。予選2番手のババは、レース1で藤原克昭(カワサキ)との激闘の末に勝利。レース2でも藤原とのトップ争いを制し、マレーシア人として初めて、ホームコースのセパンでダブルウインを達成しました。
続く第2戦インドネシア大会では、同国出身のファディル・イマムディン(T.Pro Yuzy Honda)が、レース1で勝利を挙げて会場を沸かせると、レース2ではザイディが勝利し、4レース連続でHonda勢が優勝しました。
大分県・オートポリスで行われた第3戦日本大会では、日本人ライダーが奮起します。かつてMotoGPやスーパーバイク世界選手権で活躍し、13年からARRCを主戦場とする玉田がレース2で勝利。また2位にババ、3位にジャクリット・サワンサワット(AP Honda Thailand)が入り、Honda勢が表彰台を独占しました。
第4戦以降は、ライバル勢に勝利をさらわれる状況が続きますが、そんな中でも、着実にポイントを重ねていたのがザイディでした。ザイディは第4戦日本大会(鈴鹿サーキット)を4位/6位で入賞。第5戦タイ大会では2位/3位となり、優勝は1度きりながら、最終戦を残して、藤原と伊藤勇樹(ヤマハ)に次ぐランキング3位につけていました。
とはいえ、藤原とのポイント差は22点。2レースで最大50ポイントが得られるものの、自力でのタイトル獲得の可能性は消滅していました。そうして迎えた最終戦カタール大会。ザイディはレース1で2位に入り、新たにポイントリーダーとなった伊藤との差を7点に。そしてレース2では、伊藤に0.38秒差をつけて優勝。結果、1ポイント差で逆転し、チャンピオンに輝きました。なお、レース1ではババが優勝、小山が4位に入るなど、ザイディ以外のHonda勢も躍動。ライバルの大量加点を阻み、ザイディのタイトル獲得を後押ししました。
また、育成カテゴリーのアジア・ドリーム・カップでは、前年ランキング4位のカイルール・イダム・パウィが、12レースで9勝を挙げる圧倒的な強さでタイトルを獲得しました。