round 01

April 21 2013 Asia Road Racing Championship Malaysia マレーシア

SCHEDULE

アズランがレース1で優勝、玉田誠はレース2で3位表彰台登壇 アジア・ドリーム・カップは尾野がダブルウイン

2013年4月21日(日)・決勝  会場:セパン・インターナショナル・サーキット(北コース)
コースコンディション:ドライ

18シーズン目を迎えるアジアロードレース選手権(ARRC)が、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで開幕を迎えました。最高峰のスーパースポーツ600ccクラスでは、昨年チャンピオンとなった清成龍一が、今年は英国スーパーバイク選手権に参戦することになり、ゼッケン1が不在となります。代わって、MuSASHi Boon Siew Honda Racingから参戦するのは、MotoGPやスーパーバイク世界選手権で活躍した玉田誠です。

  • アズラン・シャー・カマルザマンアズラン・シャー・カマルザマン
  • アズラン・シャー・カマルザマンアズラン・シャー・カマルザマン
  • アズラン・シャー・カマルザマンアズラン・シャー・カマルザマン
  • 玉田誠玉田誠
  • 玉田誠玉田誠
  • 小林竜太
小林龍太
  • 尾野弘樹(#1)尾野弘樹(#1)

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4年ぶりにフル参戦を開始する玉田の加入は、ARRCの中でもビッグニュースとして扱われ、多くの取材陣の対応に追われることになりました。清成のチームメートとして活躍したアズラン・シャ−・カマルザマンは、昨年に引き続き、MuSASHi Boon Siew Honda Racingから参戦し、今年こそタイトル獲得を誓います。さらに、MuSASHi Boon Siew Honda Racing Malaysiaからは、2年目となるザクゥアン・ザイディが参戦。今年からフル参戦を開始する小林龍太をチームメートに迎えました。また、新たにデビューするNTS JAPAN T.Pro. Innovationは、手島雄介監督のもとで、2012年のMoto2ライダーの小山知良と、岩田悟が参戦を決めました。

アズランは初日の走行で1分05秒330を出し、2月のプレシーズンテストで自らが記録したタイムを0.007秒短縮し、絶好調で予選に挑みました。予選はドライコンデションとなり路面温度は50℃まで上昇しました。ここでトップタイムを記録したのは、2011年チャンピオンの藤原克昭(カワサキ)。1分05秒569のタイムでポールポジション(PP)を獲得しました。アズランは2番手、玉田は4番手、小林は6番手、ザクゥアンは8番手、小山は10番手、岩田は14番手となり、それぞれ決勝に挑むことになりました。

セパン・インターナショナル・サーキットは、MotoGPが開催されるコースとして知られていますが、ARRCではショートコース(北コース)の2.706kmを25周で争われます。決勝当日は晴天に恵まれ、レース1のスタート時には気温32℃、路面温度は48℃となりました。

レース1は、ホールショットをアズランが奪い、レースをリード。藤原、小林、ザムリ・ババ(ヤマハ)、玉田と続きます。2ラップ目には藤原がアズランをかわし、トップに立ちますが、抜かれたアズランは藤原に襲いかかり、再びトップに浮上。その2人をババが追う展開で、3台がトップグループを形成します。アズランと藤原の息詰まる接近戦は終盤まで続きましたが、アズランはトップを守りきり、優勝を手にしました。2位に藤原、3位にババ、玉田とのバトルに競り勝った小林が4位、玉田は悔しい5位。小山は7位、ザクゥアンは13位、岩田は14位でチェッカーを受けました。

午後に行われたレース2の気温は30.7℃、路面温度は39℃とやや下がりました。ホールショットは藤原が奪い、アズランが追う展開となります。ババと玉田がその2人を追い、その後方に小林がつけます。アフマド・ファド・バハルディン(カワサキ)、伊藤勇樹(ヤマハ)、ファドリ・イマムディン(カワサキ)、小山が激しい6番手争いを展開しました。トップ争いはアズランと藤原で争われ、最終ラップの攻防となります。1コーナーでトップを奪ったアズランがレース1同様、藤原を抑えますが、4コーナーで勝負に出た藤原がアズランを抜き返し優勝。2位にアズランとなりました。ババはマシントラブルでスローダウンし、玉田が3位となりました。激しい4位争いを制したのは小山。ザクゥアンは9位でチェッカーを受けました。岩田は転倒リタイア。2レース合計で、アズランは藤原とともにトップの45ポイントで並び、清成の抜けた穴を埋める活躍をみせました。

同日に開催されたアジア・ドリーム・カップは、若くて素質のあるアジアライダーへのスカラシップとして誕生し、2年目を迎えます。1年目は日本、マレーシア、インドネシア、タイ、台湾、インド、フィリピン、オーストラリア、遠くはカナダから、多くのライダーが参加しました。今年もMotoGPのMoto3クラス車両を基本とした一般生産型車両のHonda CBR250Rを駆り、ライダーが技量を競います。

今年は、5人の継続ライダーと12人の新人ライダーがエントリーしました。今年も継続して参戦するのは日本人の尾野弘樹、タイ人のカナタット・ジェイマン、シンガポール人のジャジル・ジュライミ、マレーシア人のフィトル・アシュラフ・ラザリ、そしてフィリピン人のギャリー・アグスティン・カネダとなります。この5人が中心となり、新人たちが彼らを目標とすることで育成が進むことになります。日本からは黒木玲徳が初参加。さらに中国、スリランカからのエントリーもあり、参加国が増えました。昨年、アドバイザーだった玉田がスーパースポーツ600ccクラス参戦となったため、元MotoGPライダーの中野真矢がアドバイザーに加わり、昨年に続きアドバイザーを務める亀谷長純とともに、若手ライダーの指導に当たることになりました。

開幕戦で尾野は1分19秒455というコースレコードでPPを獲得。決勝朝のウォームアップで、予選タイムをさらに上回ります。レース1は、尾野がホールショットを決めるとタイムアップして逃げきり、文句なしの優勝を飾りました。レース2ではスタート直後に雨が落ちますが、そのままスタート。雨は降り続け、転倒車も出る荒れたレースとなりますが、尾野はトップを走り続け、独走態勢を築きダブルウインを飾りました。すべてのセッションをトップで飾るパーフェクトなレースウイークとなり、尾野の強さを印象づけました。黒木はレース1を5位、レース2はリタイアとなりました。

コメント

アズラン・シャー・カマルザマン(スーパースポーツ600cc 優勝/2位)「セッティングに関しては、計画通りに仕上げることができて不満を感じることはありませんでした。走行初日からトップタイムを記録してスタートを切ることができました。ポールポジションを獲得できなかったのは残念でしたが、レース1は優勝することができました。レース2は作戦ミスだったと反省しています。次のセントゥールでは、今回の反省を生かしてダブルウインを狙います」

玉田誠(スーパースポーツ600cc 5位/3位) 「レースウイークに入ってから、タイヤの接地感が得られず、そこをなんとかしようとセッティングに苦心していました。レース2はセッティングを変えてトップグループについていき、レース後半で勝負をかけたかったのですが、単独走行になってしまいました。それでも初戦で3位表彰台に上がることができたのでよかったです。次回はアズランと藤原との差を埋めて、優勝争いができるようにマシンを仕上げたいと思っています」

小林龍太(スーパースポーツ600cc 4位/4位)「レース1はトップ集団と離れてしまいましたが、ラップタイムを見るとトップと変わらないタイムでしたし、最終ラップにベストラップを記録することができました。レース2ではセットアップを見直し優勝を狙っていきましたが、トップ争いに届かず悔しいレースになってしまいました。それでもブリヂストンからダンロップへとタイヤが変わり、ライディングの変更点を理解することができたので、次につながると思っています。次は必ずトップ争いをします」

ザクゥアン・ザイディ(スーパースポーツ600cc 13位/9位)「タイムも順位も満足できる結果を残すことができませんでしたが、今回のレースで学んだことを生かして、次のレースではもっと上位でチェッカーを受けることができるようにがんばります」

尾野弘樹(アジア・ドリーム・カップ 優勝/優勝)「マシンとウエットタイヤの感触が非常によく、レース2も勝ってダブルウインを達成することができてよかったです。今年のライダーは速いライダーがそろっていて、強力なライバルたちだと思います。簡単にはいかないと思いますが、次も今回のように勝てるようにしたいと思います」

黒木玲徳(アジア・ドリーム・カップ 5位/DNF)「今回が海外での初めてのレースでした。すべてが初めての経験で、とても緊張しました。皆のライディングはアグレッシブで驚く場面もたくさんありましたが、いろいろなことを学ぶことができました。結果はいいとはいえませんが、今回の経験を生かして、次回は少しでも順位を上げられるように頑張がんばります」

決勝

スーパースポーツ 600cc(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 25アズラン・シャー・カマルザマンHonda27:41.697
2 37藤原克昭カワサキ+1.009
3 52Z.ババヤマハ+2.309
4 634 小林龍太Honda +6.214
5 100 玉田誠Honda +6.253
6 162 F.イマムディンカワサキ +11.726
     
7 71 小山知良 Honda +20.579
10 24 ピラワット・ウォンタナノンHonda +21.380
11 59 ラタポン・ウィライローHonda +25.103
13 21 ザクゥアン・ザイディHonda +26.380
14 34 岩田悟Honda +33.821
15 234 サシタレン・スクマランHonda +33.992
DNF 18 ティティポン・ワーロンコンHonda +19Laps

スーパースポーツ 600cc(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 37 藤原克昭 カワサキ 27:40.417
2 25アズラン・シャー・カマルザマン Honda +0.065
3 100 玉田誠 Honda +5.982
4 634 小林龍太 Honda +10.623
5 71 小山知良 Honda +16.744
6 76 伊藤勇樹 ヤマハ +17.179
     
9 21 ザクゥアン・ザイディ Honda +21.579
10 24 ピラワット・ウォンタナノンHonda +29.452
11 234 サシタレン・スクマランHonda +29.506
12 59 ラタポン・ウィライローHonda +30.800
14 18 ティティポン・ワーロンコンHonda +36.494
DNF 34 岩田悟Honda +25Laps

アジア・ドリーム・カップ(レース1)

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 1尾野弘樹 Honda 18:50.498
2 5ジャックリット・サワーンスワットHonda +5.747
3 4カナタット・ジェイマンHonda +14.396
4 16 フィトル・アシュラフ・ラザリHonda +15.267
5 8黒木玲徳Honda +25.739
6 6 チュアン・アンユーHonda +25.760
7 11 ジェリー・サリムHonda +26.009
8 10 カイルール・イダム・パウィHonda +26.053
9 9ジャジル・ジュライミHonda +26.089
10 7 チェン・ユエン・ハンHonda +26.382
11 12 スミト・ルークス・トッポHonda +26.753
12 2 ナカリン・アティラプバパトHonda +46.950
13 17ギャリー・アグスティン・カネダHonda +47.562
14 14アルナギリ・プラブHonda +48.089
15 18ニコラス・アーロン・ウォータースHonda +48.516
16 15 ネッド・アーネスト・ダニエルHonda +48.592
17 13ツー・シェン・ジュン・ジーHonda +48.654
DNF 3ドウィ・サトリアHonda +5Laps

アジア・ドリーム・カップ(レース2)

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1 1尾野弘樹 Honda +20:13.212
2 16 フィトル・アシュラフ・ラザリ Honda +12.708
3 10 カイルール・イダム・パウィ Honda +22.627
4 11 ジェリー・サリム Honda +22.658
5 13ツー・シェン・ジュン・ジー Honda +1:08.461
6 18 ニコラス・アーロン・ウォーターズ Honda +1:08.661
7 15ネッド・アーネスト・ダニエル Honda +1:13.521
8 2 ナカリン・アティラプバパト Honda +1:16.274
9 7 チェン・ユエン・ハン Honda +1:26.229
10 17ギャリー・アグスティン・カネダ Honda +1Lap
11 4 カナタット・ジェイマン Honda +2Laps
DNF 14 アルナギリ・プラブ Honda +2Laps
DNF 8黒木玲徳 Honda +3Laps
DNF 6 チュアン・アンユー Honda +6Laps
DNF 3 ドウィ・サトリア Honda +10Laps
DNF 12 スミト・ルークス・トッポ Honda +11Laps
DNF 5 ジャックリット・サクーンスワット Honda +11Laps
DNF 9 ジャジル・ジュライミ Honda +13Laps

ポイントスタンディング

ライダー(スーパースポーツ 600cc)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1アズラン・シャー・カマルザマン Honda 45
2藤原克昭カワサキ 45
3 玉田誠 Honda 27
4小林龍太 Honda 26
5小山知良 Honda 20
6F.イマムディン カワサキ 18
    
10ピラワット・ウォンタナノン Honda 12
11 ザクゥアン・ザイディHonda 10
12 ラタポン・ウィライローHonda 9
14 サシタレン・スクマランHonda 6
16 ティティポン・ワーロンコンHonda 2
17岩田悟Honda 2

ライダー(アジア・ドリーム・カップ)

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1尾野弘樹 Honda 50
2 フィトル・アシュラフ・ラザリHonda 33
3 カイルール・イダム・パウィ Honda 24
4ジェリー・サリム Honda 22
5カナタット・ジェイマン Honda 21
6ジャックリット・サワーンスワット Honda 20
7 チェン・ユエン・ハンHonda 13
8 ナカリン・アティラプバパトHonda 12
9 黒木玲徳Honda 11
10 ニコラス・アーロン・ウォータースHonda 11
11 ツー・シェン・ジュン・ジーHonda 11
12 チュアン・アンユーHonda 10
13 ネッド・アーネスト・ダニエルHonda 9
14 ギャリー・アグスティン・カネダHonda 9
15 ジャジル・ジュライミHonda 7
16 スミト・ルークス・トッポHonda 5
17 アルナギリ・プラブHonda 2
18 ドウィ・サトリアHonda 0