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2016.01.30  AMAスーパークロス 第4戦 アメリカオークランド

2戦連続で6位入賞を果たしたシーリーはランキング5位
カナードは途中欠場となる

MONSTER ENERGY AMA SUPERCROSSの第4戦オークランドは、1月30日(土)にアメリカ、カリフォルニア州オークランドのオーバーストック・ドットコムコロシアムで行われました。

コール・シーリーコール・シーリー

コール・シーリーコール・シーリー

ロサンゼルスからサンディエゴ、再びロサンゼルス、そしてカリフォルニア州北部のオークランドへと会場を移動して行われたシーズン序盤戦。レース前日の1月29日(金)に雨が降ったため事前練習がキャンセルとなり、土曜日のプログラムは2度のタイムアタック予選のみでヒートレースに移行することになりました。タイムアタック予選で55.140秒をマークしたトレイ・カナード(Team Honda HRC)は10番手、コール・シーリー(Team Honda HRC)は12番手となる55.268秒でこのセッションを終えました。

前戦サンディエゴのアクシデントで手に裂傷を負ったカナードは、タイムアタック予選こそ参加しましたが、負傷した手が腫れて、万全の状態には至らなかったことから、ナイトセッションの欠場を決めました。カナードは、会場を離れる前にケガの状態をチェックするため、アスタリスク医療チームの診察を受けています。

上位4名のみがファイナルへと進出できるヒートレース。1組目に出場したシーリーは、わずか6周のレース前半を5番手で走行していましたが、後半は250SX時代からのライバル、ジェイソン・アンダーソン(ハスクバーナ)に追いつくと、激しいバトルの末、最終ラップにアンダーソンをパスし、4位でファイナルレースへと駒を進めました。

コール・シーリーコール・シーリー

コール・シーリーコール・シーリー

迎えた決勝レース。CRF450Rを駆るシーリーは、オープニングラップを5番手でレースをスタートさせました。レース前半にポジションを一つ上げ、4番手としたシーリーは、20周で争われたメインイベントの大半でこのポジションをキープしました。しかし、残り3周となったところで2つポジションを落としてしまい、最終的には前戦アナハイム2と同じ6位でチェッカーフラッグを受けました。

4戦を終えた時点で70ポイントを獲得しているシーリーは、現在ランキング5位につけています。シーリーは「合格点と言っていいと思います。大きな見せ場はまだないですが、それほど悪くもありません。才能のあるライダーばかりのクラスで、自分の前後を走っているのは有名な選手ばかり。これはすごいことです。もちろん、これ以上順位を落とすわけにはいきません。常により上を目指していますし、勝利を望んでいます」とコメントしました。

250SXクラスに参戦するGEICO Hondaのクリスチャン・クレイグは、CRF250Rを駆り、2戦連続となる3位表彰台を獲得しました。鮮やかなホールショットを決め、オープニングラップをトップで戻ってきたクレイグは、4周目にコーナーで転倒して大きくポジションを落としましたが、残りの周回でばん回し、見事2週連続となる表彰台登壇を果たしました。

トレイ・カナードトレイ・カナード

CRF450RCRF450R

Team Honda HRCは、アリゾナ州グレンデールのユニバーシティ・オブ・フェニックススタジアムで行われる第5戦に向け、万全の準備を行います。2月4日(木)のプレスデーに参加し、記者会見とコースの下見を行うため、ライダーたちにとって多忙な1週間となります。シーリーは「新しいスタジアムで不安はありますが、幸い、プレスデーの間に下見ができます。どんな土質なのかすら分からないので、このチャンスはとても有益です」と、コメントしています。

2月5日(金)の午後6時〜7時30分、カナードとシーリーはアリゾナのRideNow Powersports PeoriaでGEICO Hondaのメンバーとともにサイン会を行います。

FOCUS :「セミトランスポーター」

シーズン中はアメリカ大陸を横断しながら転戦するため、有力チームのほとんどが、セミトランスポーターを使用しています。今年、Team Honda HRCはフルカスタムした作業トラックを新造しました。チーム監督のダン・ベトリーは、軽量トレーラーを特注したことで、作業効率が大幅にアップしたと実感。

「これまでのものは、キャビネットが広くなかったですし、レイアウトもいまひとつで、よく考えて設計されたとは思えなかったです。配線や性能的にもかなり型遅れでしたし、ちょうど変更の時期となり、今回新しいトレーラーを作るにあたって、たくさんのアイディアを反映させました。エンジンもいいですし、ブレーキシステムも完ぺき。スペース的にもまだ充実させられる余裕があります」と、ポジティブです。さらに「長年にわたり培ってきた経験が、開発に生かされたと思います。我々が必要とした改良のために、デザインだけで6カ月を費やしました。送られてきた図面を再検討し、必要に応じて修正を重ねました。チームにとってなにが重要か、全員の意見を反映させる努力をしました。実際に建造に要した時間は3〜4カ月です。ペイントが施されて完成したのはアナハイム1の直前で、かなり慌ただしかったですが、おかげで満足できるものに仕上がったと思います」と続けました。

コール・シーリー(6位)
「6位はあくまで6位。今夜の結果は全く喜べません。接戦となっているだけに、今後さらに順位を落としてしまう可能性もありますから。ヒートレースはそれなりによかったと思います。この先も続くと思いますが、予選通過のポジション争いで、ジェイソン・アンダーソンに競り勝てました。まるで250SX時代の再現でしたね。メインはタフなレースになりました。今の自分にできることは最大限したつもりです。周りのライダーがプレッシャーをかけてきて、自分も全力で跳ね返そうと努力しました。終盤、アンダーソンのアタックを受けてポジションを落としてしまいましたが、実際にはマシンとコースと自分自身との戦いだったと思います。次のレースでよりいい結果を出すために、自分になにが必要で、どこを改善すべきかを、映像ですぐにチェックしました」

トレイ・カナード(DNS)
「レース出場を断念して去るのは本当に辛いです。でも、決して間違った判断でなかったと確信しています。脚の付け根と手のケガが重なって、マシンを押さえ込めなかったです。出場すればさらにケガをする可能性があったと思います。タイトル争いから外れてしまったので、まずはしっかりケガを治すこと、その上で復帰することが賢明な判断だと考えます」

ダン・ベトリー | Team Honda HRC監督
「今夜もまたタフな夜になりました。トレイが100%の状態でないことは分かっていましたし、コールもスイッチが入らないままナイトセッションを迎えてしまいました。トレイは手が腫れて、グリップを握るのも困難な状況でした。ケガが悪化する可能性があったため、自ら欠場を決めました。ヒートレースのコールはよく乗れていましたね。予選通過ラインのバトルで競り勝てました。決勝ではしっかりとスタートを決めて、ジェイソン・アンダーソンとチャド・リード(ヤマハ)に追いつかれるまで、4位をキープできました。もちろん課題はあります。まずはしっかりとポイントを積み重ねて、さらに前進します」

リッチ・シモンズ | コール・シーリー担当メカニック
「レース前半の走りはよかったですが、終盤、ライバルの追い上げを防げませんでした。全体的に休息日のようになってしまいました。タイムアタック予選のときから上手く乗れず、いくつかのセクションで苦戦を強いられていました。ライバルよりもコースの攻略に苦戦してしまった感じがあります。前向きに捉えると、スタートはよかったです。でも、それ以上にやるべきことが少なくありません」

ブレント・プレスネル | トレイ・カナード担当メカニック
「残念ですが、今夜の自分には、トレイのためにできることがありませんでした。タイムプラクティスを走ってみたものの、トレイはずっとケガに苦しんでいて、走行後には手がとても腫れていました。そのため、しっかりとハンドルを握れませんでした。結果、彼は安全策を採り、欠場すべきだと考えたようです。今週はマシンに乗れたのは1日のみ。彼自身は週末にはなんとかなると考えていたようですが、今回のコースは彼にとって、あまりに過酷すぎました」

オークランド リザルト
順位 No. ライダー マシン タイム/差
11R.ダンジーKTM17'59.908
294K.ロクスンスズキ+03.131
325M.ムスキャンKTM+14.271
421J.アンダーソンハスクバーナ+19.627
522C.リードヤマハ+22.898
614コール・シーリーHonda+30.500
73E.トーマックカワサキ+38.511
812J.ワイマースズキ+43.610
910J.ブレイトンKTM+47.012
1054W.ハーンカワサキ+50.023
 
13800マイク・アレッシHonda+1Lap
1655ビンス・フリージーHonda+1Lap
20761ケイド・クレイソンHonda+2Laps
21722アダム・エンティクナップHonda+2Laps
ポイントランキング
順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
-11R.ダンジーKTM97
221J.アンダーソンハスクバーナ75
322C.リードヤマハ75
494K.ロクスンスズキ73
514コール・シーリーHonda70
63E.トーマックカワサキ68
725M.ムスキャンKTM51
-810J.ブレイトンKTM47
-912J.ワイマースズキ46
1018D.ミルサップスKTM45
 
1241トレイ・カナードHonda29
14800マイク・アレッシHonda24
1955ビンス・フリージーHonda14
2019ジャスティン・ボーグルHonda9
2711カイル・チゾムHonda2
-29761ケイド・クレイソンHonda1
-31722アダム・エンティクナップHonda1

コール・シーリー

コール・シーリー

コール・シーリー

コール・シーリー

トレイ・カナード

CRF450R