人間工学に基づき開発された
こだわりの福祉用品たち
たとえハンデがあったとしても、
自分1人でクルマを操り、自由に移動できる自操車システム。
Honda・テックマチックシステム
Honda・テックマチックシステムは、両足が不自由な方のために、左手だけでアクセル/ブレーキ操作を可能にした運転補助装置です。運転する方が違和感を感じないスムーズな加速、減速ができるように考慮された作りになっています。また、繰り返し厳しいテストを行い、そのうえですべてOKとなった部品のみを使用することで、高い耐久性・信頼性を確保しています。
Honda・フランツシステム
Honda・フランツシステムは、両上肢が不自由な方のために、左足の前後回転運動によるステアリング操作を可能にした運転補助装置です。足の動作に適しているといわれる自転車を漕ぐような動作で運転が可能となります。また、スイッチ類もすべて足元に設置されていて、普段使うものを足元に近いほうにレイアウトすることで、使いやすい仕組みとなるよう工夫しています。
乗り降りをもっとラクに。
介護する人もされる人も、気兼ねなく移動できる福祉用アクセサリー。
吊革グリップ
吊革グリップは、グラブレールを握ることが難しい方も、乗車中の姿勢が保ちやすくなるアイテムです。腕を高く上げなくてもラクに握ることができる作りは、高齢者や障がい者がどういう動作をするかという人間工学的なデータを分析することで、肩や手の高さ、可動範囲などしっかりとした数値に基づき、本当に使えるものを目指して開発しました。
オートサイドステップ
オートサイドステップは、あまり足の上がらない高齢者やお子さま向けの商品で、乗り降りをしやすくするためドアの開閉に合わせて自動でステップが展開します。バリアフリー住宅の階段の高さを参考に設計しているので、足腰の弱い方でもラクに乗降が可能。また、耐久性についてもHonda純正の基準で開発しているため、非常に高い信頼性を確保しています。
開発者インタビュー
― ハンデがある人でも運転できるシステムを開発してきた清水さん。どんな想いで企画開発をしているか教えてください。
身体が不自由って別に特別なことじゃないと思うんです。たまたまメジャーな集団にいないだけで、それだけで助けられる側にいるってなんか違うなって。そういう人のために製品がないのが問題であって、そういう人のための製品が当たり前にあれば、それはハンディキャップではなく、そういう人たちがいるに変わると思っています。
そうした製品が当たり前にあれば、世の中がもっと生きやすくなって、色んな人が色んなふうに生活して、そしてまた、不具合を感じる人の製品がいっぱい出て、その循環がきっと生まれると考えています。
― 開発は困難だったとお聞きしました。それでも作り続けることができたのはなぜですか。
あるきっかけで、両手がない子に出会ったのですが、この子が大人になった時に運転できるクルマを作っていたい、とふと思ったんです。きっとこの子も普通にクルマも好きだし、おもちゃのクルマで遊んだりするけど、もし将来、自分が運転できるクルマが無いって気づいたときにそんな絶望感を味わわせたくない、だったらそのクルマを絶対用意しておいてあげたいと。
どんな人でも、自分は普通であるって思える世の中になってほしい。そうなるために僕たちが合わせているだけ。かっこいいことをいうと、それの一番最初は僕たちであってほしいと思います。
― 福祉用品を企画してきた金子さん。どんな想いで企画を進めているか教えてください。
身体の不自由な方が何に困っているか、実際何をしているか、どういうふうにクルマから乗り降りしているかを観察しています。そのうえで「ここにこういうのがあったら喜ばれるんじゃないか」と想像しながら商品を企画しています。
福祉用品は、それを必要とする人たちがいるのでやらなくてはならない領域です。多分僕たちがやらなかったら、フランツとかテックマチックだと運転できない人たちが出てきてしまう。そうならないように、身体の不自由な方たちとって福祉用品は無くてはならないものなんだ、と感じながら取り組んでいます。
― ホンダアクセスが福祉用品に取り組む意義はなんでしょうか。
例えば、高齢者の乗り降りを見ていると、自分の体重を支える場所が無く、ドアのヒンジなど危ない場所を握ってしまうこともあります。それで乗り降りの際に持ち手が必要なんだなということで、乗り降りをサポートするグリップ類というのを企画しました。
このように、クルマを変えなくても用品をちょっと足すことで、介護する人もされる人もラクになる部分があると思うので、そういう駆け込み寺的な存在になりたいですよね。そのためには私たちの商品を、みんなが当たり前に知っている状態にしなければならないのも重要だと思います。