DREAM CB750FOUR / 1969

『ナナハン』のジャンルを築いたオートバイ

DREAM CB750FOUR / 1969

グランプリマシンの直系

1966年の世界GPで、史上初の5クラス完全制覇を成し遂げたHondaは、翌年、世界GPロードレースからの撤退を決定した。次なる目標は、レース活動で得た技術を市販車の高性能化に活かすことだった。

Photo

DREAM CB750FOUR(K0〈ゼロ〉)。1969年7月

当時、Hondaは国内で生産する2輪車の半分以上を輸出していたものの、アメリカなどの先進国で求められていた大排気量のスポーツバイクはなかった。また、1966年からアメリカの2輪車販売が低迷し始めたこともあり、アメリカン・ホンダ・モーター(以降、アメリカン・ホンダ)からは新製品開発の要請が寄せられていた。

1965年に発表したドリームCB450は、DOHC2気筒の高性能車で、CB77(305cc)の上級クラスという、アメリカン・ホンダの要請に応えて開発したものであった。当時の開発総責任者・原田義郎は言う。

「1960年のアメリカの大型2輪車マーケットは、年間6万台程度で、そのほとんどは英国製で占められていました。日本ではさらに小さく、月に数百台という市場に過ぎませんでした。量産を念頭において、日本とアメリカの両方で売れる、450ccクラスの2輪車をつくろうということになったのです」。

CB450は比較的売れたが、決定的な評判にはならなかった。アメリカのライダーたちは最高速だけで評価をするわけではなく、シフトダウンしなくてもレスポンシブルなトルクフィーリングが得られることを求めていた。もっとゆったりとオートバイを楽しみたいというライダーが多かったのである。

原田はCB450の市場状況を確認するため、1967年夏ごろ、アメリカへ飛んだ。そして、CB450がノートンやトライアンフの650ccより、いかに性能が優れているかを、アメリカン・ホンダのメンバーに説いた。しかし、彼らは、
「なぜおれたちが450ccに乗らなきゃいけないのだ。Bigger is better!!なのだ」
と、言って譲らなかった。

当時日本では、国産バイクでは650ccが1番大きく、需要も数%しかなかったため、原田はアメリカのマーケットに着眼した製品を開発しようと決断した。しかし、アメリカン・ホンダからは、とにかく大きければ大きいほど良いという漠然とした要望しかなく、原田は排気量の設定を決めかねていた。

そんな時、英国のトライアンフ社が3気筒・750ccの高性能車を開発しているという、確かな情報が入ってきた。これが契機となって、750ccのエンジンを持ち、出力は67馬力(ハーレーの1300ccが66馬力であったため、1馬力上回れば良いという考えから)とした大型バイクの構想は、1967年10月には、ほぼ固まった。

1968年2月に開発プロジェクトが約20人でスタートし、CB750FOURの設計に取り掛かった。
当時のHondaは、スーパーカブの爆発的人気で、2輪車の生産量は世界一となっていたが、このCB750FOURで、質と量を備えたオートバイメーカーになる計画を立てていたのである。
CB750FOURのライバルは、トライアンフ、BMW、ハーレーなどであり、これらに対抗できる性能と信頼性の確保が必要であった。

そこで、グランプリマシンの直系であることを直ちに感じさせる、4シリンダー、4本マフラーのエンジン構造を基調とし、アメリカ人好みのアップハンドルに仕立てることで、野性的、かつダイナミックなイメージを前面に押し出した。初めての大排気量車でもあり、量産化とメンテナンス性を十分考慮した技術が盛り込まれた。

Hondaのチャレンジングスピリット

エキスパートを生み出すシステム
  1. エキスパートを生み出すシステムエキスパートを生み出すシステム
  2. 技術研究所の分離・独立 / 1960技術研究所の分離・独立 / 1960
  3. 私の記録、資格制度の導入 / 1960私の記録、資格制度の導入 / 1960
ついに果たした四輪業界への進出
  1. ついに果たした4輪業界への進出ついに果たした4輪業界への進出
  2. S360・T360発表 / 1962S360・T360発表 / 1962
  3. 4輪車の販売体制づくり / 19664輪車の販売体制づくり / 1966
  4. N360発表 / 1967N360発表 / 1967
  5. Honda1300発表 / 1968Honda1300発表 / 1968
  6. CVCCエンジン発表 / 1972CVCCエンジン発表 / 1972
  7. シビック発表 / 1972シビック発表 / 1972
  8. アコード発表 / 1976アコード発表 / 1976
世界に市場を求め、需要のある所で生産する
  1. 世界に市場を求め、需要のある所で生産する世界に市場を求め、需要のある所で生産する
  2. アメリカン・ホンダ・モーター設立 / 1959アメリカン・ホンダ・モーター設立 / 1959
  3. ベルギー・ホンダ・モーター設立 / 1963ベルギー・ホンダ・モーター設立 / 1963
  4. ホンダ・オブ・アメリカ・マニュファクチャリング設立 / 1980ホンダ・オブ・アメリカ・マニュファクチャリング設立 / 1980
展開期に向けての爽やかなバトンタッチ
  1. 展開期に向けての爽やかなバトンタッチ展開期に向けての爽やかなバトンタッチ
  2. 本田・藤澤両トップ退任、河島社長就任 / 1973本田・藤澤両トップ退任、河島社長就任 / 1973
先進性・独創性にあふれた技術・商品群
  1. 先進性・独創性にあふれた技術・商品群先進性・独創性にあふれた技術・商品群
  2. 長円形ピストン・エンジン / 1979長円形ピストン・エンジン / 1979
  3. ホンダマチック・トランスミッション / 1968ホンダマチック・トランスミッション / 1968
  4. カーナビゲーションシステム / 1981カーナビゲーションシステム / 1981
  5. エアバッグ・システム / 1987エアバッグ・システム / 1987
  6. 舵角応動型4輪操舵システム(4WS) / 1987舵角応動型4輪操舵システム(4WS) / 1987
  7. VTECエンジン / 1989VTECエンジン / 1989
  8. MEエンジン(G100・150・200・300・400)シリーズ / 1977MEエンジン(G100・150・200・300・400)シリーズ / 1977
  9. ZEエンジン(GX110・140・240・270・340)シリーズ / 1983ZEエンジン(GX110・140・240・270・340)シリーズ / 1983
  10. DREAM CB750FOUR / 1969DREAM CB750FOUR / 1969
  11. CG125 / 1975CG125 / 1975
  12. ロードパル / 1976ロードパル / 1976
  13. シティ / 1981シティ / 1981
  14. NSX / 1990NSX / 1990
  15. オデッセイ / 1994オデッセイ / 1994
  16. 電気自動車・Honda EV PLUS / 1988電気自動車・Honda EV PLUS / 1988
  17. 携帯発電機・E300 / 1965携帯発電機・E300 / 1965
  18. 歩行型芝刈機・HR21 / 1978歩行型芝刈機・HR21 / 1978
  19. ミニ耕うん機・F200『こまめ』 / 1980ミニ耕うん機・F200『こまめ』 / 1980
ものづくりの本質を追求するHondaの生産技術
  1. ものづくりの本質を追求するHondaの生産技術ものづくりの本質を追求するHondaの生産技術
  2. ホンダエンジニアリング設立 / 1974ホンダエンジニアリング設立 / 1974
  3. 世界一コンパクトな溶接ライン / 1982世界一コンパクトな溶接ライン / 1982
  4. 箱物部品のモジュールトランスファーライン / 1981箱物部品のモジュールトランスファーライン / 1981
  5. 塗装自動化ライン / 1988塗装自動化ライン / 1988
レースへのあくなき情熱
  1. レースへのあくなき情熱レースへのあくなき情熱
  2. 鈴鹿サーキット完成 / 1962鈴鹿サーキット完成 / 1962
  3. 2輪世界GP参戦 / 19792輪世界GP参戦 / 1979
  4. F1参戦 - 第1期 - / 1964F1参戦 - 第1期 - / 1964
  5. F1参戦 - 第2期 - / 1983F1参戦 - 第2期 - / 1983
  6. インディカー・レース参戦 / 1994インディカー・レース参戦 / 1994
  7. ツインリンクもてぎ誕生 / 1997ツインリンクもてぎ誕生 / 1997
アイデアを出して大いに遊ぶ
  1. アイデアを出して大いに遊ぶアイデアを出して大いに遊ぶ
  2. 創立15周年を京都で祝う / 1963創立15周年を京都で祝う / 1963
  3. オールホンダ・アイデアコンテスト開催 / 1970オールホンダ・アイデアコンテスト開催 / 1970
自然と人々と社会との共生
  1. 自然と人々と社会との共生自然と人々と社会との共生
  2. 安全運転普及本部発足 / 1970安全運転普及本部発足 / 1970
  3. Honda・フランツ・システム車の開発 / 1982Honda・フランツ・システム車の開発 / 1982
  4. ホンダ太陽・希望の里ホンダ・ホンダR&D太陽設立 / 1992ホンダ太陽・希望の里ホンダ・ホンダR&D太陽設立 / 1992
  5. ふるさとの森づくりスタート / 1977ふるさとの森づくりスタート / 1977
  6. 『お礼の会』開催 / 1991『お礼の会』開催 / 1991