語り継ぎたいこと 〜チャレンジの50年〜

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アメリカン・ホンダ・モーター設立 / 1959

未知の市場開拓に挑む

アメリカン・ホンダ・モーター設立 / 1959

自らの手で自らのお客さまの満足を

「一時的に商品が注目されても、アメリカの自動車販売店にHondaの企業活動に対する考え方を理解してもらい、共感を得られなければ、長期的にHondaの商品を取り扱っていただける販売店は誕生しない」
と考えた宗国旨英(当時、アメリカン・ホンダ4輪営業担当)は、調査機関、J・D・パワー社の協力を得て、1976年から毎年、アメリカン・ホンダと販売契約を結んでいるすべての自動車販売店でシビックを購入していただいたお客さま一人ひとりを訪問し、シビックの商品コンセプトや品質、購入先販売店に対する意見や要望を聴き集めるようにした。

宗国たちは、寄せられた意見をまとめ、商品コンセプトについては研究所、品質に関する事項は製作所にフィードバックし、すぐに対応可能な要望に対しては、彼らの協力を得てタイミング良く応えた。また、その他の事項に関しても、次期モデルの商品開発、生産に着実に反映してもらえるように働き掛け、実現させていった。

一方、お客さまから寄せられた購入先の販売店に対する意見や要望についても、各店舗ごとに数値化してまとめた。その資料を携えて、アメリカン・ホンダの4輪営業スタッフたちは各販売店を1軒ずつ訪問。お客さまから寄せられた要望に基づいて、各販売店のオーナーと、次年度の調査時までに実施すべき諸施策と実行計画について話し合った。

このように、アメリカン・ホンダは、商品を通じてお客さまの要望に次々と応えながら、販売店と一体となって販売体制やサービスの向上を目指した活動を展開していった。結果、各販売店のオーナーも次第にアメリカン・ホンダに信頼を寄せるようになり、Hondaのショールームを設けたり、サービスの充実に力を注ぐ店も現われ始めた。この動きが、その後のHonda車専売店の誕生へとつながるのである。

「CS【注】は、今ほどカッコ良く始めたわけではないんです。『自らの手で自らのお客さまの満足を求める』というHondaの理念を、どのようにしたら販売店さんが理解して、長くHondaの商品を取り扱っていただけるだろうかと考えた末に始めたものでした。アメリカのお客さまのご要望に基づく商品・サービスの提供を目指して、一人ひとりのお客さまから、何年間にもわたって粘り強く聴き取り調査をし、寄せられた意見や要望を次々に実現していったことで、お客さまや販売店からの信頼を得られるようになりました。このような活動を地道に積み重ねることで、アメリカン・ホンダの4輪販売網が確立されてきたのです」(宗国)。

現在、Hondaが全世界で展開しているCS活動は、このような活動を原形として拡大し、発展してきたものである。

宗国たちの活動と併せて、アメリカン・ホンダは1976年にアコード、1979年にはプレリュードを発売するなど、商品ラインアップの充実も図っていった。

さらに1983年には、初のアメリカ専用モデルとしてシビックCR-X(後に、バラードスポーツCR-Xとして日本でも発売)を発売。同車は、宗国たちが手掛けたCS活動の調査結果に基づき、超低燃費車を求めるアメリカのお客さまの要望に応えるために開発されたクルマだった。

同車の開発に際しては、日・米両国のHondaの技術研究所が技術力を駆使して、車体の軽量化やアメリカのユーザー向けのデザインを追求した。並々ならぬ苦労が重ねられた結果、誕生したシビックCR-Xは、当時のアメリカにおける自動車の燃費効率の平均値(ガソリンエンジン搭載車で1ガロン当たり30マイル前後)をはるかに上回る、1ガロン当たり50マイル(1リットル当たり約21.3km)を超える超低燃費を実現。改めてHondaの技術力をアメリカのユーザーに広くアピールしたのである。

アメリカン・ホンダの商品ラインアップの充実とともに、お客さまと販売店からのHondaに対する評価も向上し、Honda車を取り扱う4輪販売店の数も増加した。1986年には、Honda車を取り扱う4輪販売店の数は全米で900店を突破。複数メーカーのクルマを取り扱うのが一般的であるアメリカにおいて、Honda車専売店の比率は7割を超え、専売率は全米一となった。

購買者層の広い商品(シビック・アコード・プレリュード)をラインアップに置く4輪販売網・Hondaチャネルを築き上げたアメリカン・ホンダは、多様化するユーザーの要望に応えるために、高級車とハイテクを駆使したスポーティーなクルマを専門に取り扱う販売網づくりに新たにチャレンジする。

そして、1986年に第2販売網・アキュラチャネルを開設。Honda車専売店として新たに約60店が同チャネルに参画し、レジェンドとインテグラの販売を開始した。
さらに、同年実施されたJ・D・パワー社主催の米国カー・ユーザー満足度調査において、Hondaは総合第1位を獲得。アメリカン・ホンダは、1976年にCS活動を開始して以来、10年の歳月を経た後、アメリカのお客さまからの高い信頼を得て、全米一の4輪販売網を築き上げたのである。

「それぞれの国に、商品とマーケティングを通じてHondaの考え方を広く伝え、自らの手で自らのお客さまの満足を得ていく。それがHondaの海外現地法人の役割なのです。私が携わったアメリカでの4輪車販売も、私たちが求めるお客さまの満足と、お客さまがお求めになる商品と販売店への満足を、より高いところで一致させようと目指した活動の積み重ねでした」(宗国)。

【注】CS……Customer Satisfaction

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