自然と人々と社会との共生

自然と人々と社会との共生
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「私は、技術者は大衆が求め大衆に役立つよい品を、安価に製造し、技術を通じて世の中に貢献することに努めねばならぬと、自ら戒め、自ら励ますものであります」。
これはホンダ月報13号(1952年9月発行)の中で、本田が『自戒―工業的道義心―』と題して述べている言葉である。
この"本業を通じての社会への貢献"という考え方は、Hondaのさまざまな社会的活動の中にも脈々と流れている。


1970年10月、Hondaは他社に先駆けてHonda安全運転普及本部を発足させた。日本でのモータリゼーションの伸展に合わせるように、1960年代後半から交通事故が急増。交通安全が大きな社会問題としてクローズアップされてきた折であった。
人の命を預かるクルマをつくっている企業の責任として、ハードウエアであるクルマの安全性を保証するだけにとどまらず、クルマの正しい乗り方、楽しい使い方などの、安全運転に関するソフトウエアの積極的な提供を行うことを表明したのである。

1976年、Hondaは障害を持つ人の運転補助装置『Honda・テックマチック・システム』を世に送り出した。
1981年、国連の国際障害者年の年、サリドマイド禍で両腕に障害を持つ辻典子さんは、「クルマに乗りたい」という想いをHondaの関係者に打ち明けた。この想いを受け止めた各部門の担当者は直ちに行動を開始。ドイツで実用化されている両腕に障害を持つ人の運転補助装置である『フランツ・システム』を導入し、研究・改良を加えて、『Honda・フランツ・システム』を完成した。並行して進められた道路交通法施行令の一部改正も発表された。1982年4月、典子さんは『Honda・フランツ・システム』を装着したシビックで、念願の公道運転を果たしたのである。

1981年は、大分県別府市に特例子会社のホンダ太陽が設立された年でもある。ここでは障害を持つ人たちが、自らに残された機能を存分に使いながら部品生産の仕事に取り組み、社会参加を果たしている。
1992年には同地にHondaR&D太陽を設立。1994年11月には同県日出町に両社の新工場と従業員用住宅が完成した。障害を持つ人たちと健常者たちが共に働くモデル工場として、内外の注目を集めている。
また、1985年には、当社と熊本県、松橋町との共同出資による第3セクター方式で、熊本県松橋町に希望の里ホンダを設立した。

1978年、Hondaでの工場緑化を大きく推し進めることになった"ふるさとの森"づくりがスタートした。
当時、横浜国立大学教授であった宮脇昭先生は鎮守の森に学ぶ緑の創造運動を提唱しており、環境保全としての"ふるさとの森"づくり運動を興していた。Hondaではこの運動を、民間企業の先駆けとして導入。10年がかりでの"ふるさとの森"づくりに取り組むことになった。

1991年8月5日、創業者・本田宗一郎は84歳でその生涯を閉じた。

生前から本田は、「クルマ屋のおれが葬式を出して大渋滞を起こしちゃあ申し訳ない」と、周囲の人々に語っていた。形式にとらわれることが大嫌い、そして他人に迷惑をかけないという本田の強い意志を、遺族も当社の経営陣も尊重。社葬という形式ではなく、『お礼の会』を催すことにした。
『お礼の会』は逝去から1カ月後の9月5日から3日間、本社青山ビルの1・2階フロアーを使って開催された。熊本、鈴鹿、浜松、埼玉、栃木の各会場でも併催され、全会場で延べ6万2000人余りが来場。幅広い年代の方々が、本田が手掛けた製品、自筆の絵などを観ながら、在りし日の本田を偲んだ。

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Hondaのチャレンジングスピリット

エキスパートを生み出すシステム
  1. エキスパートを生み出すシステムエキスパートを生み出すシステム
  2. 技術研究所の分離・独立 / 1960技術研究所の分離・独立 / 1960
  3. 私の記録、資格制度の導入 / 1960私の記録、資格制度の導入 / 1960
ついに果たした四輪業界への進出
  1. ついに果たした4輪業界への進出ついに果たした4輪業界への進出
  2. S360・T360発表 / 1962S360・T360発表 / 1962
  3. 4輪車の販売体制づくり / 19664輪車の販売体制づくり / 1966
  4. N360発表 / 1967N360発表 / 1967
  5. Honda1300発表 / 1968Honda1300発表 / 1968
  6. CVCCエンジン発表 / 1972CVCCエンジン発表 / 1972
  7. シビック発表 / 1972シビック発表 / 1972
  8. アコード発表 / 1976アコード発表 / 1976
世界に市場を求め、需要のある所で生産する
  1. 世界に市場を求め、需要のある所で生産する世界に市場を求め、需要のある所で生産する
  2. アメリカン・ホンダ・モーター設立 / 1959アメリカン・ホンダ・モーター設立 / 1959
  3. ベルギー・ホンダ・モーター設立 / 1963ベルギー・ホンダ・モーター設立 / 1963
  4. ホンダ・オブ・アメリカ・マニュファクチャリング設立 / 1980ホンダ・オブ・アメリカ・マニュファクチャリング設立 / 1980
展開期に向けての爽やかなバトンタッチ
  1. 展開期に向けての爽やかなバトンタッチ展開期に向けての爽やかなバトンタッチ
  2. 本田・藤澤両トップ退任、河島社長就任 / 1973本田・藤澤両トップ退任、河島社長就任 / 1973
先進性・独創性にあふれた技術・商品群
  1. 先進性・独創性にあふれた技術・商品群先進性・独創性にあふれた技術・商品群
  2. 長円形ピストン・エンジン / 1979長円形ピストン・エンジン / 1979
  3. ホンダマチック・トランスミッション / 1968ホンダマチック・トランスミッション / 1968
  4. カーナビゲーションシステム / 1981カーナビゲーションシステム / 1981
  5. エアバッグ・システム / 1987エアバッグ・システム / 1987
  6. 舵角応動型4輪操舵システム(4WS) / 1987舵角応動型4輪操舵システム(4WS) / 1987
  7. VTECエンジン / 1989VTECエンジン / 1989
  8. MEエンジン(G100・150・200・300・400)シリーズ / 1977MEエンジン(G100・150・200・300・400)シリーズ / 1977
  9. ZEエンジン(GX110・140・240・270・340)シリーズ / 1983ZEエンジン(GX110・140・240・270・340)シリーズ / 1983
  10. DREAM CB750FOUR / 1969DREAM CB750FOUR / 1969
  11. CG125 / 1975CG125 / 1975
  12. ロードパル / 1976ロードパル / 1976
  13. シティ / 1981シティ / 1981
  14. NSX / 1990NSX / 1990
  15. オデッセイ / 1994オデッセイ / 1994
  16. 電気自動車・Honda EV PLUS / 1988電気自動車・Honda EV PLUS / 1988
  17. 携帯発電機・E300 / 1965携帯発電機・E300 / 1965
  18. 歩行型芝刈機・HR21 / 1978歩行型芝刈機・HR21 / 1978
  19. ミニ耕うん機・F200『こまめ』 / 1980ミニ耕うん機・F200『こまめ』 / 1980
ものづくりの本質を追求するHondaの生産技術
  1. ものづくりの本質を追求するHondaの生産技術ものづくりの本質を追求するHondaの生産技術
  2. ホンダエンジニアリング設立 / 1974ホンダエンジニアリング設立 / 1974
  3. 世界一コンパクトな溶接ライン / 1982世界一コンパクトな溶接ライン / 1982
  4. 箱物部品のモジュールトランスファーライン / 1981箱物部品のモジュールトランスファーライン / 1981
  5. 塗装自動化ライン / 1988塗装自動化ライン / 1988
レースへのあくなき情熱
  1. レースへのあくなき情熱レースへのあくなき情熱
  2. 鈴鹿サーキット完成 / 1962鈴鹿サーキット完成 / 1962
  3. 2輪世界GP参戦 / 19792輪世界GP参戦 / 1979
  4. F1参戦 - 第1期 - / 1964F1参戦 - 第1期 - / 1964
  5. F1参戦 - 第2期 - / 1983F1参戦 - 第2期 - / 1983
  6. インディカー・レース参戦 / 1994インディカー・レース参戦 / 1994
  7. ツインリンクもてぎ誕生 / 1997ツインリンクもてぎ誕生 / 1997
アイデアを出して大いに遊ぶ
  1. アイデアを出して大いに遊ぶアイデアを出して大いに遊ぶ
  2. 創立15周年を京都で祝う / 1963創立15周年を京都で祝う / 1963
  3. オールホンダ・アイデアコンテスト開催 / 1970オールホンダ・アイデアコンテスト開催 / 1970
自然と人々と社会との共生
  1. 自然と人々と社会との共生自然と人々と社会との共生
  2. 安全運転普及本部発足 / 1970安全運転普及本部発足 / 1970
  3. Honda・フランツ・システム車の開発 / 1982Honda・フランツ・システム車の開発 / 1982
  4. ホンダ太陽・希望の里ホンダ・ホンダR&D太陽設立 / 1992ホンダ太陽・希望の里ホンダ・ホンダR&D太陽設立 / 1992
  5. ふるさとの森づくりスタート / 1977ふるさとの森づくりスタート / 1977
  6. 『お礼の会』開催 / 1991『お礼の会』開催 / 1991