アイデアを出して大いに遊ぶ

アイデアを出して大いに遊ぶ
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「能率とは、プライベートの生活をエンジョイするために、時間を酷使することである」。
これは1953年発行のホンダ月報21号の『工場経営断想』で、本田宗一郎が語っている言葉である。
1日24時間という伸ばしようのない時間の中で、アイデアと工夫によって働く時間の密度を濃くし、より多く自分の生活を楽しむための時間を生み出す。そして、遊びも自らのアイデアと工夫で、思いっ切り楽しむのがHonda流なのだ。


1953年7月、埼玉製作所、および本社で、従業員の代表で構成されるレクリエーション機関・明和会が発足した。名誉会長の本田宗一郎は発会式で、「愉快に明るく青春をエンジョイし、明日の生産への糧としてレクリエーション機関を活用するように」と祝辞を述べた。翌月には、浜松製作所で浜友会が発足した。
この時から、Hondaのレクリエーション活動は、各事業所ごとに設けられたレクリエーション機関を中心として、従業員代表が自主的な運営を行い、会社は費用の一部や機材・設備面などでの支援を行うことを基本としてきた。

1963年9月、京都に全従業員約8000人が集合して、創立15周年記念式典を祝った。従業員から寄せられた452件のアイデアの中から、最優秀賞に選ばれたのは、実施予算約1億円という、当時としてはけた外れの提案であった。この案を基に各事業所のレクリエーション機関の代表者が、3カ月間という短期間で、企画から実施までを行うという離れ業をやってのけたのである。

1969年からは、オールHonda親善試合が始まった。各事業所レクリエーション機関の予選を勝ち抜いたチームが一堂に会して、野球・ソフトボール・サッカーなど、11種目のオールHondaナンバーワンを競い合うもの。若者たちのエネルギーの発散、チームワークづくり、各事業所間の交流に大きな役割を果たした。

1970年3月、鈴鹿サーキットにおいて第1回オールホンダ・アイデアコンテストが開催された。これは、前年に狭山製作所(現、埼玉製作所狭山工場)で行われた運動会での各課対抗の仮装行列を観た本田が、「これこそHondaだ」と喜んだ一言がきっかけとなって生まれた。
仕事を離れた時間に、自由な発想で夢を具現化してきた多くの従業員は、同時にモノづくりの難しさと楽しさも、この大会で体得していったのである。

1975年からはオールHonda文化展がスタートした。絵画・書・写真・陶芸など、文化的な創造活動をしている従業員に発表の場を提供。文化展への出品を機に、個展を開催するまでに腕を磨いた人、中央展での入選・入賞を果たす人も出た。また、事業所の中では、志を同じくする人たちのサークルができたり、異分野で創造活動をしている人たちが、文化論を語り合うようなサークルも生まれた。
文化展は、文化の香りが乏しいと言われていたHondaの中にも、多くの文化的な創造活動をしている人がいることを知らしめ、同好の士が集い、語り合う場を創り出したのである。

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Hondaのチャレンジングスピリット

エキスパートを生み出すシステム
  1. エキスパートを生み出すシステムエキスパートを生み出すシステム
  2. 技術研究所の分離・独立 / 1960技術研究所の分離・独立 / 1960
  3. 私の記録、資格制度の導入 / 1960私の記録、資格制度の導入 / 1960
ついに果たした四輪業界への進出
  1. ついに果たした4輪業界への進出ついに果たした4輪業界への進出
  2. S360・T360発表 / 1962S360・T360発表 / 1962
  3. 4輪車の販売体制づくり / 19664輪車の販売体制づくり / 1966
  4. N360発表 / 1967N360発表 / 1967
  5. Honda1300発表 / 1968Honda1300発表 / 1968
  6. CVCCエンジン発表 / 1972CVCCエンジン発表 / 1972
  7. シビック発表 / 1972シビック発表 / 1972
  8. アコード発表 / 1976アコード発表 / 1976
世界に市場を求め、需要のある所で生産する
  1. 世界に市場を求め、需要のある所で生産する世界に市場を求め、需要のある所で生産する
  2. アメリカン・ホンダ・モーター設立 / 1959アメリカン・ホンダ・モーター設立 / 1959
  3. ベルギー・ホンダ・モーター設立 / 1963ベルギー・ホンダ・モーター設立 / 1963
  4. ホンダ・オブ・アメリカ・マニュファクチャリング設立 / 1980ホンダ・オブ・アメリカ・マニュファクチャリング設立 / 1980
展開期に向けての爽やかなバトンタッチ
  1. 展開期に向けての爽やかなバトンタッチ展開期に向けての爽やかなバトンタッチ
  2. 本田・藤澤両トップ退任、河島社長就任 / 1973本田・藤澤両トップ退任、河島社長就任 / 1973
先進性・独創性にあふれた技術・商品群
  1. 先進性・独創性にあふれた技術・商品群先進性・独創性にあふれた技術・商品群
  2. 長円形ピストン・エンジン / 1979長円形ピストン・エンジン / 1979
  3. ホンダマチック・トランスミッション / 1968ホンダマチック・トランスミッション / 1968
  4. カーナビゲーションシステム / 1981カーナビゲーションシステム / 1981
  5. エアバッグ・システム / 1987エアバッグ・システム / 1987
  6. 舵角応動型4輪操舵システム(4WS) / 1987舵角応動型4輪操舵システム(4WS) / 1987
  7. VTECエンジン / 1989VTECエンジン / 1989
  8. MEエンジン(G100・150・200・300・400)シリーズ / 1977MEエンジン(G100・150・200・300・400)シリーズ / 1977
  9. ZEエンジン(GX110・140・240・270・340)シリーズ / 1983ZEエンジン(GX110・140・240・270・340)シリーズ / 1983
  10. DREAM CB750FOUR / 1969DREAM CB750FOUR / 1969
  11. CG125 / 1975CG125 / 1975
  12. ロードパル / 1976ロードパル / 1976
  13. シティ / 1981シティ / 1981
  14. NSX / 1990NSX / 1990
  15. オデッセイ / 1994オデッセイ / 1994
  16. 電気自動車・Honda EV PLUS / 1988電気自動車・Honda EV PLUS / 1988
  17. 携帯発電機・E300 / 1965携帯発電機・E300 / 1965
  18. 歩行型芝刈機・HR21 / 1978歩行型芝刈機・HR21 / 1978
  19. ミニ耕うん機・F200『こまめ』 / 1980ミニ耕うん機・F200『こまめ』 / 1980
ものづくりの本質を追求するHondaの生産技術
  1. ものづくりの本質を追求するHondaの生産技術ものづくりの本質を追求するHondaの生産技術
  2. ホンダエンジニアリング設立 / 1974ホンダエンジニアリング設立 / 1974
  3. 世界一コンパクトな溶接ライン / 1982世界一コンパクトな溶接ライン / 1982
  4. 箱物部品のモジュールトランスファーライン / 1981箱物部品のモジュールトランスファーライン / 1981
  5. 塗装自動化ライン / 1988塗装自動化ライン / 1988
レースへのあくなき情熱
  1. レースへのあくなき情熱レースへのあくなき情熱
  2. 鈴鹿サーキット完成 / 1962鈴鹿サーキット完成 / 1962
  3. 2輪世界GP参戦 / 19792輪世界GP参戦 / 1979
  4. F1参戦 - 第1期 - / 1964F1参戦 - 第1期 - / 1964
  5. F1参戦 - 第2期 - / 1983F1参戦 - 第2期 - / 1983
  6. インディカー・レース参戦 / 1994インディカー・レース参戦 / 1994
  7. ツインリンクもてぎ誕生 / 1997ツインリンクもてぎ誕生 / 1997
アイデアを出して大いに遊ぶ
  1. アイデアを出して大いに遊ぶアイデアを出して大いに遊ぶ
  2. 創立15周年を京都で祝う / 1963創立15周年を京都で祝う / 1963
  3. オールホンダ・アイデアコンテスト開催 / 1970オールホンダ・アイデアコンテスト開催 / 1970
自然と人々と社会との共生
  1. 自然と人々と社会との共生自然と人々と社会との共生
  2. 安全運転普及本部発足 / 1970安全運転普及本部発足 / 1970
  3. Honda・フランツ・システム車の開発 / 1982Honda・フランツ・システム車の開発 / 1982
  4. ホンダ太陽・希望の里ホンダ・ホンダR&D太陽設立 / 1992ホンダ太陽・希望の里ホンダ・ホンダR&D太陽設立 / 1992
  5. ふるさとの森づくりスタート / 1977ふるさとの森づくりスタート / 1977
  6. 『お礼の会』開催 / 1991『お礼の会』開催 / 1991