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11:こだわりのサスペンション

「MOBILIO SPIKEのこだわりのスポーティサスペンション」・・に関連して、コンパクトサイクルでもサスペンションにこだわり抜いた「ALEX MOULTON」という小径自転車がある。 「シルキーライド」の代名詞を持ち、あの有名なイギリス車「MINI COOPER」のサスペンションを開発したALEX MOULTON博士が、その産みの親である。 だがALEX MOULTONの話をする前に、小生のサスペンションミニ講座を開きたい。 サスペンションの何たるかを知れば、諸兄らにALEX MOULTONがいかに素晴らしい自転車なのかをよりわかっていただけると思うからである。

乗り物にとってサスペンションとは、人間でいうところの筋肉や腱にあたり、必要不可欠な部品であることはもちろん、このサスペンションの性能が「そのまま」乗り心地に直結する。 構造は「スプリング」と「ショックアブソーバー」から成り、どちらかが欠けてもダメである。
スプリングは自転車が凹凸を乗り越えるときに縮み、凹凸を乗り越えた後にはその反発でまた伸びようとするものである。 このスプリングのみでは、伸びるときにスプリング本体の振動が発生し、自転車が凹凸を乗り越える度に車体がポンポンと跳ねて、地面とタイヤが接しなくなってしまうのだ。 その結果、駆動力は失われ自転車は失速してしまう。
そのスプリングの伸びる反発を吸収するのがショックアブソーバーである。 アブソーバーは、自転車が次の凹凸を乗り越える前にスプリングの伸びる反発を吸収する。 このためサスペンションはスプリング振動のない、万全な状態で次の凹凸を迎えることができる。
乗り物とはこのようなサスペンション機能を持っているため、荒れた路面でもタイヤがしっかり地面を捉えることができ、駆動力を失わず前に進むことができるのだ。 良いサスペンションとは、これらスプリングとアブソーバーが絶妙のバランスで噛み合い、絶妙なロードホールディングが得られるもののことをいう。

これほど重要な部品であるサスペンションなので、乗り物メーカーはしのぎを削ってサスペンションの性能向上に努める。
ALEX MOULTON BYCICLEはそんなサスペンション競争厳しい自転車の世界で「シルキーライド」の名を冠することが出来る名車中の名車である。 その驚くべきは、車体そのものがサスペンション構造となっている点で、一見しただけではどこがサスペンションなのだか解らない。他の自転車のサスペンションではこのような構造は見当たらない。 何と言ってもフロントサスペンションは独創的であり、車体そのものがしなって道路を掴んでいることが手に取るように実感できる。この快感を味わいたいがために、わざわざ道の凸凹に突入したくなる程だ。 なお、各ユーザの好みよって微妙なサスペンションの味付けができるようになっている。
また素晴らしいのがそのデザインで、コンパクトサイクルの芸術品と呼ばれるだけのことはあり、見る者の心さえも掴んで離さない。 ALEX MOULTON BYCICLEの機能美は、この「こだわりのサスペンション」あってこそ成立するものなのだ。
写真1
■ こだわりのサスペンションの代表選手、ALEX MOULTON。写真はAMモデルといってMOULTON氏の古城で一台一台ハンドメイドされている代物。

写真2
■ フロントサスペンション。写真の様にフレーム内部に格納されており、外からは見えない。このようにサスペンションはスプリングとショックアブソーバーから成り立っている。

写真3
■ 前輪部分は二重フレーム構造になっていて、強度を高めるだけでなく、動物の足の骨のように脛骨と腓骨がそれぞれ補い合ってショックを吸収しあう役割をする。

写真4   写真5   写真6
■ 後部サスペンション、ラバーコーン。実はこのラバーコーンにものすごい秘密が隠されていた!下の写真にその答えが・・・

■ 右はMOULTONのラバーコーン。左はなんと・・・あのミニクーパーのラバーコーンなのだ!大きさの違いはあれ全く同じ形状であることがよく解る。

■ ミニクーパーにはこのような状態でラバーコーンが装着されている。無論その仕組みと役割は自転車と全く同じ。自転車多しといえど、クルマと比較できる自転車はモールトンだけだ。

あのミニクーパーにも採用されている!:モールトン博士の特許、ラバーコーンとは・・・

ラバーコーンとはラバーとコーン(ラバーを受ける部分)がひとつになったパーツのこと。
ゴムの性質は初期の動きが柔らかく、沈めば沈む程硬くなる。そして再び柔らかくなった時にはスプリング特有の振動がない。この性質を利用したALEX MOULTONのリアーサスペンションにはショックアブソーバーが必要なくなり必然的にパーツ点数も少なくなる。 結果、サスペンション自体を非常にコンパクトにすることが出来るのだ。 このラバーコーンひとつでたくさんの仕事がこなせるということだ。

このように沈めば硬くなるラバーコーンの性質を「プログレッシブ」と呼び、他のサスペンション機構と比べてもその優位性は大きい。 通常のサスペンションを搭載した自転車では、コーナーリング中にリアーサスペンションが奥まで沈んでしまうとトラクション(動力を地面に伝え加速する力)がかからず綺麗なコーナーリングができなくなる。 そのため最近のMTBでは、いかにサスペンションを奥まで踏ん張らせるかを、さまざまなメーカーが最新の技術で争っている。 しかしモールトンは50年も前からこのトラクションの問題を考え、ラバーコーンで特許を取った。 そして50年経った現在でもなお、このラバーコーン技術は色褪せることなく輝きを放ち続けているのだ。
■ 4+2あれこれ
■11:こだわりのサスペンション

■10:4plus2への道・モビリオスパイク徹底検証

■09:オデッセイ・ファーストインプレッション

■08:全国サイクリングロード情報

■07:HDTV・CM製作スナップ

■06:パーク&ライド
■05:カスタマイズ-1

■04:駅へ行って地図をもらおう。

■03:KCTP−京都・サイクリング・ツアー・プロジェクト

■02:コンパクトサイクルの優位性

■01:4+2ing にはコンパクトサイクルがおすすめ。